「もっと現場を回せば売上が上がる」と思っていた社長が気づいた、"単価アップ"という最強の武器

会社紹介:株式会社タカハシ建設(仮)(従業員15名/年商7,500万円)

札幌市白石区の建設業の経営に強い千葉税理士事務所です。

今回は物語形式で建設業に起こりやすい事例をお話しします。

高橋社長は、職人出身のたたき上げの経営者。
「現場を増やせば売上が上がる」と信じ、朝早くから夜遅くまで現場を回り、空いた時間で見積り・請求書・現場管理と、一人何役もこなしてきました。

でもここ数年、ふとこう思うようになりました。

「うちは頑張ってるのに、なぜかお金が残らない…」

「利益が出てるのか出てないのか、正直わからない…」

「税理士からは『黒字です』って言われるけど、資金繰りが楽になった感覚がない…」


問題は、「単価のつけ方」と「数字の見方」にあった

実はこの会社、1現場あたりの利益率が10%未満ということが発覚しました。
理由は「競合他社に合わせた価格設定」「ざっくりした見積もり」「利益を計算せずに請ける」という、よくあるパターン。

高橋社長は、数字が苦手です。
というより「見方を誰にも教えてもらっていない」のが実情。

今までの税理士は、毎月「先月の試算表」と「領収書の整理」だけ。
経営の話は一切ナシ。


売上アップの本当の近道は、「現場数を増やすこと」じゃなかった

数字を分析すると、こう見えてきました。

  • 材料費や外注費の高騰
  • 職人の確保コスト上昇
  • 社内の人件費もジワジワ上がっている

このままでは、現場が増えるほど赤字になる体質になってしまう危険があるんです。

そこで、まず取り組んだのが「単価の見直し」と「利益計画」の策定。
具体的には、こういうステップを踏みました:

  1. 過去10件の現場原価を分析
  2. 自社の適正利益率を設定(最低でも20%)
  3. その利益が確保できるように見積りを再設計
  4. 値上げの説明トークを整備(値下げではなく"信頼と品質"を売る)

値上げ交渉が不安?実はお客様も「安すぎる会社」に不安を感じている

「価格を上げたら仕事が来なくなるんじゃ…」

そんな不安もあるでしょう。でも実際に値上げ後も契約率はほとんど変わりませんでした
むしろ「ちゃんとやってくれそうだから頼んだ」と言われるケースが増えたのです。


あなたの会社の単価は、利益を生んでいますか?

建設業の経営改善は、「コスト削減」より「売上の質を高める」ほうが、何倍も効果があります。
現場を増やす前に、自社の数字の構造を見直してみませんか?

「単価を上げたいけど、どう伝えていいかわからない」
「そもそも、いくら利益を取ればいいのか見当もつかない」

そんなときこそ、数字が読める経営者になるための“仕組みづくり”が必要です。


まとめ

  • 売上アップ = 現場数増加、ではない
  • 単価アップには「根拠」が必要
  • 数字の見える化が、利益体質の第一歩
  • 税理士は「記帳代行屋」ではなく「経営の相談相手」であるべき

📌数字が苦手でも大丈夫です。
「どこから手をつければいいかわからない」という方、まずはお気軽にご相談ください。
経営に必要な数字の“つくり方”から一緒に整えましょう。

お問合せ℡011-858-7007