なぜ、年商10億の社長は「自己資金」で投資しないのか? ――普通の税理士が教えない、「金利」を「経営者の時間」に変える攻めの財務戦略【札幌・旭川・帯広】

なぜ、年商10億の社長は「自己資金」で投資しないのか? ――普通の税理士が教えない、「金利」を「経営者の時間」に変える攻めの財務戦略【札幌・旭川・帯広】

なぜ、年商10億の社長は「自己資金」で投資しないのか? ――普通の税理士が教えない、「金利」を「経営者の時間」に変える攻めの財務戦略【札幌・旭川・帯広】

札幌、旭川、そして帯広で日々奮闘されている経営者の皆様。「無借金経営」―― この言葉には、「健全」「優良」「経営者の鑑」といった、一種の"聖域"のような響きがあります。

雨の日も風の日も、資金繰りに奔走し、ようやく辿り着いた「手元にキャッシュがある」という安堵感。社員とその家族を守るため、誰にも言えない孤独の中で、歯を食いしばって築き上げてきた砦。その重みと尊さを、私は痛いほど理解しています。

しかし、社長。もし今、その「砦」にこもり、「貴重な自己資金(キャッシュ)を減らしたくない」と考えるあまり、次の成長への一手をためらっているとしたら…。

それは、御社の「未来の時間」を、知らず知らずのうちに失っていることに他なりません。

物価高、人手不足、そして止まらない賃上げ要求。私たちが直面する現実は、もはや「現状維持」すら許してくれない荒波です。このインフレ時代において、「現金を持っている」こと自体が、「実質的な価値の目減り」という最大のリスクであることに、お気づきでしょうか?

この記事は、「良い話だった」で終わる、ありきたりの財務解説ではありません。社長が人生を賭けて築いた会社を、次のステージへ引き上げるための、「金利」を「経営者の時間」に変える「攻めの財務戦略」です。覚悟して、お読みください。

この記事から得られる3つの効果
  • インフレ時代に「現金」を持つことの本当のリスクが理解できる。
  • 「金利=コスト」という思い込みが、「金利=未来への投資」に変わる。
  • 成長を加速させる経営者と、停滞する経営者の「お金の使い方」の決定的な違いがわかる。

難易度: ★★★★☆ (経営者・経営幹部 限定)
読了目安時間: 約 7 分

1. 第1楽章:【共感】社長、その「無借金経営」は、本当に"健全"ですか?

私たちは幼い頃から「借金は悪だ」と教わってきました。それは個人の家計においては、概ね正しいでしょう。しかし、こと「経営」においては、その常識が会社の成長を縛る「呪縛」となり得ます。

最先端の財務戦略においても、この「自己資金への過度な依存」には警鐘が鳴らされています。

想像してみてください。売上1億円、手元資金5,000万円の会社が、3,000万円の最新設備を導入するA社とB社。

  • A社(堅実な社長): 「借金は嫌だ」。手元の5,000万円から3,000万円を支払い、キャッシュは2,000万円に減少。
  • B社(戦略的な社長): 3,000万円を全額、低利の設備投資融資で調達。手元キャッシュは5,000万円のまま。

A社の社長は「無借金で機械を買った」と安堵するかもしれません。しかし、その直後に何が起きたか。コロナのような不測の事態、あるいは大型の受注が舞い込んだ時、手元に2,000万円しかないA社は、怯えて「守り」に入ります。一方で、5,000万円のキャッシュを持つB社は、その大型受注を獲得するために、さらに「攻め」の人材採用に打って出ることができるのです。

この差は、「自己資金」を「守りの砦」と「攻めの武器」のどちらに使うか、という「お金の使い方」の哲学の違いに他なりません。

2. 第2楽章:【覚醒】インフレ時代の新常識 ―― なぜ、自己資金での投資は「悪手」なのか

A社の社長が犯した過ちは、現代の経営環境において「致命的」な理由が2つあります。

理由1:「現金の価値」が、凄まじい勢いで「目減り」しているから

先ほどの【高度蓋然性予測】でも触れた通り、私たちはインフレの時代に生きています。仮に物価上昇率が年3%だとしたら、社長が必死で守っている「現金1億円」は、1年後には実質「9,700万円」の価値しか持ちません。何もしない(投資しない)だけで、年間300万円が消えているのと同じです。

インフレ(物価上昇)と賃上げ(人件費上昇)が同時に進むスタグフレーション下において、現金(自己資金)を投資に回さず、ただ「保有」することは、「最も効率の悪い資産運用」なのです。

理由2:銀行との「信頼残高」を築く機会を失うから

銀行が本当にお金を貸したい相手は、「困っている会社」ではなく、「儲かっている会社」です。そして、銀行が最も評価するのは「取引実績」、すなわち**「借りて、きっちり返した」という信頼の履歴**です。

最先端の財務戦略の本質は、たとえ自己資金で払えたとしても、「あえて借りる」という行為にあります。それは、いざという時(例:5億円のM&A案件が出た時)に、即座に融資を引き出すための、極めて高度な「信頼残高」の積み立て行為なのです。

自己資金で投資するA社は、この「信頼残高」を一切積み立てていません。銀行の担当者は「あの会社は現金があるから大丈夫だ」と評価するでしょうか? 違います。「あの会社は、いざという時にいくら貸せるかデータがない」と評価するのです。

3. 第3楽章:【視点】「普通の税理士」が教えない、「金利」の本当の正体

ここで多くの経営者が、「そうは言っても、金利がもったいない」とおっしゃいます。そのお気持ちはよくわかります。そして、多くの「普通の税理士」は、決算書の損益計算書(PL)だけを見て、こう言います。

「社長、支払利息が年間XXX万円。これはコストです。削減しましょう」と。

これが、経営を停滞させる「過去会計」の典型です。私たち経営コンサル型税理士は、「未来の貸借対照表(BS)」と「経営者の人生(北極星)」から逆算して、まったく違う提案をします。

普通の税理士(過去志向)
  • 金利は「コスト」
  • 借金は「リスク(悪)」
  • 重視するのは「PL(節税)」
  • ゴール: 税金を減らす
当事務所(未来志向)
  • 金利は「時間を買う投資」
  • 借金は「成長のレバレッジ」
  • 重視するのは「BSとキャッシュ」
  • ゴール: 社長の理想の人生を実現する

年商10億の戦略的な社長は知っています。年利1.5%の「金利」とは、コストなどではなく、

  1. インフレ(年3%)に勝つための「投資」であり、
  2. 手元キャッシュ(守りの砦)を温存するための「保険料」であり、
  3. 自己資金が3,000万円貯まる「3年後」を「今」買うための「時間料」である

ということを。3年待てば競合に市場を奪われる。だから「金利」という投資を払ってでも「今」投資するのです。これこそが、成長を加速させる経営者の「お金の使い方」です。

事例:ある札幌の建設業A社の「覚醒」

年商3億、手元資金も潤沢。典型的な「優良無借金経営」だったA社。しかし、社長は「人手不足」と「資材高騰」に頭を悩ませ、「このままではジリ貧だ」という焦り(ペルソナの悩み)を抱えていました。

私たちは「普通の税理士」のように節税の話はせず、ただ一点、「その手元資金を、インフレで目減りさせていいのですか?」と問いかけました(本質的な問いかけ)。

私たちが共同で策定したのは、「自己資金は一切使わず」、あえて「銀行融資」と「補助金」をフル活用して、従来の半分の工期で済む「最新の重機とITシステム」に大型投資する戦略でした(ジョハリの窓④:未知のポテンシャル)。

結果、生産性が劇的に向上。若手でも操作できる最新機器の導入で「採用」にも成功し、売上は2年で5億円を突破。社長は今、「あの時、"無借金"という常識を捨てていなければ、今頃は廃業を考えていたかもしれない」と笑います。

※守秘義務の観点から、実際の複数の事例を再構成したフィクションです。

4. 第4楽章:【決断】社長の会社は、どちらの未来を選びますか?

ここまでお読みいただいた社長は、ご自身の「常識」が、いかに今の時代とズレていたかに気づき始めているはずです。その"思い込み"こそが、御社の成長を妨げている最大の「リミティング・ビリーフ(制限的な信念)」です。

『リミティング・ビリーフ破壊』チェックリスト

もし、1つでも当てはまったら、御社の成長は「無意識」に止められています。

  • 「無借金経営」こそが、健全な経営の証だと思っている。
  • 銀行に「金利」を払うのは、ドブに捨てるようなものだと感じている。
  • 「自己資金」で投資できるうちは、借りる必要はないと思っている。
  • 税理士には「節税」だけを期待しており、「未来の投資」の話はしたことがない。
  • インフレで「現金の価値が目減りしている」と頭では分かっていても、行動を変えていない。
社長、今が『決断の時』です

このまま、目減りする「現金」を握りしめ、
「過去の常識」と共に、停滞する未来を選ぶのか?

VS

「金利」を「未来への投資」と捉え直し、
「攻めの財務戦略」で、理想の未来を掴み取るのか?

投稿者プロフィール

千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。