確定申告対策その3:いつから経費で落とせるのか

確定申告対策で気になるものに「経費」というものがあります。経費で落とすという言葉を聞いたことがあっても厳密な意味で経費で落とすタイミングをご存知でしょうか?

確定申告対策その3:いつから経費で落とせるのか

確定申告対策で重要なポイントに経費というものがあります。

経費には2つのポイントがあります。

経費のポイント1:経費の範囲はどこまでか

経費のポイント2:経費で落とすタイミングはいつか

一般的に経費についてのトラブルは「経費の範囲はどこまでか」という部分です。

税務調査などで経費で落ちる・経費で落ちないでもめるのはこの部分だからです。

経費で落ちるものでもタイミングが間違っていると経費で落ちないことがあります。

特に、年末近くになってから確定申告対策をしようとすると経費の範囲を守っていても経費で落とすタイミングでトラブルになることがあるので注意しましょう。

経費で落ちるものを買っているはずなのに、税務調査でいきなり「これはこの年の経費ではありません」と指摘されてしまうわけです。

じぶん経理をしている方が自分で確定申告をする場合によく起きる間違いなので経費の考え方についてまとめていきましょう。

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そもそも経費とは何か

所得税の経費とは次のものをいいます。

事業所得・不動産所得及び雑所得の計算上、必要経費に算入できる金額は次の金額をいいます。

①総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

②その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

少し難しいので見ていきましょう。

①総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

総収入金額とは一般的にいうと売上です。

売上だけではなく、事業などの付随的に入ってくる収入も含まれるので総収入金額といいます。

建設業の方を例に見ていきましょう。

建設業の方の売上は現場を完成することです。

建物を建てたり、内装をしたり、電気工事をしたりと現場を納めて請求書を出していきます。

これが売上になります。

付随する収入というと、建設業の方が不動産販売業の方や他の建設業の人に物件や仕事を紹介して紹介料をもらったような場合です。

本業の売上ではないのですが、事業に付随して収入が発生しているのでこれも事業所得などに含めていきます。

総収入金額に対応する売上原価とは

総収入金額に対応する売上原価とは仕入のことをいいます。

小売業や卸売業の場合には、商品を仕入れて販売することになるので売るための仕入れが売上原価になります。

その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

建設業や製造業のなどの材料・外注費・労賃などがこれに該当します。

②その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

事務所の家賃や従業員さんへのお給料などを含めて事業遂行上に必要になる経費のことをいいます。

この経費の認識で「経費になる」「経費にならない」という税務調査でのトラブルになってしまうのです。

事業主の方は経費だと思っていても、税務調査のときに「経費になりませんよ」と言われてしまって困った経験がある方も多いはずです。

経費の範囲については非常に判断が難しい場合があるので税理士さんに相談してみるとよいと思います。

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経費で落とる時期はいつか?

経費で落とせる時期のことを「必要経費に算入される時期」といいます。

この必要経費に算入される時期は次の基準で考えます。

①その年12月31日までに債務が成立していること

②その年12月31日までに債務に基づいて具体的な給付すべき原因となる事実が発生していること

③その年12月31日までに金額が合理的に算定できること

では、経費で落とせる時期を決めるために必要な項目を見ていきましょう。

説明しやすくするために①~③の順番を組み替えて説明していきます。

①その年12月31日までに債務が成立していること

これも重要な項目です。

経費で落とせる範囲のものを購入したいと思っても手元に資金がないことがあります。

来月であれば売上の入金があるので問題がないわけです。

ただ、手元資金がなくて経費を作れないのです。

そんな時にはクレジットカードで経費を払っても問題ないということが、この項目からわかります。

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③その年12月31日までに金額が合理的に算定できること

具体的に取引はあるのですが、金額が決まっていないと経費処理をいくらでして良いかわかりません。

そこで12月31日までに金額が合理的に算定できるものでなければ経費で落とせないことになります。

12月31日までに金額が合理的に算定できないことの方が少ないのでそれほど気にしなくてよいと思います。

②その年12月31日までに債務に基づいて具体的な給付すべき原因となる事実が発生していること

年末の税金対策でトラブルになるのはこの部分です。

難しい日本語で書くとこうなってしまうのですが、単純にいうとサービスやものを購入し終わっているのかということです。

利益がでるのでお金だけを先に払って後から具体的なサービスなどを受けていると問題ということです。

具体的なサービスを受ける前であれば、経費ではないのです。

将来的にサービスを受ければ経費になるのですが、支払って時点では経費にならないということです。

例えば、利益がでそうだから思い切って除雪機を購入しようと思っても、年末だと届かないということはザラです。

お金を払っても使用していなければ経費として認められないことになります。

確定申告対策で12月に投資を考えている場合、早期に注文をしなければ意味がなくなってしまいます。

税理士事務所に帳簿をつけてもらうというものも、年内に手掛けてもらわなければいけないということになります。

来年になってから依頼したのでは、来期の経費になってしまうからです。

気を付けましょう!

まとめ

経費になる・経費にならないというものには「経費の範囲の問題」と「経費で落ちる時期の問題」の2つがあります。

年末の税金対策で慌てて物を購入しても届かないなどのトラブルにならないように気を付けましょう。

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