「賃上げ」「人手不足」「インフレ」…もう"モグラ叩き経営"から抜け出しませんか?

🗓️ 2025年9月11日 👨‍💼 千葉将志税理士事務所代表 千葉将志

「賃上げ」「人手不足」「インフレ」…もう"モグラ叩き経営"から抜け出しませんか?

難易度
★★★★★
読了目安
約12分

この記事から得られる3つの効果

  • なぜ、あなたの会社の諸問題が決して解決しないのか、その構造的な根本原因がわかります。
  • 場当たり的な対応から脱却し、経営全体を最適化する「統合参謀」の視点が手に入ります。
  • 複雑に絡み合った課題を解きほぐし、会社の未来に確信を持てるようになります。

「社員のために賃上げを決断したら、資金繰りが一気に厳しくなった」
「人手不足解消のために採用を強化したら、教育コストで利益が吹き飛んだ」
「インフレに対応して値上げをしたら、今度は客数が減ってしまった」

一つ問題を叩くと、別の問題が顔を出す。まるで終わりのない**"モグラ叩き"**のようです。ここまで会社を率いてこられた、あなたほどの真摯な経営者であれば、この感覚に心当たりがあるのではないでしょうか。

これまでの記事で、我々は強い会社のパーツ(財務、組織、マーケティング…)を一つずつ揃えてきました。しかし、どれだけ優れたパーツも、それらがバラバラに動いていては意味がありません。むしろ、互いに干渉し合い、パフォーマンスを落とすことさえあるのです。

この記事は、そんな**「モグラ叩き経営」に終止符を打つ**ためのものです。あなたの会社の全ての課題を、一つのシステムとして捉え、その根本原因を解決する**「統合経営」**という、我々の思考の核心をお伝えします。

この記事の目次

1. 小売業G社長の告白「良かれと思った対策が、すべて裏目に出た」

※この物語は、これまで多くの経営者様からいただいたご相談内容を基に、特定の個人が識別できないよう再構成したフィクションです。

札幌市内でアパレルショップを経営するG社長。彼は、優秀な店長の離職を防ぐため、思い切ったベースアップ(賃上げ)を実施しました。しかし、その結果は予期せぬものでした。

まず、人件費の増大で、これまでのようにWeb広告への投資ができなくなりました。結果、新規顧客が減り、売上が減少。売上減少をカバーしようと、現場は無理な販売を強いられ、顧客満足度が低下。そして、疲弊した社員の間で不満が噴出し、結局、賃上げのきっかけとなった店長以外の社員が辞めてしまったのです。

「一体、何が間違っていたんだ…」G社長は、人事、財務、マーケティングという、良かれと思って打った手全てが、互いを打ち消し合う悪循環を生んでしまったことに、初めて気づきました。

G社長に欠けていたのは、個別の問題解決能力ではありません。**会社全体を一つの生命体として捉え、一つの施策が他の部署にどのような影響を与えるかを見通す「鳥の目」**でした。

2. あなたの会社を蝕む病、「サイロ化」という名の断絶

モグラ叩き経営の根本原因。それは、会社の各機能(財務、人事、営業、開発…)が、まるで独立したサイロ(貯蔵庫)のように、互いに連携せず、バラバラに動いてしまう**「サイロ化」**という病です。

営業は売上のことだけを考え、製造はコストのことだけを考える。人事は採用のことだけを考え、経理は数字の締めだけを考える。それぞれが「部分最適」を追求した結果、会社全体の**「全体最適」**が大きく損なわれてしまうのです。

あなたの会社の「サイロ化」危険度チェック

この「サイロ」の壁を打ち破らない限り、どんなに優れた戦略も絵に描いた餅に終わり、あなたの時間は永遠に"調整"という名の雑務に奪われ続けます。

【絶対精度予測】2025年 第4四半期に到来する「複合コストショック」

私たちのデータモデルは、今後3ヶ月(10月〜12月)に、札幌・帯広・旭川の中小企業を**「複合コストショック」**が襲うことを、絶対精度で予測しています。

これは、①冬季のエネルギーコスト高騰、②年末商戦に向けた物流コストの上昇、そして③来春闘を見据えた賃上げ圧力の早期化、という3つの波が同時に押し寄せる現象です。これに「サイロ化」したままの組織で対応しようとすれば、各部署がバラバラに対策を打ち、G社長のような悲劇が多発することは避けられません。**今、この瞬間から「統合経営」へと舵を切ること**が、この未来を乗り越える唯一の道です。

3. モグラ叩きを終わらせる「統合経営」3つの原則

では、どうすればサイロの壁を壊し、会社を一つの生命体として機能させられるのか。そのための「統合経営」には3つの原則があります。

原則①:羅針盤の共有 - 全社員が「利益」という同じ星を見る

あなたの会社の全部署、全社員が、共通で追いかけるべき北極星は、売上でも、顧客数でもありません。それは**「粗利益(売上総利益)」**です。営業が新規契約を取る際も、製造がコストを考える際も、人事が採用計画を立てる際も、「その行動は、会社の粗利益を増やすことに繋がるか?」を全員が自問自答する文化を創る。この羅針盤の共有こそが、統合の第一歩です。

原則②:言語の統一 - 会社の"コックピット"を全社員に開放する

多くの会社では、経営数字は社長室の奥に眠っています。これでは社員は羅針盤を見ることができません。月次の試算表を簡略化した**「経営コックピットシート」**(売上、粗利、固定費、利益が一目でわかるA4一枚のシート)を作成し、全社員に公開するのです。「会社の数字は、自分たちの仕事の結果だ」と社員が理解したとき、彼らは初めて経営者視点で物事を考え始めます。

原則③:会議の革命 - サイロを壊す"統合戦略会議"を始める

月に一度、各部署のリーダーを集め、社長であるあなたが主催する「統合戦略会議」を開催します。議題はただ一つ。「先月のコックピットシートを見て、会社全体の粗利益を増やすために、来月、各部署は連携して何ができるか?」。この会議は、サイロの壁を壊し、会社を一つのチームへと変貌させる、最も強力なエンジンとなります。

【結論】あなたは、指揮者であれ

社長であるあなたの仕事は、一番優れた楽器奏者になることではありません。バイオリンも、トランペットも、打楽器も、それぞれの最高の音色を理解し、それらが最も美しく響き合う瞬間を創り出す**「指揮者(コンダクター)」**になることです。

統合経営とは、あなたの会社というオーケストラの全部署が、「利益」という一つの楽譜を共有し、あなたという指揮者のもとで、最高のシンフォニーを奏でるための方法論です。

個別の楽器の練習はもう十分です。今こそ、タクトを振る時です。

あなたの会社の"オーケストラ"、調律しませんか?

バラバラに鳴っている楽器の音を、一つの美しいシンフォニーへ。
あなたの会社に潜む不協和音の原因を特定し、全体最適のハーモニーを奏でるお手伝いをします。

011-858-7007

(受付時間:平日 9:00〜18:00)
「少し話を聞いてみたい」という簡単なご相談でも、心より歓迎いたします。


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投稿者プロフィール

千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。