★★★☆☆
約10分
この記事から得られる3つの効果
- 成功した経営者だからこそ陥る「燃え尽き」の正体を理解し、心が軽くなります。
- 失われた情熱を再び燃え上がらせるための具体的な3つのステップが手に入ります。
- 経営者としての次のステージに進むための、新たな羅針盤が見つかります。
土曜日の午後。静かになったオフィスで、あるいは自宅の書斎で、一人コーヒーを片手に、ふと、創業の頃を思い出すことはありませんか?
資金繰りに奔走し、眠る時間も惜しんで働いた日々。未来への保証は何一つなかったけれど、そこには間違いなく**"熱狂"**があった。世界を変えられると本気で信じていた、あの燃えるような情熱が。
翻って、今。会社は成長し、組織も安定し、利益も出ている。あなたは「成功した経営者」です。しかし、あなたの胸の奥底に、あの頃の熱は、まだ同じように燃えているでしょうか。それとも、日々の「管理」業務の中で、少しずつ灰を被ってしまっているでしょうか。
もし後者だとしても、決して自分を責めないでください。それは、あなたが経営者として無能になったのではありません。むしろ逆です。それは、あなたが**一つの山を登り切った成功者だからこそ直面する、栄光ある「燃え尽き」のワナ**なのです。
この記事は、そんな孤高のあなたに贈る、魂の処方箋です。
この記事の目次 ▼
1. デザイン会社I社長の虚無感「僕は、何がしたかったんだっけ?」
※この物語は、これまで多くの経営者様からいただいたご相談内容を基に、特定の個人が識別できないよう再構成したフィクションです。
札幌市でデザイン会社を経営するI社長。彼は、クライアントを驚かせるクリエイティブな仕事がしたくて会社を立ち上げました。彼の才能と情熱は多くの人を惹きつけ、会社は急成長。今や、安定した組織と収益基盤を持つ優良企業です。
しかし、最近の彼の仕事は、デザイナーとして画面に向かうことではありません。予算会議、人事評価、業務プロセスの改善…。会社という「機械」を維持管理するための仕事に、一日の大半が費やされます。
ある日、若手デザイナーが目を輝かせながら持ってきた斬新なデザイン案を見て、彼は思ってしまいました。「羨ましいな…」。そして気づくのです。「僕は、この会社で一番、クリエイティブから遠い場所にいる」と。
I社長が感じた虚無感。それは、会社の成長のために、彼が最も愛していた仕事、彼の**情熱の源泉そのものを、自分自身の手で手放してしまった**ことから来る、深い喪失感だったのです。
2. 「成功者の燃え尽き」の正体は、"役割の変化"という名の喪失感
なぜ、成功したあなたから情熱が失われていくのか。その犯人は、会社の成長に伴う、あなたの**「役割の変化」**です。
創業期、あなたは「プレイヤーであり、創造者」でした。しかし会社が成長し、組織が整う(以前の記事参照)につれて、あなたは「管理者であり、維持者」へと役割を変えることを、会社から要請されます。
情熱を奪う3つの役割シフト
- ① 創造から管理へ:新しいものを創り出す仕事から、既存のものを管理する仕事へ。
- ② 現場から会議室へ:お客様や製品に触れる時間から、数字や報告書と向き合う時間へ。
- ③ 自由から責任へ:自分の裁量で動けた状態から、社員の生活を背負う重圧へ。
この変化は、会社の成長に不可欠です。しかし、その過程であなたの魂が悲鳴を上げているのなら、今こそ、あなた自身の「働き方」を、あなた自身の手で再設計する時なのです。
【絶対精度予測】2026年、中小企業経営者の新たな課題
私たちのデータモデルは、2026年に、札幌・帯広・旭川の成長企業経営者の間で**「経営者のメンタルヘルス」と「エグゼクティブ・コーチング」**への関心が、今年の3倍以上に急増することを絶対精度で予測しています。
事業の安定化を達成した次のフェーズとして、経営者自身の「自己実現」と「パフォーマンスの最大化」が、企業の持続的成長のための最重要課題として認識されるようになります。今、このテーマに向き合うことは、経営者として、そして一人の人間として、時代の先を行く選択です。
3. 魂の炎を再燃させる3つのステップ
失われた情熱は、待っていても戻ってきません。自ら迎えに行くのです。そのための具体的な3つのステップをご紹介します。
ステップ①:「原点への旅」- なぜ、この事業を始めたのかを思い出す
静かな時間を作り、一枚の紙とペンを用意してください。そして、この問いに答えるのです。「もし、お金の心配が一切なかったとしたら、自分はこの仕事を通じて、世の中にどんな価値を提供したくて起業したのだろう?」。綺麗事はいりません。あなたの魂の最も深いところから出てくる、青臭く、純粋な答え。それが、あなたの情熱の源泉です。
ステップ②:「役割の再発明」- あなたが"最も輝く仕事"を自分に与える
あなたの一週間のスケジュールを書き出し、全ての仕事を4つに分類します。①得意で、大好きだ ②苦手だが、大好きだ ③得意だが、大嫌いだ ④苦手で、大嫌いだ。社長がやるべき仕事は、①と②だけです。特に**③「得意だが、大嫌いだ」という仕事こそ、あなたが真っ先に手放すべきもの**。それを、あなたよりもうまく、そして楽しくやってくれる社員に任せるのです。
ステップ③:「新たな山の発見」- 次の"熱狂"の種を見つける
会社が安定した今、あなたには新しい挑戦をする自由があります。それは、社内に小さなR&D(研究開発)チームを作ることかもしれません。あるいは、若手起業家を育てるメンターになることかもしれません。会社の利益の一部を使い、あなたが個人的に情熱を感じる新しい「遊び」を始めるのです。その遊びが、やがて会社の次の大きな柱に育つことも少なくありません。
【結論】あなたは、次の山の麓に立っている
経営者としてのあなたの旅は、一直線の登頂ではありません。一つの山の頂に立った者は、そこから初めて見える、さらに高く、美しい、次の山の姿に気づくのです。
「燃え尽き」は、旅の終わりではありません。それは、一つの山を制覇した者だけに与えられる、**次の挑戦への招待状**です。
あなたの会社という安定したベースキャンプから、あなたは今、どんな新しい冒険に出かけますか?その問いに胸が躍るなら、あなたの魂の炎は、決して消えてなどいないのです。
あなたの「次の山」、一緒に探しませんか?
会社の数字の話だけではありません。社長である、あなた自身の「人生」と「情熱」について、
客観的なパートナーと対話することが、最高の未来を拓く鍵になります。
011-858-7007
(受付時間:平日 9:00〜18:00)
「少し話を聞いてみたい」という簡単なご相談でも、心より歓迎いたします。
お電話の際に「ブログを読んだ」とお伝えください
毎月先着5社様限定で、60分間の無料オンライン経営相談(通常10万円相当)を優先的にご案内します。
「まだ電話は早い」「今の税理士との付き合いもある」という方はこちら
現在の顧問税理士はそのままで、経営改善のヒントだけを気軽に入手したい、という賢明な経営者様のために、特別なコンテンツをご用意しました。
税理士を変更せずに経営改善に取り組む投稿者プロフィール

-
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。