あなたの会社の本当の“資産”は、決算書には載っていない。

この記事の難易度:★★★★☆
読了時間の目安:約 11 分
この記事を通じて、私たちが共に手に入れる視点:
- ✅決算書という「結果」の分析から、その結果を生み出す「源泉(=人材)」に焦点を当てる、より高次元なアプローチを学びます。
- ✅キーパーソンという「見えない資産」の価値を、社長が納得せざるを得ない形で「可視化」する具体的な対話法が手に入ります。
- ✅事業保障保険の提案が、必然的かつ大型の契約に繋がりやすくなります。
ちば塾・講師の千葉です。
前回の講座では、決算書を「会社の物語」として翻訳する**『決算書“翻訳”メソッド』**についてお話ししました。この視点を持つことで、皆様の社長との対話は、すでに深みを増していることと思います。
さて、本日はさらに一歩、踏み込んでみましょう。もし、私が「あなたの会社の最も価値ある資産は、その決算書には載っていません」と社長に告げたら、どう思われるでしょうか?
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会社の本当の資産、それは建物でも、機械でも、現金でもありません。それは、その会社の未来を創り出す「人」です。
今回は、この決算書には載らない「見えない資産」の価値を、社長と共に可視化し、それを守るための必然的な一手(=事業保障)に繋げるための、新しい視点について皆様と意見交換したいと思います。
この記事のポイント
※本記事で紹介する会話や事例は、読者の皆様の理解を深めるためのイメージです。
決算書は「スコアボード」、選手は「キーパーソン」
前回学んだ『決算書“翻訳”メソッド』は、会社の経営状態という「試合結果」を読み解くための強力なツールです。しかし、忘れてはならないのは、そのスコアを叩き出したのは、フィールドで戦う「選手」たちである、という事実です。
特に中小企業においては、社長自身はもちろんのこと、特定の役員やベテラン社員といった「スター選手(=キーパーソン)」の活躍が、業績の大部分を支えているケースが少なくありません。このスター選手が突然退場(死亡・退職・病気)してしまったら、試合はどうなるでしょうか?
私たちの役割は、スコアボードを眺めるだけでなく、どの選手が最も重要で、その選手が退場した場合のリスクがいかに大きいかを、監督である社長に気づかせることなのです。
「見えない資産」を可視化する3ステップ対話術
では、具体的にどうすれば、この「見えない資産」であるキーパーソンの価値を社長に伝えることができるのでしょうか。次の3つのステップで対話を進めてみましょう。
ステップ1:キーパーソンを「特定」する質問
まずは、社長自身の口からキーパーソンが誰なのかを語ってもらいます。
💡 対話例
「社長、もし仮に、明日から3ヶ月間、どうしても会社を離れなければならなくなったとしたら、誰に会社の舵取りを任せますか?」
「〇〇部長は、本当に重要な顧客との関係を一身に担っていらっしゃいますよね。彼がいなければ、今の売上は…」
ステップ2:その価値を「金額」に置き換える質問
次に、そのキーパーソンが会社にどれだけの利益貢献をしているのかを、社長と共に試算します。これは、私のような専門家が使う難しい計算式ではなく、あくまで社長の実感値を引き出すことが目的です。
💡 対話例
「仮に〇〇部長が1年間不在だった場合、彼が担当している売上や、彼がいることで生まれている粗利益は、どのくらい影響を受けると思われますか?ざっくりで構いません。年間3,000万円くらいでしょうか?5,000万円くらいでしょうか?」
ステップ3:資産と「保障」を比較する質問
最後に、可視化された「人的資産」と、会社が保有する他の「物的資産」の保障状況を比較します。
💡 対話例
「なるほど…〇〇部長は、会社にとって年間5,000万円の利益を生み出す、非常に重要な『資産』だということですね。ちなみに、本社ビルや工場の機械といった資産には、火災保険などで万が一に備えていらっしゃいますよね。では、この5,000万円の価値を持つ『人的資産』については、現在どのような備えをされていますか?」
保険の提案が「売り込み」から「リスクマネジメント」に変わる瞬間
この3つのステップを踏むことで、何が起きるでしょうか。社長の頭の中では、これまで漠然としていたキーパーソンの重要性が、**「年間5,000万円の価値を持つ、まだ保障されていない最重要資産」**として、くっきりと再認識されます。
この瞬間、事業保障保険の提案は、もはや私たちからの「売り込み」ではありません。社長自身が気づいた、会社の経営課題(リスク)に対する、**必然的な「打ち手(リスクマネジメント)」**へと変わるのです。この段階に至れば、具体的な保険商品の話は、驚くほどスムーズに進むでしょう。
結論:あなたは会社の「未来の価値」を守るパートナーへ
決算書に載っている数字は、会社の「過去の実績」です。しかし、会社の未来を創るのは、決算書には載らない「人」の力です。
私たち「ちば塾」で目指すのは、塾生の皆様が、単に過去の数字を分析するだけでなく、会社の未来を担う「見えない資産」の価値を社長に伝え、それを守るための具体的な手段を提示できる、真のパートナーになることです。
この視点こそが、あなたを他の多くの営業担当者から一線を画す、かけがえのない存在へと引き上げてくれるはずです。
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投稿者プロフィール

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中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。