赤字申告の怖いところをお話ししてきました。
赤字決算だと「税務署がこないからいいんだ」という都市伝説のお話もさせていただきました。
今回は、赤字申告をしている赤字の原因をみていきます。
ズバリ役員報酬についてです。
前回の【本当は怖い赤字申告~本当に赤字ですか?~資金繰りが大変なことに!】
では、様々な原因について広くお話ししてきました。
本当の意味での赤字の場合は、資金繰りが大変なことになっているということをお話しさせていただきました。
赤字法人の中には、役員報酬をコントロールすることによって赤字を作っている法人というものがあります。これを「調整型赤字決算法人」と呼ぶこととします。
この調整型赤字決算法人の場合は、役員報酬が原因で赤字になっているのです。
だれに迷惑がかかりますか?
基本的には誰にも迷惑がかからないのです。
それは、役員報酬の分だけ赤字になっているので、対外的に支払いができないということもないのです。
社長にお給料を支払って、会社がお金が足りなくなれば社長からお金を借りるを繰り返しているからです。
なんでこんなことをしているかというと、様々な理由があります。
その会社ごとに理由はあると思います。赤字の繰越を作っておきたいという理由もその一つといえます。
さて、今回の「垂れ流しの税金」というタイトルのものはちょっと違います。
「垂れ流しの税金」の場合は調整型赤字決算法人と同じ動きをしているけども、意図していないケースです。
何が問題かというと、本当は役員報酬を下げて、個人の税金を減らしたり、社会保険料を減らせるのに行っていないのです。
もらっていないお給料に税金やら社会保険料がかかってしまっているのです。
法人としても、赤字をコントロールしている訳ではないので「垂れ流しの赤字」と「垂れ流しの税金」・「垂れ流しの社会保険料」になってしまっているのです。
税金を多く払っているのは誰でしょう?
これは、調整型赤字決算法人と同じく社長個人です。
法人は赤字なので均等割以外の税金はかかりません。
ただ、社会保険料は会社と個人の両方にかかってきます。つまり、赤字の会社に対してさらに資金繰りを悪くする原因を作ってしまっているのです。
社長一人の会社であれば自己責任でよいのですが、数名の社員のいる会社であれば結構な負担になるはずです。
数名~10名前後の法人の場合、役員報酬は数十万円の設定になっていることが多いはずです。
社会保険料も結構な額になっています。
役員報酬をコントローすることで、会社の経理担当者の資金繰りがかなり楽になるのです。
定期的に役員報酬と会社の状況を見直しましょう!
税理士事務所に依頼していない法人の場合、日々の仕事で一杯一杯になっていることがあります。
法人税の申告時期に、法人決算をなんとか終わらせて、税金を払って終わりにするという会社があります。
これを繰り返していると、役員報酬の決め方が雑になってしまいます。
千葉税理士事務所でも、お客様から「役員報酬はいくらがいいの?」とご質問を受けることがあります。
その場合には、きちんとお客様の意図と会社の状況をヒアリングさせていただいてから回答させていただいております。
税金を払うくらいなら役員報酬を高額にすることがすべてではありません。
この役員報酬の設定は何年税理士事務所をやっていても難しい問題だと感じます。
「私に任せていれば絶対に適正な額は間違いない」ということができるでしょうか?
現役時代を終えて老後になって初めて、正解が分かる部分だと思います。
千葉税理士事務所では、しっかりとお客様の心配事に対処した役員報酬の提案ができるよう心がけております。
ご相談電話番号 0120-889-459