開業届を出さない起業は損だらけ!?~危険なモグリ起業とは~

事業を始めると開業届を税務署に提出して本格的に始めることになります。ところが、開業届を出さないまま事業を行っている人もいるようです。開業届を出さなければ税金がかからないわけではありません。開業届を出さない起業はデメリットだらけなのです!~弥生会計・MFクラウド会計の札幌市白石区の千葉税理士事務所~

開業届を出さない起業は損だらけ!?~危険なモグリ起業とは~

弥生会計・MFクラウド会計専門の札幌市白石区の千葉税理士事務所の無料税金ワンポイントです。

建設業・飲食店・理美容業・中古車販売業・動物病院・SEなど自分で起業する場合、きちんと税務署に開業届を出す必要があります。

なかには事業をおこなっているにもかかわらず、「開業届を出さないまま事業をしている危険な起業」をしているかたもいますが最もデメリットがある起業なのです。

開業届を出さず確定申告をしないまま脱税を続けている方を「モグリ」という言い方をすることがありますが、これは非常に危険です。

デメリットが大きいモグリ起業では、税制上の優遇規定も社会的信用も得られないのです。

正しく開業届を出すことで、社会的にも信用が得られるだけではなく、節税効果の高い様々なメリットが受けられます。

サルの取調室

モグリ起業が起きてしまう理由~開業届を出さない起業のはじまり~

①モグリ起業には「悪意型」と「気付くとモグリ型」がある

通常は新しく起業して事業を始めたら開業届など税務上優遇が受けられる届出書を提出して事業を始めます。

ところが、「モグリ起業」は飲食店・理美容業・マッサージ業など店舗をオープンさせない限り開業日が曖昧なことが多いのです。

なぜ「開業日が曖昧」ということが起こってしまうのでしょうか?

これには所得税法上の問題が影響しています。

所得税法229条(開業等の届出)

 居住者又は非居住者は、国内において新たに不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を開始し、又は当該事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを設け、若しくはこれらを移転し若しくは廃止した場合には、財務省令で定めるところにより、その旨その他必要な事項を記載した届出書を、その事実があつた日から一月以内に、税務署長に提出しなければならない。

これをみても「なんでモグリ起業になってしまうのか」がわかりにくいかもしれません。

よく見ると開業届を出さなければならない条件が書かれていることに気が付きます。

「新たに不動産所得・事業所得・山林所得の事業を開始すること」が開業届を出さなければならない要件です。

事業を始めた場合には、開業届を出さなければいけないということが定められています。

つまり、事業でなければ開業届を出さなくてもよいということです。

ここで問題が起きてしまいます。

「事業ってなに?」問題です。

飲食店・理美容店・マッサージ店・動物病院・中古車販売業の場合には、店舗を構えて開店します。

これは明らかに事業として認められます。

なぜなら「本気でこれで生計を立てていく」ということがわかるからです。

本人の気持ち的にも客観的に見ても仕事として頑張っているんだなとわかります。

・趣味で飲食店を開店しただけです。

・趣味で床屋を開店しただけです。

・趣味で整体を開店しただけです。

・趣味で動物病院を開店しただけです。

・趣味で中古車販売店を開店しただけです。

これで「事業ではない」ということは難しいですね。

いままで一生懸命応援していたお店が趣味の店だといわれるのです。

しかも、きちんと営業時間まで書いてあって従業員までいる。

そんな本気の店まで構えていて「事業ではありません」と言われたら、税務署でなくてもびっくりしてしまいます

このように店舗を構えているのに開業届を出さないまま営業しているのは完全に「悪意があるモグリ起業」です。

この悪意があるモグリ起業は、一般的に脱税をしている会社といわれるものです。

手錠をかけられた男性

②「気付くとモグリ型起業」とは、開業日がわからない起業

本人さえ事業としての認識がないまま、事業になっているケースもあります。

このモグリ型企業になってしまいやすいのは、副業が成長してしまった事例が当てはまります。

本人が副業程度と思っていたものが、気が付くと事業になっていることが多いのです。

事業の大原則は次の要件を満たすものです。

①自分で資金を調達したり、その業務のリスクを負っていること

②営利目的で対価を得ていること

③その業務を反復継続している意思があり、客観的にも認められること

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副業が順調に発展している場合には、この事業の大原則に照らすと「副業」と「事業」の境目は非常に微妙になってくるのです。

それは副業から始まったゆえの問題です。

本業でも副業で損をしようと思う人間はいません。

しかし、本業として起業した人は損をする可能性はあります。

人生をかけた独立なので、ハイリターン・ハイリターンな可能性があります。

飲食店・理美容店などは店を開けるまでどうなるかわからないですね。

しかし、副業の場合はどうでしょう?

あくまでも副業です。

大きなリスクを取らずに、小遣い稼ぎができればという程度で始めています。

先ほどの事業の要件に該当しますか?

副業の時には、事業の要件を満たしていない可能性が高いのです。

しかし、気が付くと副業だったものの収入が大きくなっていることがあります。

特にアフィリエイトなどは急激に収入があがります

1年前には考えられないほどの収入アップということもあり得ます。

こうなってくると、副業を真剣に考えていくことになります。

下手をすると本業のサラリーマンとしての収入よりも副業の方が大きいなんてこともあり得ます。

こうなったら、皆さんはどう考えていきますか?

高収入になった副業は副業でしょうか?

それとも事業なのでしょうか?

これがモグリ型起業です。

モグリ型起業は副業が順調に成長することで開業日がわからない起業です。

このモグリ型起業も気を付けなければ脱税をしていることがあります。

サラリーマンやパートの人は副業の利益が年間20万円以下の利益であれば所得税の確定申告を省略できる特例があります。

副業収入が大きくなって副業利益が20万円を超えているのに確定申告をしていなければ脱税をしていることになります。

税務署からの問い合わせや税務調査で指摘されると、会社やご主人に迷惑をかけることになるのでしっかりと確定申告をしてください。

asian businesswoman on white background

③開業届を出すことで受けられるメリット

開業届を出すのが当たり前といえば当たり前なので、開業届を出すメリットといっていいのか悩みました。

開業届を出すことで次のことができるようになります。

・社会的信用力がつく

・銀行口座開設で屋号通帳を作ることができる

・日本政策金融公庫からの融資を受けることができる

・創業融資など優遇金利などの有利な銀行融資が受けられる

・青色申告制度の税制上有利な規定が受けられる(一定の届も必要)

モグリ起業のデメリット

・無申告加算税など様々なペナルティーを受ける

・資金繰りに困っても銀行融資が受けられない

・儲かって事業拡大の際にも銀行融資が受けられない

・社長が住宅を買う時も住宅ローンが組めない

・社長の収入がないことになっているので、クレジットカードの信用枠がない

個人事業時代に無申告をしている方は、法人を設立しても法人の税務調査時に経歴を聞かれます。

無申告時期があることは、法人を設立した後でもチェックされることになります。

 

まとめ

・開業届を出さない起業は社会的にも税務的にもデメリットだらけです

・モグリ起業は資金繰りが苦しくなっても銀行融資が受けられません

・モグリ起業は住宅ローンが組めないため家が買えません

・モグリ起業はクレジットの与信枠がありません

・法人設立をしても、個人のモグリ時代は暗い影を落とします

開業届を出さないまま起業している人は、一刻も早く過去の申告をして会社を成長させていきましょう。

① 開業届を出していない方

② 副業が大きくなってきている人

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