札幌市白石区の建設業に強い税理士千葉税理士事務所です。
1年は「あっという間」と感じている今だからこそ、建設業が令和5年にやるべき3つのことを考えてみましょう。
(目次)
1.資金繰りをざっくり把握
2.必要売上を計算しておく
3.リスケ・資金調達に早めに動く
1.資金繰りをざっくり把握
建設業にとって環境の変化が大きくなりそうなのが令和5年です。
その理由は、建築費の高騰と土地価格の上昇で住宅価格が高騰したことの影響がでるのが令和5年からだからです。
コロナ融資の影響もあり、土地の仕入れも行うだけのキャッシュもあり、自宅時間を快適にしたいということもあり、新築販売が好調という印象があります。
一方で、リフォームの方は人との接点を減らすという環境から緊急的な補修などがない限りリフォームは低調になりやすい条件がそろっていました。
令和5年は高騰した住宅価格から新築の住宅ローンを組むことが難しくなってしまった方も多く、新規のお客様を探すことが以前よりもハードルが高くなりました。
賃金上昇率よりも物価高騰が高くなることで、生活の質自体の低下も起きていることから、使えるお金が減ってきている状況です。
建設業も公共事業などではなく、BtoC(対一般消費者)の建設業はこの影響を受けやすい環境になりつつあります。
そんな中でコロナ融資の返済が始まってきますので、手元にある資金はどんどん減っていく可能性があります。
自社のお客様の環境の変化と自社の資金的流れの変化が重なってしまうので、資金繰りをざっくり把握しておくことは重要です。
2.必要売上を計算しておく
ざっくり資金繰りを把握すると、思いのほかお金が減るということがわかってきた方もいらっしゃると思まいす。
お金が減っても大丈夫なラインを把握しておくことで、慌てふためいてよくない動きをしないで済むので是非計算しておいてください。
もしも、大丈夫ラインが見えてきたら足りないお金はいくらかがわかります。
細かい数字なんて必要ありません。
何十万・何百万円単位で十分です。
毎月の不足額を考えずに、年間不足額~3年間の予測を考えてみましょう。
そのうえで、いくらの売上が不足しているのかを計算します。
お金が足りるときの売上高のことを必要売上高といいます。
この必要売上高と今時点の予測との差額が不足している売上高になります。
思ったよりも多いですか?少ないですか?
今まではなんとなく不安だったかもしれませんが、数字で把握することで目に見えない不安はなくなります。
3.リスケ・資金調達に早めに動く
先ほどの必要売上と今時点の売上との差額をみたところとても到達できない売上かどうかを考えます。
「もうだめだ」と簡単にあきらめてはいけないのですが、明らかに無理という場合には資金手当てを考えるべきです。
その場合、追加の資金調達かリスケ(リスケジュール)の検討をします。
ケースバイケースになりますが、どちらの場合でも自社の分析とどのように事業を組み立てていくのかを説明する必要があります。
また、いくらの資金が必要なのかを計算できていなければ話になりません。
実際に今月末の支払いができないからというタイミングではなく、6か月・1年という将来の状況を見据えて動くということが正しい行動です。
建設業は動く金額も大きい為、事前に計算しておかなければ金融機関の打診も難しくなります。
コロナ融資で目いっぱい調達している会社の場合は、事業の売上をどう伸ばすのかと人手不足にどう対処していくのかの両方に取り組まなければ返済が難しいかもしれません。
少しでも早くに取組むことで、金融機関に対してよい印象で話ができます。
まずは、資金繰りがどのようになるのかを検討することから始めてみてください。