「ウチは給料が低いから…」と諦める前に。社員の幸福度と会社の利益を同時に最大化する、カネ以外の報酬(=第3の給与)とは?

「ウチは給料が低いから…」と諦める前に。社員の幸福度と会社の利益を同時に最大化する、カネ以外の報酬(=第3の給与)とは?
この記事の難易度: ★★☆☆☆(難しい計算は一切ありません。経営の“心”の話です)
【この記事であなたが得られる未来】
- 「給料が低いから人が辞める」という呪縛から解放されます。
- 札幌の激しい人材獲得競争の中で、広告費をかけずとも「この会社で働きたい」と人が集まる組織のヒントが得られます。
- 明日からすぐ実践できる、お金をかけずに社員の満足度を上げる具体的な方法が分かります。
- 社員のエンゲージメントが高まり、結果として会社の利益が向上する「幸せな好循環」を生み出せます。
【はじめに】なぜ、税理士が「給与の心」の話をするのか?
はじめまして。千葉将志税理士事務所の千葉です。
札幌で多くの経営者様とお会いする中で、ここ数年、ため息と共によく聞く言葉があります。それは「ウチは給料が低いから、良い人が採れないし、すぐに辞めてしまう…」という諦めの言葉です。
私たちは税理士として、損益計算書の「人件費」という数字を毎日見ています。しかし、その数字の裏にある「社員の心」や「組織の体温」まで見ようとする経営者が、どれほど少ないことか…。
貸借対照表には載らないけれど、会社にとって最大の資産。それは**「社員のやる気とエンゲージメント」**です。私たちは、その見えない資産を最大化する専門家でもあります。「ウチはカネがないから」その一言が、あなたの会社の可能性をどれだけ奪っているか。今日はその現実と、希望についてお話しします。
その口癖が会社を潰す。「ウチは給料が低いから」という諦めの病
札幌市内のIT企業B社の社長は、高い給料を提示して、同業他社からエース級のエンジニアを引き抜きました。しかし、半年後。そのエンジニアは「もっと成長できる環境に行きたい」という言葉を残し、あっさりと辞めてしまったのです。
社長は愕然としました。「あれだけの給料を払ったのに、なぜだ…」。
これが「給料が低いから」という病の正体です。この言葉を口にする経営者は、「問題はカネだ」と信じ込み、思考停止に陥っています。そして、カネ以外の、もっと大切な打ち手を見落としてしまうのです。
衝撃の事実:社員は「給料だけ」で会社を選んでいない
給料は“満足”には繋がるが、“やる気”の源泉ではない
経営学の世界では常識ですが、フレデリック・ハーズバーグの二要因理論によれば、給料や労働条件は「不満足要因」ではあっても、「満足要因(=やる気の源泉)」にはなりにくいとされています。
どういうことか?
給料が低いと「不満」にはなります。しかし、給料を上げたからといって、その社員の「やる気」が青天井で上がり続けるわけではないのです。むしろ、すぐに慣れて当たり前になってしまいます。
離職の本当の理由
各種調査でも、離職理由の上位は常に「人間関係」「仕事内容への不満」「成長が見込めない」といった項目が占めています。「給与への不満」は、これら本質的な問題をごまかすための、建前の理由であることも多いのです。
でも先生、そんなキレイゴト言っても、結局社員はカネじゃないですか?生活があるんだし…
おっしゃる通りです。もちろん、生活を支えるだけの十分な給与は大前提です。しかし、その土台の上で社員の心を本当に掴むのは、カネ以外の報酬…私が「第3の給与」と呼ぶものなのです。
社員の心を掴む「第3の給与」その正体とは?
給与には3つの種類があると考えてください。
第1の給与:基本給・賞与(金銭的報酬)
これは、生活の基盤となる最も重要な報酬です。これがなければ話になりません。
第2の給与:福利厚生(金銭的報酬の補完)
家賃補助や退職金など、可処分所得を増やしたり、安心を提供したりする報酬です。
そして、ほとんどの経営者が見落としているのが、次です。
第3の給与:会社の未来と自己実現を繋ぐ「4つの精神的報酬」
これは、社員の「ここで働き続けたい」「この会社のためにもっと頑張りたい」という気持ちを育む、お金では買えない報酬です。具体的には、以下の4つの柱で構成されます。
- 成長の機会 (Opportunity)
- 魅力的な人間関係 (People)
- 承認と称賛 (Work)
- 働き方の柔軟性と時間 (Time)
明日から始める「第3の給与」の払い方【お金は不要】
「第3の給与」を支払うのに、追加の運転資金は必要ありません。必要なのは、社長であるあなたの少しの意識と行動の変化だけです。
1.「成長の機会」を与える:小さな挑戦の場を作る
「この仕事、君に任せてみようかな」…社長のこの一言が、社員にとっては何よりの報酬になります。少し背伸びすれば届くような、小さな挑戦の機会を与え続けてください。資格取得の支援や、外部研修への参加を促すのも効果的です。
2.「魅力的な人間関係」を育む:社長が率先して感謝を伝える
良い人間関係の基礎は「心理的安全性」と「相互尊重」です。「ありがとう」「助かるよ」…社長が率先して感謝の言葉を口にするだけで、職場の空気は劇的に変わります。社員の挑戦を笑わず、失敗を責めずに「次、頑張ろう」と言える文化を創ってください。
3.「承認と称賛」を文化にする:朝礼でグッドニュースを共有する
誰だって、自分の仕事を認められたいものです。大きな成果だけでなく、小さな工夫やお客様からの感謝の声など、ポジティブなニュースを全社で共有する場を作りましょう。例えば、毎週月曜の朝礼で「今週のグッドプレー賞」を発表するだけでも、社員の貢献意欲は高まります。
4.「時間」をプレゼントする:非効率な会議をなくす
社員の時間を奪うことは、給料を奪うことと同じです。目的が曖昧な定例会議、長すぎる打ち合わせ…あなたの会社には、そんな「時間の泥棒」がいませんか?業務プロセスを見直し、ITツールを導入して無駄をなくすことで、「プライベートを大切にできる」という最高の報酬を社員にプレゼントできます。
【結論】:「第3の給与」は、最強の経営戦略である
「ウチは給料が低いから…」という言葉は、思考停止の言い訳です。
札幌のように人材獲得競争が激しい地域だからこそ、大企業がカネで人を集めるのと同じ土俵で戦ってはいけません。
私たち中小企業は、「第3の給与」で戦うのです。
社員一人ひとりの成長を心から願い、働きがいを承認し、魅力的な仲間と過ごす時間を提供する。この精神的報酬こそが、社員の心を掴んで離さない強力な磁石となります。
そして驚くべきことに、社員のエンゲージメントが高まれば、生産性や顧客満足度が向上し、結果的に会社の利益(第1の給与の原資)も増えるのです。社員の幸福と会社の利益は、決してトレードオフではありません。
「第3の給与」は、単なる福利厚生の話ではない。会社の未来を創る、最強の経営戦略なのです。
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投稿者プロフィール

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中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。