利益や数字の先にあるもの。社員が「この会社で働き続けたい」と心から願う事業承継の描き方。

しかし、その崇高な想いを、具体的にどうすれば形にできるのか。自分の引退後も、本当に彼らの未来を守り抜けるのか。その答えの見えない不安が、あなたの肩に重くのしかかっているかもしれません。

ご安心ください。この記事では、単なる法務や財務の手続きではない、あなたの大切な「家族」の未来を守り抜くための、具体的な事業承継の「安心設計図」について、私の実体験も交えながらお話しします。


あなたが抱える「社員への想い」は、決して孤独なものではない

「社員は家族同然だ」

これは、私がこれまでお会いしてきた、人柄の良い中小企業の経営者の皆様が、口を揃えておっしゃる言葉です。そして、その言葉の裏には、利益や数字だけでは測れない、人間としての深い愛情と責任感が満ち溢れています。

景気の良い時も、厳しい時も、共に歯を食いしばって乗り越えてきた仲間たち。彼らの子供の成長を我がことのように喜び、誰かが病気になれば心から心配する。その一人ひとりの顔を思い浮かべるたびに、「この会社を、そして彼らの生活を、絶対に守り抜かなければならない」という想いが込み上げてくる。

その想いこそが、あなたの事業の根幹を支える、何より尊い原動力であると私は確信しています。

しかし、事業承継という大きな転換期を前にしたとき、その尊い想いが、時としてあなたを一人、暗闇の中で苦しめる原因にもなり得ます。

なぜ「想い」だけでは社員を守れないのか?事業承継が突きつける残酷な現実

「想いさえあれば、きっとうまくいくはずだ」 「後継者も、自分の気持ちを汲んでくれるだろう」

そう信じたいお気持ちは痛いほど分かります。しかし、残念ながら事業承承継の現場では、「想い」だけでは乗り越えられない、残酷な現実が存在します。

会社の未来を案じるあまり、後継者選びが遅々として進まない。 自分の価値観を押し付けすぎて、後継者や社員との間に溝が生まれてしまう。 「今まで通り」を維持することに固執し、変化の機会を逃してしまう。

皮肉なことに、社員を想う気持ちが強ければ強いほど、客観的な判断が難しくなり、結果として社員を不安にさせてしまうケースは少なくないのです。想いを具体的な「計画」と「仕組み」に落とし込まなければ、いかに崇高な理念も、残念ながら絵に描いた餅で終わってしまいます。

私が「税理士」の枠を超えた、ただ一つの理由

何を隠そう、この事実に突き当たったのは、私自身の経験がきっかけでした。

実は、私が税理士事務所の枠を超え、コンサルティング事業へと大きく舵を切った原点も、まさに**『社員を守る』**という一点にありました。

ある日、ふと思ったのです。「もし今、自分が突然倒れたら、この事務所とスタッフたちの仕事はどうなるのだろう?」と。税理士資格を持つ後継者を見つけることはできるかもしれない。しかし、それだけで彼らの成長や新しい挑戦の場を提供し続けることができるのか? 私が築いてきたお客様との信頼関係を、同じ熱量で引き継いでもらえるのか?

その問いは、私自身の事業承継の形、ひいてはクライアントの皆様の承継支援のあり方を、根本から見直すきっかけとなりました。社員の未来を守るためには、単なる資格や肩書の継承では不十分だ。会社が未来に向かって成長し続けるための「エンジン」そのものを、後継者や社員たちと共に創り上げなければならない。

この痛切な気づきこそが、我々**『A&C事業承継プロジェクト』**の原点なのです。

A&C事業承継プロジェクトが描く!社員と会社の未来を守る「安心設計図」

私たちは、あなたの「社員への想い」を、実現可能な「計画」へと昇華させるお手伝いをします。それが、私たちが提唱する事業承継の**「安心設計図」**です。これは、財務や法務といった土台の上に、社員一人ひとりの未来への希望を築き上げる、血の通ったロードマップです。

ステップ1:後継者の「求心力」を育む

社員が安心して働くためには、まず「会社の将来性」が明確でなければなりません。そして、その将来性を示す新しいリーダー、つまり後継者が、社員から心から信頼されていることが絶対条件です。

私たちは、単に後継者を探すだけでなく、その後継者が社員から**「この人についていきたい」**と自然に思われるような、真のリーダーシップを育むためのプログラムを共に実行します。それは、経営者としてのスキル教育だけではありません。あなたの想いや会社の歴史を深く理解し、社員一人ひとりと誠実に向き合い、信頼関係を築いていくプロセスそのものを設計・伴走支援します。

ステップ2:社員が主役となる「未来のビジョン」を共創する

承継後も社員が活き活きと活躍できる「場」と「ビジョン」をどう創るか。これは、財務や法務と同じくらい、いや、それ以上に重要な事業承継の核となる部分です。

私たちは、後継者や経営幹部だけでビジョンを決めることはしません。ワークショップなどを通じて、**社員の皆様一人ひとりの声に耳を傾け、彼らの夢や希望を織り込んだ未来のビジョンを「共創」**します。社員が自ら関わって創り上げたビジョンだからこそ、彼らは当事者意識を持ち、その実現に向けて主体的に動き出すのです。それは、社員の皆様が未来に確かな希望を持てるようになる、何よりの「安心材料」となります。

ステップ3:想いを「物語」にして、組織の魂にする

かつて、承継を前に社員の不安が募り、優秀な人材の離職が懸念されていたお客様がいらっしゃいました。

私たちは、後継者となるご子息と共に、全社員との個別面談、そして未来を語る対話の場を数ヶ月にわたって設けました。そこでは、先代経営者の想い、後継者の決意、そして新しい会社が目指すビジョンが、具体的な「物語」として丁寧に語られました。

最初は懐疑的だった社員たちの表情が、回を重ねるごとに少しずつ和らいでいく。そして最後には、一人のベテラン社員が「社長の想いも、新しいリーダーの覚悟もよく分かりました。これなら俺たちも安心してついていけます」と笑顔で言ってくれたのです。

その瞬間、会社の空気は一変しました。承継後、その会社はかつてない一体感を発揮し、業績は以前にも増して力強く伸びていったのです。

このように、想いやビジョンを「物語」として共有し、全社員の心に火を灯すこと。これこそが、「安心設計図」の最終仕上げです。


[まとめ] あなたの大切な社員たちの未来を守り抜くために、本記事でお伝えしたポイントを改めて整理します。

  • 経営者の「社員は家族」という温かい想いは、事業承継における何より尊い原動力です。
  • しかし、「想い」だけでは不十分。それを具体的な「計画」と「仕組み」に落とし込んだ**「安心設計図」**が必要です。
  • 安心設計図の核となるのは、①後継者の求心力を育むこと、そして②社員が主役となる未来のビジョンを共創することです。
  • 先代の想いと未来のビジョンを「物語」として共有することで、組織は一体となり、承継後の成長を加速させます。

あなたの会社を支え、共に汗を流してきた大切な社員の方々。彼らの未来を、最高の形で次世代に託すために、私たちは全力で伴走します。

あなたのその温かい「社員への想い」を、決して自己満足や絵空事で終わらせてはいけません。それは、会社の未来を照らす最も価値ある資産なのですから。

もしあなたが今、少しでも事業承継と社員の将来について悩んでいるのなら、まずはその想いの丈を、私たちにお聞かせいただけませんか?

私たちは、コンサルタントとして一方的に答えを示すのではなく、あなたの隣に座り、同じ目線で悩み、共に考え、最高の未来を描くパートナーです。

毎月3社様限定ではございますが、事業承継に関する**無料の個別相談(90分)**を承っております。あなたからのご連絡を、心よりお待ちしております。

共に、「社員も幸せになる事業承継」を創り上げましょう。

この記事を書いた人

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千葉 将志(ちば まさし) 経営承継コンサルタント™ / A&C事業承継プロジェクト™ 代表

税理士として数多くの経営者に伴走する中で、企業の最大のテーマが「事業承継」であると痛感。その想いを決定的にしたのは、「もし自分が倒れたら、お客様と社員の未来はどうなるのか?」という自事務所の承継に対する問いでした。この経験を原点に、単なる税務・法務手続きの代行ではなく、先代の「想い」、後継者の「未来」、そして何より「社員の幸せ」を繋ぐための『安心設計図』を、経営者と共に描く現在のスタイルを確立。

数字と現場、そして心に寄り添う伴走者として、あなたの会社を最高の形で次世代へ託すお手伝いをします。