札幌市白石区の経営に強い千葉税理士事務所です。
コロナの影響で売上が下がり続けている状況になると当然”焦り”が出ます。
そんな時にあちこちから営業の電話やメールが来るとついつい飛びついてしまったりしますが、冷静に考えることも必要です。
(目次)
1.まずは自社の状況を正確に理解する
2.売上が下がっているのでコストダウンに走る間違い
3.ダンピングに付き合う間違い
4.まとめ
1.まずは自社の状況を正確に理解する
売上低迷が続くと経営者は焦ります。
どうしてよいかがわからなくなり、なんとか利益を出さなければと考えます。
これは正常な感覚で、経営者としてはそうすべきです。
しかし、状況判断ができないまま手を打つと悪い方向に進むこともあります。
道に迷った時に、たくさんの水・食料があれば慌てないのです。
ただ、迷ったという事実だけを見て、自分が”水・食料”を持っていることを忘れるとパニックになります。
会社経営も同じで、自社の置かれている状況を冷静に見直すことが最初にやるべきことです。
具体的には次の点を見直しましょう。
①自社のキャッシュはいつまでもつのか
②店舗毎・部門ごとの損益を出す
③同業他社の状況と市場の状況を眺めてみる
これをするだけで、焦る必要がないことがわかります。
コロナ融資で資金調達をしているのであれば、慌てて資金流出をさせなくとも耐えることができるケースもあります。
資金確保さえできていれば、今すぐ同行なることはありません。
次に、各店舗・部門ごとの損益を把握することも重要です。
耐えるといっても、今後を見据えて回復のないことろからの出血は止める必要があります。
その時に店舗毎・部門ごとの損益がわかっていなければ判断ができません。
2.売上が下がっているのでコストダウンに走る間違い
緊急事態の場合には「コストダウン」は必要になります。
しかし、コロナ禍が1年以上続いている現段階では、コストダウンは固定費を下げるというところになります。
固定費を下げるということは、事業構造が変わらない場合には競争力自体が無くなる可能性もあります。
会社にとって問題になるのは「収益不足」であるという点をしっかりと考える必要があります。
無駄なもののコストダウンは良いのですが、コストダウンで解決できるものは会社の経営に影響のない程度の部分になります。
財務面の問題解決と収益回復に向けた計画が重要なのです。
3.ダンピングに付き合う間違い
これだけ不景気感がでてくると、業界全体がダンピングを始めているケースもあると思います。
コロナ前であればこんな値段で受けないような仕事を低価格で受け始めているのです。
そんなことをやっている会社は「新規得意先開拓」を「低価格」でやり始めていたりします。
売上が上がればなんとかなるという考えの延長線上に低価格競争が待っています。
これに付き合っていくと業界全体が「泥試合」になっていきます。
消耗戦に入るので「大手に勝てない」という市場原理そのもので負けます。
4.まとめ
コロナの影響で売上が下がっている、または、売上が戻らない場合に焦ることは禁物です。
焦ると「売上至上主義」になるケースやコスト病でコストダウンだけで対処しようとしてしまいます。
冷静に「自社がどれくらいもつのか」を分析し、現状を正確に把握しましょう。
そして、今後どのような戦略をとることで正常の状況以上に戻していくのかを検討するのです。
ここで過去の試算表だけを眺めて、売上・利益はどうだったかをやっていてはダメです。
将来をどうするのかを考える打合せをしていきましょう。