建設業の本当に必要な利益は?

投稿者プロフィール

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中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。
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札幌市白石区の建設業に強い税理士事務所です。
建設業も仕事が忙しい会社と仕事のない会社の差がドンドン開いています。
そんな状況ですが、コロナ融資を含めて融資返済は待ったなしで始まっています。
一体いくらの売上・利益を出せば安心なのかご存じでしょうか?
(目次)
1.建設業で安心できる売上とは
2.元請先はどんな会社?
3.付き合う人を変える
4.まとめ
1.建設業で安心できる売上とは
建設業で社長が安心できる売上高はいくらでしょう?
税理士さんとの月次ミーティングや決算報告時にこの答えを教えてもらっていますか?
「この数字を聞いても過去の話だから」と思われるかもしれませんが、目安となる数字がないせいで不安になっているはずなんです。
数字があると目標にすることもできますし、対策を取ることもできます。
漠然と「もっと売上」と思うと、とてつもなく大きなことをしないとダメだと思い心が折れてしまいます。
実際に多くの経営者があきらめてしまっている理由はこれです。
例えば、あなたの元請先や大きな建設会社も100年前はなかったりします。
でも、今では立派な建設会社なんです。
小さなことから改善することで確実に良くなることができるので安心してください。
経営者にとって不安なことは売上でも利益でもありません。
資金繰りです。
きちんと給料・材料・外注の支払いをして、借入を返済してもお金が増えていくということが安心できる数字といえます。
建設業の安心できる売上とは
建設業の安心できる売上=(固定費+借入返済+税金)÷粗利益率
現在の仕事の内容の延長線上で上げなければならない売上は上記の計算式で出すことができます。
私たちの場合はさらにあなたの会社の状況をお聞きして、より掘り下げた数字を考えていきます。
2.元請先はどんな会社?
建設業のほとんどが下請け建設業になっています。
自社でエンドユーザーから直接仕事をもらっている会社は新築・リフォーム・リノベーションなどを行っている会社が多いと思います。
上記に付帯する建築・電気工事・管工事・外構工事などを業とされていれば、下請け建設業としてお仕事をされているはずです。
この下請け建設業にとって売上は自分で作ることが難しく、元請け次第という状況にあります。
売上アップをするにも、元請けに仕事がなければ仕事を増やすことができません。
さらに、元請けが低価格で仕事を取るスタイルをしていれば、あなたの会社の売上単価を上げる財源自体がないという構造といえます。
あなたの建設業の元請の経営者の方はどんな人でしょう?
その経営者の考え方があなたの会社の仕事の単価も数量も決めてしまっているのです。

3.付き合う人を変える
もしも、現在の自社の売上単価・数量にふまんがあるのであれば取引先を変えることも考えたほうが良いかもしれません。
特に仕事が忙しい時期であればこれをしやすい環境にあります。
逆に仕事の薄い時期に新規取引先開拓をすると条件が悪くなることもあるので注意が必要です。
この「付き合う人を変える」ということは大きな意味があります。
子供のころ「友達を見ればその人がわかる」という話をきいたことがありませんか?
これまで軽く100名以上の経営者・会社を見てきましたが経営者の方は似たような方と付き合いたがる傾向があると感じます。
大変申し訳ない話ですが売上・利益が少ない方は同じような方と一緒に仕事をしています。
その昔は私たちも経理代行と確定申告・法人決算申告がメインの業務だったころはこのようなお客様も多かったと感じます。
現在、売上・利益を多く出すお客様を見ている限り、経理代行や領収書チェックだけを求める経営者の方は少なくなっています。
つまり、税理士事務所との付き合い方を見ても成長できないように付き合っている可能性があるということです。
あまり業況の良くない方から人を紹介されても同じような環境ができやすいビジネスパートナーを連れてきてしまいやすくなるので注意が必要です。
特に20代~50代の経営者の方は十分に成長するチャンスがあるので、ぜひ精力的な方とのおつきあいをお勧めします。

4.まとめ
建設業において「安心できる売上はいくらなのか?」は非常に重要な数字になります。
設備投資・融資金額・旅費などの経費など大きなお金が動きます。
お金が無くなるときは一気に減っていくのでものすごい不安になってしまいます。
いくらの売上があったら安心になるのかを視覚化することで、いつまでに何をしていけば大丈夫なのかがわかります。
目標の利益を設定し、銀行融資を受けることでキャッシュを安定させる計画も立てられます。
その向こう側には人の採用や役員報酬の改定もあります。
社長が前向きになれるステップまでの数字を明確にすることで安心して経営に取り組める環境を作りましょう。
建設業の経営について考えたいという方は今すぐご相談ください。(℡011-858-7007)