失敗しない起業のためには、同業他社を分析することが効果的です。自社が目標とする会社を分析することで自社を外から見ることにつながります。
失敗しない起業のための「他社分析」~自社の進むべき方向検討~
自社の商品を作っていくポイントには、他社の商品や他社の戦略を分析することが重要です。
社会的に必要とされている商品や異業種の要素を取り入れて作ったサービスなどを展開する前に、他社についてもしっかりと見ていきましょう。
他社の商品・他社の戦略的な部分を把握することで自社がとるべき立ち位置を検討しましょう。
他社のターゲットは誰か?~同じコンセプトでも客層はバラバラ~
他社の商品や広告などを見ていくことで、他社のターゲット層が分かります。
例えば、ダイエットを例に考えてみましょう。
・ダイエット食品の広告内容が「外食中心のあなた」となっています。
これは、外食を日常的に繰り返していて、年齢的にも太りやすくなっているのは中年のサラリーマン層を対象としています。
・ダイエット商品の広告で「座ったままできる簡単エクササイズ」と広告が出ています。
このエクササイズ商品のTVコマーシャルの時間は昼間です。
さらに、座ったままできる運動・家事をしながらできる運動などのキャッチフレーズです。
これは、主婦層をターゲットにしたダイエット業界広告です。
同じダイエットという業界でも、ターゲットにしている層が異なります。
そのため、目標としている「みんなをスリムでハッピーにしたい」という企業理念かどうかわかりませんが、ダイエットという目標は同じだとしても扱う商品やターゲットは変わります。
自社が展開しようとしている客層とバッティングしているのか、全く別な層なのかを検討しましょう。
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他社が満たすニーズは何か?~他社のウリはどこにあるのか~
ニーズというと難しく聞こえるかもしれません。
どういった欲求がある人がターゲットになっているかをみると、「欲求=ニーズ」が見えてきます。
先ほどの事例では、ダイエットをしたいというニーズです。
実際に他社がニーズとしてとらえる範囲は、ダイエットではなくおしゃれかもしれません。
この他社が展開している他の商品や広告をみてニーズを深く分析しましょう。
他社が提供している商品やサービスの質はどうか?~質と満足度のバランスの作り方~
世の中に出回っている様々な商品をみてみると、100円ショップでおいてあるようなものが100円よりも高額で売っていたりします。
おそらくは、もともと100円よりも高額で作られていた商品にニーズがあることから、材料費・人件費を削減して100円ショップで展開しているのだと思います。
このように同じような性能・用途を満たしている商品でも商品の材質やデザインなどが異なってきます。
自社が商品やサービスを開発する上では、他社の商品・サービスの質やデザインなどを分析することが重要です。
100円ショップの商品がすぐに壊れてもクレームにならないかもしれませんが、高額商品がすぐに壊れるとクレームになることがあります。
商品の価格と質には大きな関係があるという点で他社商品の質を見ていきましょう。
他社の商品・サービスを提供しているスキルのレベルはどうか?~スキルと売上の関係を検証する~
特に飲食店や理美容室などがわかりやすい事例です。
例えば、
・世界のピザコンテストで1位になったシェフが作っている焼きたてピザのお店
・アルバイトがマニュアル通りにピザを出している店
この提供するスキルの違いがブランディングや価格帯に影響してきます。
・理美容選手権で優勝したカリスマ美容師がいる店
・1,000円カットで洗髪を削減している店
提供するスキルと設定する価格に開きがあれば、お客様の満足度は下がります。下手をするとクレームが出ます。
高級な料理店なのに接客サービスが悪いというように、商品やサービスのスキルと満足度には大きな関係があります。
他社価格設定(値付け)はどうか?~自社基準との比較をする~
もしも自社で提供するならばと考えるときは、コストを中心に考えてしまいます。
「消費者がいくら出す」ではなく「いくら欲しい」になってしまいがちです。
それは、自社で調達した材料費・人件費などの経費を考えて、それに利益を載せたらこれくらいとうことで価格が出てきます。
これが、自社基準です。
商品を販売し始めると他社の商品やサービスと競合していく必要が出てきます。
自社基準ではなく、お客様の価格基準です。
さらに、他社の商品やサービスとの比較競争も生まれます。
他社の価格設定を理解していなければ、差別化をする基礎が得られません。
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他社のシェアやブランド力はどれくらいか?~他社のポジションはどこにあるのか~
業界シェアNO1といわれると、絶対に勝ってやると思う方と到底勝てる気がしなる方に分かれます。
シェアNO1が業界の中で、たったの5%だったらどうでしょう?
突出した企業はいない業界です。
ある意味どこも似たり寄ったりの業界です。
理美容業界であれば、絶対的なシェアのあるお店はないと思います。
同窓会があって集まった人の2割が同じお店でカットをしているということはないでしょう。
有名な店はあっても、シェアをもっている店はないという意味です。
自社が事業展開をしたい業界でシェアが圧倒的に高い会社であれば、ブランド力も高いことになります。
そうでなければブランド力はあるけども、絶対的に市場を支配しているわけではありません。
冷静に他社のブランド力の源を分析しましょう。
他社の販売ルートはどうなっているか?~どこでそんなに売れるのかをみる~
どんなによい商品であろうとも売れなければ意味がありません。
コーラを発明しても、広めるすべがなければ売れないのです。
逆に、商品の質はそれなりでも、売り方がうまければ爆発的に売れることもあります。
他社が商品を販売するためにどのような販売ルートを作っているかを分析することが自社の商品展開ルートのヒントになります。
現在の販売ルートは様々
30年前であれば、インターネットのホームページでの集客なんて考えられませんでした。
新聞の折り込み広告か電話帳でした。
TVコマーシャルやラジオCMを使いたいけども中小企業には高嶺の花です。
資金力のない中小企業は、爆発的に成長することが難しい時代でした。
ところが、インターネットの普及に伴って、低価格で広告を出すことができる時代が到来しました。
しかも、全国・全世界の人に向けて広告を出すことができます。
TVコマーシャルを作るお金も出すお金もない中小企業でも、世界中の人に自社の商品をアピールすることも可能になりました。
販売ルートにはインターネット以外にも、営業マンの対人営業や折り込みチラシなど様々です。
他社が売れている販売ルートを調べることで、商品の売れる仕組みにつながります。
他社の強みと弱み分析~他社が売れる理由と改善項目~
他社が現在のポジションを維持している会社としての強みと弱みを分析します。
例えば、
長く営業している会社の場合
強み:固定客が多く、顧客リストも多い
弱み:固定客の高齢化により将来的リスクがある
飲食店の場合
強み:新鮮な魚介類をふんだんに使い高級感のある店
弱み:顧客のリピート期間が半年以上になっている
会社の強みと弱みを分析することで、他社とどのよう競争していくかを考えるポイントが見つかります。
他社のポジションを見ながら、自社のポジションを作っていくこともできます。
まとめ
① 他社を分析する
② 自社と他社を比較する
③ 具体的商品構成と戦略の関係性を検証する
他社を冷静に分析することで、自社の姿も見えてきます。
他社と比較することで自社の得意な部分や勝負ポイントがわかりやすくなります。
逆に、他社ができている部分で自社ができていない部分も確認しましょう。
弱い部分を改善する方法とよい部分をより伸ばしていく方法のどちらを選択するかも冷静に考えていきましょう。
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