損益計算書は英語で「Plofit & Loss Statement」といいます。
この頭文字をとってP/Lと呼びます。損益計算書(そんえきけいさんしょ)と日本語でいうよりも、P/L(ピーエル)と呼んだ方が楽なので、短縮して呼ぶことがあります。
前回は貸借対照表の仕組みについて、勉強しました。
貸借対照表でその会社の財政状態を理解するということの重要さを説明しました。
今回は、損益計算書(P/L)です。
損益計算書は、「いつ」の「なに」を表しているのか?
損益計算書は、その事業年度の利益が分かります。
事業年度とは、通常は1年間です。
法人の場合は、定款で定めた1年以内の期間のことをいいます。
個人の場合は、1月1日から12月31日までの期間のことをいいます。
この事業年度という期間の売上や費用・損失を集計して、どれだけトクをしたのか、どれくらい損をしたのかを表します。
損益計算書は本来何に使うのか?
株式会社の場合は、出資者と経営者は本来イコールではありません。
上場会社ではなく、普通の中小企業の場合は、建前上、たまたま株主=経営者になっているだけなのです。
みなさんがお金を銀行に預ける場合、金利が気になると思います。
銀行預け入れ金利が年利0.2%であれば100万円を預けて、年2,000円です。
みなさんがどこかの会社の株を買うとしたら、配当がきになりませんか?
同じ100万円を支払って株式を買った場合、いくらの配当がもらえるかです。
株式の場合100万円が100株とは限りません。その会社の1株の金額は、その時々で異なってきます。
しかも、配当はいつでも、誰でもできるわけではないのです。ずっと赤字の会社は配当をしてはいけないことになっています。
配当ができる会社は利益を出している会社です。
配当は、本来、出資したお金の払い戻しではないのです。あくまでも、利益の分配なのです。
その会社が利益を出していなければ配当はできません。たくさんの配当をだせる会社はたくさん利益が出ていなければいけません。
出資をする人は、その会社がどれくらい利益を出しているかを見たいのです。
そして、たまたまの利益なのか、安定的に本業の利益を出しているのかが気になるのです。
これを表すのが損益計算書なのです。
損益計算書は利益の種類が分かる!~大事なポイント~
会社の最終的な利益が100万円だとしても、たまたま出た利益の100万円と本業ででた利益の100万円では意味が違います。
たまたま出た利益は、来期も出るでしょうか?
例えば、本社を売却して出た100万円の利益は来年はでません。
本業からでた利益は、次期以後も出る可能性のたかり利益といえます。
このように、損益計算書は最終利益だけではわからない会社の頑張ったところをみることができます。
1.売上総利益(粗利益)
損益計算書の上の方の利益に売上総利益というものがあります。
「売上高-売上原価」で計算した利益が売上総利益(粗利益)といいます。
例えば、お茶を80円で仕入れて100円で売った場合に置き換えてみましょう。
売上高(100円)-売上原価(80円)=売上総利益(20円)
良い品物を低価格で提供していれば、原価が高くなってしまいます。
お客様にとっては、割安でよいものを提供してもらえるお店ということになりますが、お店にとってはたくさん売らないと利益が貯まらないということになります。
2.営業利益
営業利益とは、「売上総利益-販売費及び一般管理費(販管費)※」で計算した利益です。
営業利益は、売上総利益から販管費(ハンカンヒ)と呼ばれる経費を引いたものです。
この営業利益が本業の利益といわれるものです。
この本業の利益が赤字だと、事業として成り立たないということになるので早急に改善しなければマズイ状態です。
※ 販管費というのは、会社が営業していくために通常かかる経費を集めたものです。
販管費の中には、役員報酬・給料・法定福利費・家賃など毎月出る経費も含まれます。
3.経常利益(けいじょうりえき・ケイツネ)
経常利益とは、「営業利益+営業外収益※1-営業外費用※2」で計算した利益です。
営業外収益は、本業以外の収益(儲け)です。
本業以外の収益ではありますが、経常的にでる利益を表します。
ただし、本業が赤字で経常利益だけがプラスという場合は注意が必要です。
※1 営業外収益に含まれるのは、預金利息や配当金・助成金などです。
※2 営業外費用に含まれるのは、借入金利息や違約金などの雑損失です。
4.税引前当期利益
税引前当期利益とは、「経常利益+特別利益※1-特別損失※2」で計算した利益です。
法人税などを差し引く前の利益です。
特別に発生した利益や損失の調整をした利益です。
※1 特別利益とは、建物・車などの固定資産を売却したときの利益など、特別に発生した利益です。
※2 特別損失とは、建物・車などの固定資産を売却したときの損失や、壊れたときの損失などです。
5.当期利益(当期純利益)
当期利益(当期純利益)とは税引前当期利益-法人税等の税金」で計算した利益です。
税金を除いた後の、最終的な利益をあらわします。
すこし難しい話なのですが、会社の経理の仕方によって、法人税等が発生した年のものの場合と、納付した年の場合があるので注意が必要です。
会社の損益計算書をみたときには、法人税等の税金にはなにが入っているかをしっかりチェックしましょう。
まとめ
損益計算書は会社の収益構造を表す大切な表!
最終的に利益がでているからよいのではなく、利益の種類にも注意すること!
自社の損益計算書をみたら、どこを改善することが重要かをしっかり考えること!
税理士事務所を上手に活用しながら、損益計算書を理解しませんか?
自社で損益計算書をみるときには、売上高を中心にみてしまうことが多くなります。
自社にとって理想となる損益計算書を目指して経営するために、税理士事務所を上手に活用していきましょう!
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