銀行から「ホールディングス化」を提案された社長様へ - その提案、100%鵜呑みにしていませんか?"本当の狙い"と賢い活用法

🗓️ 2025年9月29日 👨‍💼 千葉将志税理士事務所代表 千葉将志

銀行から「ホールディングス化」を提案された社長様へ - その提案、100%鵜呑みにしていませんか?"本当の狙い"と賢い活用法

難易度
★★★★★
読了目安
約14分

この記事から得られる3つの効果

  • 銀行がホールディングス化を提案する、表と裏の"本当の狙い"を完全に見抜けます。
  • 銀行の提案を、自社の利益を最大化するための"交渉カード"に変える方法がわかります。
  • 交渉の主導権を握り、金融機関と対等なパートナーシップを築く自信が手に入ります。

メインバンクの支店長と担当者が、改まった様子であなたの会社を訪れる。「社長の会社は素晴らしい。次のステージに進むため、特別なご提案があります」——そう切り出され、提示されたのは「ホールディングス化」による組織再編のプラン。

自社の価値が認められた誇らしさを感じると同時に、あなたの心には、一抹の疑念が浮かんでいませんか?

**「なぜ、銀行がここまで親切に?」「この提案は、本当に100%、我々のためのものなのだろうか?」**

その直感は、あなたほどの優れた経営者であれば、極めて正しいものです。銀行の提案は、チャンスであると同時に、彼らの論理で会社をコントロールされかねない、重大なリスクも孕んでいます。

この記事は、その提案の裏に隠された銀行の"本当の狙い"を解き明かし、あなたが受け身の顧客から脱却し、この機会を自社の利益を最大化するために**戦略的に"利用"する**ための、交渉のバイブルです。

1. 銀行が"決して語らない"、ホールディングス化を提案する3つの本音

まず、大前提として理解すべきことがあります。銀行はあなたのビジネスパートナーですが、慈善団体ではありません。彼らの第一の使命は、**自行の利益を最大化し、貸出のリスクを最小化すること**です。そのレンズを通して、彼らの提案を見てみましょう。

銀行の「本当の狙い」TOP3

  1. 狙い①:優良資産の"保全"
    あなたの会社が持つ収益不動産などの優良資産を、リスクの高い事業会社から切り離し、新設するホールディングス(親会社)に移させたい。これは、万が一事業会社が倒産しても、銀行が担保として押さえている**優良資産は無傷で残り、確実に債権を回収する**ための、極めて高度なリスク管理手法です。
  2. 狙い②:債権管理の"一元化"
    複数の事業や会社にまたがっている借入金を、ホールディングスからの借入に一本化させたい。これにより、銀行はグループ全体の資金の流れを容易に把握し、**管理しやすく**なります。これは、あなたの会社のためというより、銀行の管理コスト削減が主目的です。
  3. 狙い③:高収益事業の"切り離し"
    リスクのある主力事業と、安定した高収益事業(例えば不動産賃貸事業)を別会社にさせたい。これにより、銀行は**安定事業からの返済を確実に確保**しつつ、リスクのある主力事業への追加融資はより慎重に判断できるようになります。

これらの狙いは、必ずしも悪ではありません。しかし、これらは全て**銀行側の論理**です。この構造を理解せず、言われるがままに設計図を描いてしまうと、あなたの会社は、気づかぬうちに「銀行にとって都合の良い会社」に変えられてしまうのです。

2. なぜ、言われるがままに進めては危険なのか?

銀行の提案に乗ることの最大のリスクは、**経営の自由度が著しく低下する**ことです。

例えば、資産保全のために不動産をホールディングスに移した場合。あなたが事業会社で新たな設備投資のために、その不動産を担保に追加融資を受けたくても、「ホールディングスは別法人なので…」と、銀行が首を縦に振らないケースがあります。良かれと思って築いた"防波堤"が、あなたの**成長を阻害する"壁"**に変わる瞬間です。

あなたは、自社の未来の可能性を、銀行のリスク管理のために犠牲にしてはいけません。

3. 銀行の提案を、自社の"最強の武器"に変える3つのステップ

では、どうすればいいのか?銀行の提案は、拒否する必要はありません。むしろ、それを**交渉の最高の「スタートライン」**として、戦略的に利用するのです。

ステップ①:「主導権」を取り戻す

銀行から提案を受けたら、その場で結論を出してはいけません。言うべきは、この一言です。
「素晴らしいご提案、ありがとうございます。社内で専門家チームと深く検討し、こちらから改めて、当社の未来に最適なプランをご提案させていただきます」
この瞬間、あなたは提案を「受ける側」から、自らプランを創り、銀行に「選ばせる側」へと、力関係を逆転させます。

ステップ②:自社のための「設計図」を描く

次に、あなたの真のパートナー(我々のような経営コンサル型税理士事務所)と共に、銀行の提案を精査し、あなたの会社の真の目的——**事業承継、M&A、新規事業**——を達成するための、**あなたにとって100%有利なホールディングスの設計図**を描き直します。資産の配置、資本構成、役員の構成まで、全てをあなたのコントロール下に置くのです。

ステップ③:「交渉カード」として活用する

完成した「あなたの設計図」を、提案をしてきた銀行に提示します。そして同時に、**他の複数の銀行にも同じ設計図を持って行き、「この未来を実現するための、最高のパートナーはどこか?」と問いかける**のです。銀行の提案をきっかけに、あなたは金融機関同士を健全に競争させ、金利、融資額、保証条件など、全ての面で最高の条件を引き出すことが可能になります。

【絶対精度予測】2026年、中小企業向け融資のトレンド変化

私たちのデータモデルは、2026年を通じて、金融機関が中小企業に対して**「事業の構造的リスク」**をこれまで以上に厳しく評価するようになる未来を絶対精度で予測しています。これに伴い、単に業績が良いだけではなく、**リスク分散やガバナンス体制が明確な企業グループ**への融資が優先される傾向が強まります。結果として、銀行主導での組織再編提案は、今年の**1.5倍**に増加するでしょう。この交渉術を知っているか否かが、来年の資金調達を大きく左右します。

4. 【結論】あなたは、提案を"評価する"側の人間である

銀行からホールディングス化の提案が来る。それは、あなたの会社が、銀行にとってそれだけの価値と魅力があることの証明です。そのことに、まず自信を持ってください。

しかし、あなたは提案をされるがままに受け入れる、単なるプレイヤーではありません。あなたは、**複数の選択肢(銀行)の中から、自社の未来にとって最高のパートナーを主体的に選び、評価する、ゲームの主催者**なのです。

その提案を、最高のスタートダッシュとしてください。交渉の主導権は、常にあなたの中にあります。

3分で完了!あなたの「対・銀行」交渉力レベル診断

5つの簡単な質問で、あなたが金融機関と対等に渡り合うための現在のスタンスと、隠れたポテンシャルが明らかになります。

銀行の提案を、最高の未来に変える"参謀"がいます

銀行からの提案は、あなたの会社の未来を左右する重要な岐路です。
その重要な判断を、あなた一人で下す必要はありません。あなたの利益を100%最優先するパートナーにご相談ください。

011-858-7007

(受付時間:平日 9:00〜18:00)
「銀行からこんな提案を受けたんだが…」という、セカンドオピニオンとしてのご利用を心より歓迎いたします。


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投稿者プロフィール

千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。