建設業の設備投資は現金・借入・リース?

札幌市白石区の建設業の経営に強い千葉税理士事務所です。

今回は建設業のお客様からよくある相談をお話しします。

(目次)

1.建設業は設備投資のタイミングが重要

2.設備投資をする際に資金繰りに注意

3.設備投資をリースするリスクとは

1.建設業で設備投資のタイミングが重要

建設業では設備投資をする機会が他の業種に比べると多いと思います。

小さなものでいうと車から始まり大きな重機まで、実に様々な設備投資があります。

その設備投資をどのタイミングでするかも経営的には大きなポイントになります。

自社で設備を持つ強みは「外注」に出すよりも、コストが安くなることが挙げられます。

逆に弱みになるのは「現在その設備を使う仕事がなくなった場合」に支払いだけが残るからです。

会社の利益をどのように作っていくかによって会社の財務に与える影響が変わるので注意しましょう。

一般的には次のタイミングが設備投資のタイミングになります。

①創業時に設備投資をする

②利益が出るタイミングで設備投資をする

③中古の値ごろ感のあるものが出てきたタイミングで設備投資をする

④計画して設備投資をする

①創業時に設備投資をする

創業時に設備投資をする建設業の方も多くいらっしゃいます。

建設業で勤務経験のある方が独立開業される場合には、公庫や銀行から銀行融資を受けやすくなります。

特に業界経験豊富で開業後の取引先が決まっている場合は融資がしやすい方ということになります。

といっても、いきなり数千万の設備投資資金を借りられることはあまりないので自動車購入などの資金数百万円程度が現実的なところです。

②利益が出るタイミングで設備投資をする

一般的によくある話が利益が出るタイミングで節税したいからというものがります。

経営的に良いとは言えないのですが、高級車を経費で落とすと節税になるからと考える方もいらっしゃいます。

この利益が出るタイミングだから設備投資をして節税したいと考えている場合、先ほどの外注やリースよりも購入したほうが利益が出るということと矛盾してきます。

つまり、購入して経費が圧縮されると先々また利益が出てくるので慌てることになります。

下手をするとよくものを買ってくれる業者ということになり、常に資金繰りの苦しい会社になってしまいます。

節税目的だけで設備投資をすることはお勧めしません。

③中古の値ごろ感のあるものが出てきたタイミングで設備投資をする

建設業で使うものには中古の車両や建設機械がよく出てきます。

今後は会社が後継者不足や人で不足で廃業することも増えてくるので、中古での設備投資の機会も増えてきそうです。

ここで重要なことがあります。

中古の値ごろ感のある車両や建設機械が出てきたタイミングで購入する場合、次のポイントに気を付けましょう。

ⅰ.中古資産は減価償却費が多く出ることがあるので決算着地の数字への影響を考える

 (赤字だと金融機関評価に影響するため)

ⅱ.金額によっては資金繰りに影響することがあるので資金繰りの検討をする

 (資金繰りが悪くなってから融資を受けようとしても、赤字なっていると難しくなることがある)

私たちは設備投資前にご相談いただくことで、上記の部分を検討して会社の利益・財務の問題が起きないように打ち合わせをしております。

④計画して設備投資をする

大きな設備投資は「設備投資計画」を立てて行うことをお勧めします。

特に本社や工場を作るという場合は大きな設備投資になり、会社の損益や財務にも大きな負担がかかります。

「なんとなく欲しいから」ではなく、「その設備投資による効果」「事業の将来性」も検討するようにしましょう。

また、リセールすることでキャッシュを作れるかどうかも考えて計画を作るとよいでしょう。

会社の利益計画に設備投資計画をセットで考えることで、利益・生産能力・財務の3つの問題に取り組むことができます。

もしも、利益計画などで会社をよくしていきたい方はお気軽にご相談ください。

2.設備投資をする際に資金繰りに注意

設備投資をする場合、一番気を付けなければならないのは「資金繰り」です。

手元に1千万円以上あると、「キャッシュで買ってしまってもいいか」と考えることが多くあります。

建設業は季節によって忙しい時期・お金が増える時期・忙しいけどお金が減る時期とその時期によってお金の状況が変わります。

手元の現預金だけで判断すると、忙しいけどお金が減る時期にお金のある分の仕事にセーブしてしまうと利益も減るということになります。

せっかく設備投資した意味がないということにもなりかねないので、資金繰りに安全性を持たせましょう。

基本的には長く使うものを購入するときは長期の融資を受けるということが鉄則になります。

予定納税の支払いなどの税金の支払いもあることを忘れずに、手元の資金を厚くしておくことも心がけましょう。

私たちは設備投資前の融資相談を受けることも多いのですが、その際には会社の財務状況を見たうえでお答えさせていただいております。

3.設備投資をリースするリスクとは

建設業の方からよくある相談は「リースにしたほうが良い?それともローンで購入したほうが良い?」です。

結論からいうと同じ金額であればローンで購入することをお勧めしています。

リースで借りた場合、業況が思わしくなってリース料が滞ったときには仕事で使いたい重機などが引き上げられてしまいます。

仕事をしないとお金にならないのに、お金を生むための設備がないという危険な状況になってしまうからです。

ローンで購入した場合は、万が一の際に売却することもできますがリース物件はできません。

売却したお金で必要な時だけ借りることで仕事を継続できるという手段を温存する意味でもローンのほうが良いです。

【ローンよりリースを選ぶ会社がある理由】

先ほどの話をみていくとローンで購入したほうが事業の安全性が高まると思うのですが、リースを選択する会社も多いのには理由があります。

①設備資金融資は業況が悪いと受けることが難しい

②融資審査から実行まで時間がかかる

③銀行融資を受けるためには決算書の提出と説明をしなければならない

こうした手間暇が苦手な経営者の方はリースのほうが簡単なのでリースを選択されることもあります。

これだけでなく、リースとローンのリスクの違いなどを知らないのでリースという方もいらっしゃいます。

4.まとめ

建設業にとって設備投資はとても重要なイベントですが、その頻度が高いという特徴があります。

特に成長期は必要な設備が増えていくので、しっかりとした知識を持っておくことをお勧めします。

会社の財務状況によっては手持ち資金で購入することで事業リスクが高くなることもあるので、注意しましょう。

リースの場合は万が一の事業リスクがあることも念頭に話を進めてください。

経営上万が一が起きないように、事業を成長させていくためにお勧めしているのが利益計画です。

私たちはお客様に利益計画の作り方をお話しすることで、経営者の方の知識が上がることを経験済みです。

経営に関する相談をご希望の方は(電話011-858-7007)にご連絡いただけると嬉しいです。

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