札幌市白石区にあるクラウド会計専門の千葉税理士事務所です。個人事業主にとって確定申告は年に一度の大きなイベントですが事前準備ができている場合とできていない場合では大きな差が出てしまいます。今回は10月から始める確定申告対策を考えてみましょう。
10月から始める確定申告対策とは【個人事業の年内スケジュール】
個人事業主や不動産賃貸業の方、仮想通貨取引をしている方、アフィリエイターの方など様々な個人にとって頭の痛いものが「確定申告」です。
税金がでるから確定申告が嫌いという方もいるかもしれませんが、忙しい時期に経理を自分なりにして税金計算・納税が同時に発生してしまうから嫌いという方が多いのです。
実際に個人事業を自分でされている方からお聞きするのは1月から3月は憂鬱だという話です。
1月のお正月が終わってからは年末調整の完了と確定申告準備だけであっという間に3月になってしまうからです。
確定申告準備に時間がかかっているせいで、本業の売上が落ちたり、気分的にマイナス要素が多くなってしまうのです。
1年に1度の確定申告ですが10月からの対策をすることでストレスを小さく乗り越えていきましょう。
(目次)
1.確定申告時期に忙しくなるデメリットとは
2.10月にすべき確定申告対策は税理士さん探し
3.12月までに過去の申告内容と10月までの帳簿完成で消費税節税
4.12月中旬までに所得税の節税対策
5.まとめ
1.確定申告時期に忙しくなるデメリットとは
税理士さんに税務顧問や確定申告をお願いしている方がいうことは「なぜ早く頼まなかったのか」ということです。
これには理由があります。
自分で経理・確定申告をする方は1月~3月上旬までの間に慌てて処理をする方が多いのです。
そのため1月から3月まで本業の仕事ができないという方も多いのです。
建設業など冬場の仕事がうすい業種であっても営業活動の停滞はその後の売上ダウンにつながっています。
1月~3月が経理や確定申告で忙しいと資金繰りのしわ寄せが2月~5月に起きてきます。
特に3月の確定申告による所得税の納税・消費税の支払をしていくと3月・4月に多額の資金が必要になります。
その時期に本業の仕事が停滞したことによる入金がないという状況が起きてしまうのです。
仮に税理士さんを頼んだ場合、本業の売上などの入金に影響が少なくなるというわけです。
2.10月にすべき確定申告対策は税理士さん探し
個人事業の方にとって10月までにすべきことは「税理士さん探し」だと思います。
自分ですべてを計画的にできている方にとっては必要ありませんが、経理や税金について心配という場合は今すぐ着手しましょう。
税理士さん探しは確定申告直前よりも今なのです。
それには理由があります。
税理士さんの繁忙期に入ってしまうと、お客様にとって有利な条件で引受けることが難しくなってしまうのです。
税理士さんも恒常的に余剰人員を雇用している訳ではありません。
さらに人材不足で繁忙期だけの増員ということも難しい状況になっています。
そのため確定申告だけなら安くしてもらえると思っていると逆に高くなければ無理というケースや断られるということも多いのです。
①確定申告時期(1月~3月):税理士さんは確定申告処理・12月決算法人処理で繁忙期
②年末調整時期(11月~1月):顧問顧客の年末調整の計算・発送業務で繁忙期
③節税は12月までに対策をしていなければ手遅れ
せっかく税理士さんを頼むのであれば税金についての相談や資金繰りについても考えながら確定申告対策をしていく方がお得です。
3.12月までに過去の申告内容と10月までの帳簿完成で消費税節税
確定申告対策を早期からすることで来年の消費税の節税ができることをご存じですか?
確定申告期限までに帳簿をつけて申告している場合には消費税に対する税金対策ができないのです。
これは消費税の仕組みが影響しています。
消費税の計算には「本則課税」と「簡易課税」という2種類の計算方法があります。
簡易課税という方は初年度は、前年末までに選択届出書を提出しなければ使うことのできない計算方法です。
人件費など消費税の含まれていない経費率が高い業種の場合には、本則課税よりも簡易課税を選択した方が有利になるケースが多いのです。
例えば、建設業(一人親方や鳶など)・理美容室・整体マッサージ業・弁護士・司法書士などのサービス業が該当します。
これらの業種でも大きな設備投資をする場合には本則課税の方が有利になるケースもあるので事前のシュミレーションが重要になります。
消費税の計算などは複雑になることも多いので税理士さんに相談した方がよいと思います。
4.12月中旬までに所得税の節税対策
確定申告書を作成・提出する期限は3/15です。
これは12月31日までの結果をまとめたものになります。
実際に税金対策ができるのは12/31までに経費を使ったりすることになります。
12月は年末なのでものを購入したりする節税が行いにくい時期になります。
できるだけ計画的に設備投資などをしていかなければ手遅れになってしまうことが多いのです。
10月いっぱいで帳簿を追いついておくことで12月にどの対策をとるのかを決めることが可能になります。
5.まとめ
1月~3月になって税理士さんを頼む場合、節税対策などでもったいないことが多くなります。
12月~3月は税理士さんの繁忙期になるので、料金的に高くなってしまうケースがあります。
10月中に税理士さんに頼むことで税金対策・納税資金準備を含めた相談が行いやすくなります。