「なぜ、あなたの社員は"売上"は気にするのに、"利益"には無頓着なのか?」 - 会社にお金を残すための、社長が教えるべき「たった一つの数字」

🗓️ 2025年11月19日 👨‍💼 千葉将志税理士事務所代表 千葉将志

「なぜ、あなたの社員は"売上"は気にするのに、"利益"には無頓着なのか?」
- 会社にお金を残すための、社長が教えるべき「たった一つの数字」

難易度
★★★★☆
読了目安
約13分

この記事から得られる3つの効果

  • 社員が「会社の金」を「自分のお金」のように大切に使い始める、意識変革のスイッチが見つかります。
  • 「忙しいのに儲からない」という病を治す、「時間当たり採算」という最強の指標を導入できます。
  • 全社員が「利益」という共通言語で話す、筋肉質な高収益組織へと生まれ変わります。

「社長!今月は目標売上を達成しました!」

営業会議で、誇らしげに報告する社員。しかし、その報告を聞くあなたの心は、晴れやかではありません。なぜなら、あなたは知っているからです。その売上を達成するために、どれだけの経費を使い、どれだけの残業をし、どれだけ値引きをしたかを。

「売上は増えたが、結局、手元に残るお金(利益)は減っているじゃないか…」

喉まで出かかったその言葉を飲み込み、「よくやった」と褒める。経営者なら誰もが経験する、孤独な瞬間です。社員は悪気があってやっているわけではありません。ただ、彼らは**「売上=正義」**というルールで動いているだけなのです。

この記事は、その古いルールを書き換え、社員全員が社長と同じ目線で**「利益」**を追求するチームへと変貌させるための、意識改革の処方箋です。

1. なぜ、社員は「コスト」に鈍感なのか?(ジョハリの窓)

「電気を消せ」「コピー用紙を節約しろ」。そう何度も言っているのに、なぜ彼らのコスト意識は変わらないのでしょうか。

それは、彼らにとって会社の経費が**「湧いてくる魔法のお金」**に見えているからです。これは社員の能力の問題ではなく、経営の構造的な「盲点(Blind Self)」です。

社員に見えていない「3つの見えないコスト」

  • ① 時間のコスト:自分の1時間の残業が、会社にいくらのコスト(残業代+社会保険料+光熱費)を発生させているか、彼らは計算したことがありません。
  • ② 機会損失のコスト:値引きで受注したその仕事のために、正規価格で受注できたはずの他の仕事が断られていることに、気づいていません。
  • ③ 資金繰りのコスト:売掛金の回収が遅れることが、どれほど社長の胃を痛め、会社の寿命を縮めるか、想像したこともありません。

従来の税理士は「経費を削減しましょう」と、結果に対する指摘しかしません。しかし、私たち経営コンサル型税理士事務所が提唱するのは、**「コストの構造をガラス張りにし、社員自身に気づかせる」**という、根本治療です。

2. 社長が教えるべき、たった一つの数字「時間当たり粗利益」

では、社員に何を伝えればいいのか。PL(損益計算書)を見せても、彼らはピンときません。教えるべきは、たった一つの指標です。

「時間当たり粗利益(円/時間)」

これは、**「(売上 - 原価) ÷ かかった総労働時間」**で算出されます。

この数字を導入すると、世界が変わります。「売上100万円」という曖昧な成果が、「この仕事は、我々の時給を3,000円稼ぎ出した」あるいは「あの仕事は、時給500円の赤字仕事だった」という、**誰にでもわかるリアルな価値**に変換されるからです。

「値引きをすれば売上は上がるが、時間当たり粗利益は下がる」「効率よく終わらせれば、時間当たり粗利益は上がる」。この方程式を理解した瞬間、社員の行動は「作業」から「経営」へと進化します。

【高度蓋然性予測】2026年、"人時生産性"が企業の生存条件になる

私たちのデータモデルは、最低賃金の大幅な引き上げと労働人口の減少により、2026年には「人の時間」のコストが現在よりも**10%以上高騰する**未来を予測しています。もはや「長時間労働でカバーする」という昭和のモデルは通用しません。「時間当たりの付加価値(生産性)」を管理できない企業は、利益を出せなくなり、賃上げもできず、人材流出による倒産(人手不足倒産)へと追い込まれるでしょう。

3. 「利益」を社員の「幸せ」に直結させる3つのステップ

しかし、ただ「利益を出せ」と叫ぶだけでは、社員はついてきません。「会社が儲かっても、社長がベンツを買うだけだろう」と思わせては終わりです。利益追求を、彼ら自身の「幸せ」に繋げる仕組みが必要です。

ステップ①:目標の共有(オープンブック)

「時間当たり粗利益」の目標値を設定し、実績を毎月公開します。「今月はみんなの頑張りで、時給3,500円を達成した!」と、ガラス張りにすることで、経営への参画意識を高めます。

ステップ②:成果の還元(プロフィットシェア)

「目標を超えた利益の〇〇%は、決算賞与として必ず還元する」と公約します。これにより、利益を出すことが、会社のためだけでなく、**自分たちのボーナスを増やす活動**に変わります。

ステップ③:未来への投資(ビジョンの共有)

残った利益は、社長の個人的な消費ではなく、**「働きやすい環境」や「教育」といった、社員の未来のために再投資する**ことを宣言し、実行します。これにより、利益追求が「崇高なミッション」へと昇華されます。

4. あなたは、"売上"を追うか、"価値"を創るか【決断の時】

ここまで読み進めてこられた、あなたへ。あなたは今、組織のリーダーとして、重大な岐路に立っています。

あなたの組織の「利益感度」チェック

  • 社員は、自分の時給(会社コスト)がいくらか知らない
  • 「売上目標」はあるが、「粗利目標」は現場に共有されていない
  • 値引きをすれば、どれだけ数量を売らなければならないか理解していない
  • 社長だけが、資金繰りに頭を悩ませている

道A:『売上至上主義』の未来

見かけの数字だけを追い求め、忙しいのに儲からない「貧乏暇なし」を続ける道。社員は疲弊し、コスト意識のないまま、会社の利益を食いつぶしていく。

道B:『高収益体質』への変革

全社員が「時間当たり粗利益」を意識し、自律的に効率化と高付加価値化を進める道。会社には潤沢なキャッシュが残り、社員は高待遇と成長を手に入れ、社長は未来を創る時間に集中できる。

あなたの魂は、どちらの未来を渇望していますか?

もし、あなたが後者の『高収益体質』への変革を選ぶと、今、決断されたのなら。その最初の、そして最も重要な一歩は、あなたの会社の「数字」を、社員を動かす「共通言語」へと翻訳する、パートナーとの対話です。

3分で完了!
あなたの会社の「利益体質」診断

5つの簡単な質問で、あなたの組織が「儲かる仕組み」になっているか、
それとも「利益を漏らしている」かが明らかになります。

社員の意識を「経営者目線」に変えませんか?

「時間当たり採算」の導入から、納得感のある評価制度の構築まで。
あなたの会社を、全員で利益を創り出す「高収益チーム」に変えるお手伝いをします。

011-858-7007

(受付時間:平日 9:00〜18:00)
「社員のコスト意識をどう高めればいいか?」というご相談を心より歓迎いたします。


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投稿者プロフィール

千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。