★★★★☆
約11分
この記事から得られる3つの効果
- なぜ自社が不毛な「価格競争」から抜け出せないのか、その根本的な原因を理解できます。
- 「安売り」に頼らず、お客様から"選ばれる理由"を創り出す具体的な3つのステップが学べます。
- 会社の利益体質を劇的に改善し、社員に適正な報酬を支払う原資を生み出せます。
「いいモノを作っている自信はある。社員も頑張ってくれている。なのに、なぜウチはいつも最後の最後で『価格』の話になるんだ…」
あなたほどの真摯な経営者であれば、一度ならずこう感じたことがあるはずです。お客様から「もう少し安くならない?」と言われるたび、自社の価値そのものを値踏みされているような、悔しい気持ちになることもあるでしょう。
これまでの記事で、我々は会社の守りを固めてきました。キャッシュフローを安定させ、社長の意思決定精度を高め、人が辞めない組織を創る。その盤石な基盤が整った今だからこそ、我々は次のステップに進むことができます。
それは、**会社の「攻め」の戦略**です。
この記事では、なぜあなたの会社が価格競争という不毛な消耗戦に巻き込まれてしまうのか、その構造を解き明かし、「安売り」から完全に脱却して利益を倍増させるための、具体的かつ強力なマーケティング戦略をお渡しします。
この記事の目次 ▼
1. 内装工事業D社長の苦悩「良い仕事と、安い見積もり」
※この物語は、これまで多くの経営者様からいただいたご相談内容を基に、特定の個人が識別できないよう再構成したフィクションです。
札幌市内で内装工事業を営むD社長。彼の会社の職人たちの腕は確かで、使う素材にもこだわり抜いていました。しかし、新規の店舗案件になると、必ず数社での相見積もりになります。
「Dさんのところの仕事は良いんだけどね。A社さんはこれより2割も安かったよ」
この一言で、利益を削るしかありません。良い仕事をすればするほど、こだわりが強ければ強いほど、価格のズレは大きくなる。結果、社員に十分なボーナスを払えず、優秀な職人が待遇の良い大手へ流出する…そんな悪循環に陥っていました。
D社長は、品質という「価値」で勝負しているつもりでした。しかし、お客様の目には**「同じ内装工事」というカテゴリーの一社**としか映っていなかったのです。これが、価格競争の罠の本質です。
2. 価格競争の正体は「コモディティ化」という病
コモディティ化。それは、あなたの会社の商品やサービスが、お客様から見て**「他社と何が違うのか、よく分からない」**状態に陥ることです。
お客様が違いを認識できなければ、判断基準は一つしか残りません。それが**「価格」**です。
あなたの会社は大丈夫?コモディティ化 危険度診断
一つでも当てはまれば、あなたの会社は「コモディティ化」の病に侵され始めています。
「品質」や「丁寧さ」は、残念ながらお客様には伝わりにくい。なぜなら、競合も全員が同じことを言うからです。この病から脱却し、あなたの会社を**「価格」で比べられる存在から、「価値」で選ばれる唯一の存在**へと変革させる必要があります。
3. "安売り"から脱却し、利益を2倍にする3つの処方箋
では、具体的にどうすればいいのか?ジェイ・エイブラハムのマーケティング思考に基づき、我々がクライアントに必ず処方する3つの特効薬をご紹介します。
処方箋①:「戦う場所」を極限まで絞る(ニッチ戦略)
「誰でも歓迎」は、「誰も惹きつけない」のと同じです。D社長が「あらゆる内装工事」を請け負うのではなく、「札幌市内の、客単価1万円以上の飲食店専門の内装」と絞ったらどうでしょう?彼は瞬く間にその分野の「専門家」となり、価格ではなく「実績と知見」で選ばれるようになります。あなたも、自社が最も価値を発揮できる、最高のお客様は誰かを定義してください。
処方箋②:「圧倒的な違い」を約束する(USP戦略)
専門分野を決めたら、そこで「競合には絶対に真似できない約束(USP)」を創ります。「高品質」ではありません。例えばD社長なら、「私たちが手掛けた内装は、Instagramでの投稿数が平均3倍になることをお約束します」といった、お客様の「売上」に直結する約束です。あなたの会社の技術やサービスが、お客様に提供できる究極の成果は何ですか?それを約束の言葉にしてください。
処方箋③:「価値」を無料(タダ)で先に示す(教育的マーケティング)
価格の話をされる前に、あなたが専門家であることをお客様に理解してもらうのです。D社長は、「飲食店の売上を20%上げる、店舗デザイン7つの法則」という小冊子を作成し、問い合わせ客に無料で配布し始めました。これを読んだお客様は、D社長を単なる工事業者ではなく「売上を上げてくれるコンサルタント」と認識します。そうなれば、もはや価格は二の次です。
【結論】あなたの会社の価値は、あなたが決める
価格競争に巻き込まれるのは、あなたがお客様に**「価格で判断してください」と、無意識に許可してしまっている**からです。
あなたの会社の価値は、競合他社やお客様が決めるものではありません。社長であるあなたが、自社の専門性を定義し(処方箋①)、究極の約束を掲げ(処方箋②)、その知見を惜しみなく示す(処方箋③)ことで、主体的に創り上げていくものです。
あなたは、安売り競争という消耗戦から降りる権利を持っています。そして、自社の価値を正当に評価してくれる最高のお客様だけを選び、社員と共に豊かになる未来を創造する力を持っているのです。
「この記事、ウチの会社のことだ…」と感じたあなたへ
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中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。
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