建設業で起業する際に気を付けることは?

札幌市白石区の建設業の経営に強い千葉税理士事務所です。

今回は建設業で起業される方起業後5年以下の方向けのお話をします。

(目次)

1.資金調達の重要性

2.取引先の与信の重要性

3.売上のもらい方の注意点

4.まとめ

1.資金調達の重要性

建設業の方が起業する場合に重要なポイントは資金調達です。

実際に使う使わないは別として最初に資金調達をしておくことが重要なことをご存じでしょうか。

なぜ資金調達の重要性があるのかというと、次の3つのポイントがあります。

① 取引先との支払いサイトによっては利益があってもお金が入ってこない

② 成長するためには経費先行になる場合が多い

③ 最初は悪い査定結果が出ていないので調達しやすい

一番大事なこととしては③の「最初は悪い査定結果が出ていない」ということろになります。

金融機関は与信というものを行います。

与信とは「あなたの会社やあなたという経営者がお金を貸せる信用があるか」を審査することになります。

創業時点では自分での経営成績は未知数になります。

未知数のうちは勤務経験と事業計画・取引先予定・受注状況などの現状と過去の業界経験を基に融資審査をすることになります。

1回でも決算をすると赤字・黒字という結果が出ますので、実績評価になります。

特に創業後は経費が多くかかる時期が多いので赤字になりやすい時期からスタートします。

すると、2期目で融資を受けるハードルは上がりやすいということになります。

創業融資はできるだけ使って資金調達をすることをお勧めする理由になります。

借入はできるだけしたくないという気持ちもわかりますが、使わなければ返済することはいつでもできます。

でも、借りたいと思ったときには融資を受けにくい環境になっている可能性が高いということも覚えておきましょう。

2.取引先の与信の重要性

建設業のお客様をたくさん見てきましたが、その中で「取引先の与信」の重要性を知っていたらと思うケースに出くわすこともあります。

先ほどは金融機関があなたの会社の与信をして融資をする・しないを決めているとお話ししました。

資金調達の時には「与信」されて、すぐにつぶれるわけでもないのに資金調達ができないことさえあるということはイメージできたと思います。

これくらい金融機関にとっては「与信」は重要なことなのです。

一方で建設業を創業された方は取引先に対して「与信」というものを軽く考えているケースもあります。

特に「売上を増やしたい」・「仕事がない」・「仕事が薄い」というタイミングでは与信を考えないまま取引を始めることが良くあります。

通常は大きな問題もなく取引が始まるのですが、最初はきちんと支払いをしてくれるのですが2カ月・3カ月と取引をしていくうちに支払いが遅れたり、入金されないというトラブルに発展することもあります。

仮に、100万円の焦げ付きが起こったら会社にどれだけのダメージがあるか考えてみましょう。

1か月の現場の売上100万円→入金0円

その期間の人件費・外注費で70万円→支払い70万円

差引資金繰り 🔺70万円

これを見るとわかりますが、お金が入るはずが70万円支払いだけが増えます。

この現場をしたとして儲かるのは30万円です。

同じ規模の現場で赤字を穴埋めしようとすると、2カ月分以上の売上を上げないと赤字がトントンにならないのです。

さらに考えていただきたいのは、本当は別の現場をやっていたら入ってきたはずの売上分の入金も得られなかったのです。

目に見える損失以上に大きな損失を生んでしまうという怖さを知ってほしいのです。

与信の方法としては東京商工リサーチや帝国データバンクで与信をかけると相手の会社の情報を得ることができます。

数字を見てもわからない場合は、税理士さんに聞いてみましょう。

私たちはお客様がわかりにくい、データをお客様にわかりやすく説明することで喜ばれております。

建設業の場合、取引金額も大きくなりますからこのようなことをしっかりとしていただける税理士さんと付き合うことをお勧めします。

3.売上のもらい方の注意点

次に売上金のもらい方の注意点です。

一番の理想は現金払い(預金振込)です。

しかし、他の業種と違い建設業の場合は「手形」というものが使われることがあります。

飲食店やサービス業で手形を使うケースはほぼないと思いますが、建設業では未だに「手形」で決済をすることがあります。

特に、こちらが知識を持っていない場合には「手形が当たり前」という感じで押し切られてしまうこともあるので注意しましょう。

実際に取引先の社内ルールで100万円以上は手形や30万円以上は手形なっているところもあります。

しかし、手形は期日まで現金化されないというルールがあります。

期日はよくある期間としては3カ月手形というものです。

請求書を出して翌月に3カ月後にお金になる手形を渡されてしまうという資金面での怖さがお分かりいただけますか?

もし、あなたの会社は人件費がほとんどであれば人件費を支払うためのお金が入ってこないわけです。

得意先のルールはありますが、交渉することで手形を回避することができることもあります。

また、手形をもらわざるを得ないときでも別の対策もあるので税理士さんに相談することをお勧めします。

(手形のルール)

金融機関で割引という手続きをとることで、満額ではなく一定率割り引かれた金額が入金になるということで期日前でも資金化することができます。(一般的に)

万が一、手形の振り出し先が資金不足などで決済できない場合には、他人に渡した手形を買い戻さなければならないというルールがあるのでできればもらいたくないものです。

4.まとめ

建設業で起業される場合は、建設業としての商習慣を知っておくことが重要です。

その商習慣によって資金繰りが厳しくなる可能性もあることから、資金調達をしっかりしておくことがお勧めします。

これから起業する方は起業前から税理士さんに相談して資金調達を進め、起業後の方は現在の状況で資金調達がどれくらいできるかを相談しましょう。

借入をすることは悪いことではなく、返済できない状況になることが経営者としては怖いのです。

借りたお金でも資金を潤沢にしておくことで、成長するための資金を手元に持っておくということにつながります。

どのように成長していくとよいのかを考えたいという方は私たちに相談ください。

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