法人を設立して運営していくと様々な税金などを支払っていくことになります。法人税法で税金のことを租税公課と呼びますが、その租税公課の中には損金にならないものがあるので注意しましょう。
法人決算申告対策その3:損金不算入の租税公課の取り扱い
法人が税金を払ったら経費になると思っていると大間違いなことがあります。
税金の中には損金になるものとならないものがあるので違いを理解しておきましょう。
損金不算入項目はお金は出ていっても節税効果はありません。
法人の経営で必要な税金を払ったのに経費にならないとはどのようなことでしょうか?
法人税の仕組みと損金不算入の関係を知っておこう
法人税では、会社の利益をスタートとして税金を計算していきます。
法人は、税金を支払ったときに「租税公課」という簿記の勘定科目を使って経理処理をしていきます。
つまり、会社の利益は法人税法上損金になるものならないものを無視して決算書を作っていきます。
損金にならないものも経費で落として利益を小さくしていることもあるというわけです。
しかし、法人税法は会社が経費として処理していても法人税法上経費として認めないものを足していきます。
これを損金不算入といいます。
逆に、会社の帳簿上は収益として処理していても法人税法上は収益として見ないものもあるので法人税法上はマイナスしていきます。
これを益金不算入といいます。
厳密にはこれ以外にも細かい調整がはいりますが、大枠としてはこのような仕組みで法人税をかけるモトを計算していきます。
(法人税計算のイメージ)
税引後利益 ×××
+)損金不算入項目×××
-)益金不算入項目×××
=法人税の税率をかけるモト ×法人税率等
租税公課は経費項目として経理されている
租税公課とは税金関係の経費科目のことをいいます。
この租税公課は、法人は経費として処理をしていることになります。
例えば、印紙を購入したり法人決算が終わった段階で法人税などの納付書で法人税を支払ったり。
会社が負担する税金に関して会社側では「租税公課や法人税等」として経理処理をしていきます。
ところが法人が経費として処理をしていても、法人税の計算上経費として認めないものがあるのです。
この法人税の計算上、経費として認めないものを「損金不算入」といいます。
この損金不算入のものを法人税の申告書で、利益に足して税金を掛ける元を大きくして税率をかけていきます。
損金不算入のものがたくさんあれば、会社の利益が小さくても法人税は高くなります。
[ad#co-1]
損金不算入になる租税公課とは
法人の経営をしている中で支払った税金なのに損金にならないものにはどのようなものがあるのでしょうか?
法人税の計算上、損金不算入になる租税公課は次の通りです。
(1)法人税、地方法人税、都道府県民税及び市町村民税
これらを法人税の計算上、経費として認めてしまうと法人税がグルグルと小さくなっていってしまうため損金不算入とされます。
利益に対して法人税を課税する → その法人税が経費になる → さらに利益が小さくなる → その法人税が経費になる・・・・繰り返しということになるからです。
(2)加算税及び加算金、延滞税及び延滞金(地方税の納期限の延長に係る延滞金は損金算入になります)並びに過怠税
加算税や延滞税などはペナルティーとして課税されるものです。これを法人税の計算上の経費として認めてしまうと制裁的な意味がなくなるということで損金不算入とされています。
(3)罰金及び科料(外国等が課する罰金なども含みます)並びに過料
これも(2)と同じで、ペナルティーとしてのものです。
(4)法人税額から控除する所得税、復興特別税及び外国法人税
これは、法人税額から控除する所得税などを損金に入れてしまうと、一度経費にいれたものを法人税額からさらに差し引くということになります。
源泉所得税などは法人税の前払いとしての性質もあるため、納める法人税から控除する処理も認められています。
それとは別に、会社の経理処理で費用(租税公課)として処理することも認められています。
このどちらを選択するかは会社の選択になります。両方を認めてしまうと、経費として利益を小さくして、さらに納税額からダイレクトに源泉税分法人税が下がるということになってしまいます。
そのため、どちらかを選択することになります。
まとめ
法人を設立して法人としての経営を始めるときに資金繰りが重要になります。
資金繰りが重要な理由の中には、税金を延滞しないという目的もあります。
税金の支払いが遅れると損金にならない税金の利息をたくさん払うことになってしまいます。
「会社は赤字なのに税金は高い」なんて理不尽なことになってしまいます。
できるだけ損金にならない無駄な税金が発生しないように管理していきましょう。
【千葉税理士事務所の取り組み】
個人事業から法人になった方や新規で法人を設立した方は法人税の仕組みがわかりにくいと思います。
千葉税理士事務所では難しい法人税の仕組みなどを含めて経営者の方にも理解していただいております。
会社の経理にまかせっきりになっていたのでは、社長が正しい判断ができないからです。
ただし、難しい言葉での説明も難しい本も必要ありません。
しっかりと会社が税金に強くなっていきます。
会社が経理や資金調達・税金に強くなるお手伝いに力を入れていきます。
もしも、損金ってなに?法人税の仕組みを聞いたことがない方は今すぐご相談ください。
時間がたてばたつほど手遅れになってしまいます。
弥生会計・MFクラウド会計専門の札幌市白石区にある千葉税理士事務所
ご相談電話 0120-889-459
[ad#co-1]