なぜ、給料を上げても優秀な社員が辞めてしまうのか? - 人手不足時代を勝ち抜く「人が育つ会社」の作り方

🗓️ 2025年8月27日 👨‍💼 千葉将志税理士事務所代表 千葉将志

なぜ、給料を上げても優秀な社員が辞めてしまうのか? - 人手不足時代を勝ち抜く「人が育つ会社」の作り方

難易度
★★★★☆
読了目安
約10分

この記事から得られる3つの効果

  • 「給料」という"カンフル剤"に頼らない、本質的な社員の定着率向上策がわかります。
  • 社員が自ら学び、成長していく「自律型組織」への変革の第一歩が踏み出せます。
  • 社長であるあなたが「孤独な経営者」から「社員を育てる最高の庭師」へと進化します。

会社の利益を社員に還元し、同業他社よりも高い給料を支払う。それは経営者として、一つの理想であり、責任の果たし方でしょう。

あなたも会社のキャッシュフローを改善し(前回の記事参照)、その原資を確保するために多大な努力をされてきたはずです。

しかし、もし、そうまでして給料を上げたにも関わらず、期待していたエース社員があっさりと辞表を提出してきたとしたら…?

「これだけの対価を払っているのに、何が不満なんだ…」

その絶望と憤りは、計り知れません。ですが、これは今、札幌中の多くの企業で現実に起きていることです。2025年の今、人手不足の本質は、もはや「お金」だけでは解決できないフェーズに突入しているのです。

この記事では、なぜその悲劇が起きるのか、そして、どうすればあなたの会社が、優秀な人材が「お金」以上に働き続けたいと願う「人が育つ会社」になれるのか、その具体的な処方箋をお渡しします。

この記事の目次

1. なぜ、お金は"万能薬"ではなくなったのか?

誤解を恐れずに言えば、給料やボーナスは、もはや「モチベーションを上げる要因」ではありません。心理学では「衛生要因」と呼ばれ、「あって当たり前、なければ不満」という性質のものです。

今の時代の優秀な人材が本当に求めているのは、「衛生要因」が満たされた、その先にある**「動機付け要因」**なのです。

【社員が本当に求める「動機付け要因」とは?】

  • この会社で、自分は成長できているという実感
  • 自分の仕事が、会社の未来や誰かの役に立っているという貢献感
  • 上司や同僚から、一人のプロとして承認・尊敬されているという感覚
  • 会社の向かうべきビジョンへの共感

あなたほどの経営者であれば、これらの重要性はすでにご理解されていることでしょう。問題は、その「動機付け要因」を、日々の経営の中で**「仕組みとして」**どう構築していくか、なのです。

2. サービス業C社長の嘆き「最高のシェフを失った日」

※この物語は、これまで多くの経営者様からいただいたご相談内容を基に、特定の個人が識別できないよう再構成したフィクションです。

札幌市内で数店舗のレストランを経営するC社長。彼は、店の看板である若き天才シェフの流出を恐れ、業界でも破格の給与を提示していました。しかしある日、そのシェフはこう言って辞意を告げたのです。

「社長には本当に感謝しています。でも、僕はもっと自分の可能性を試したい。新しい調理法を学び、いつか自分の店を持ちたい。ここでは、日々のメニューをこなすだけで、成長が止まってしまった気がするんです」

C社長は頭を殴られたような衝撃を受けました。彼はお金でシェフを「つなぎとめて」いるつもりでしたが、結果として彼の「成長したい」という魂の渇望を、知らず知らずのうちに奪っていたのです。

3. 「人が育つ会社」を創る3つの柱

では、C社長のような悲劇を繰り返さないために、具体的に何をすべきか?
我々は、その答えを「人が育つ会社」を創る3つの柱として体系化し、クライアントに提供しています。

柱①:「透明な地図」を共有する(ビジョンの共有)

人は、自分がどこへ向かっているのか分からない船に乗り続けられません。社長が一人で未来地図を持っていても意味がないのです。会社の目標、今の課題、そしてなぜ今の仕事が必要なのか。これを定期的に、誠実に、全社員に共有してください。「そんなことまで話す必要はない」という古い考えは捨てましょう。地図を共有されて初めて、社員は当事者となり、自らの航路を考え始めます。

柱②:「成長のコンパス」を手渡す(成長機会の提供)

「ウチには研修制度なんてない」と諦める必要はありません。コンパスとは、社員一人ひとりの「やってみたい」を応援する姿勢そのものです。月5000円の書籍購入補助、短時間の勉強会、少しだけ挑戦的な役割を与える…。コストではなく「未来への投資」と捉え、小さな成長機会を仕組みとして提供するのです。成長を実感した社員は、会社に恩返しをしようと、より大きな貢献をしてくれます。

柱③:「心理的安全性のオアシス」を創る(承認と尊重の文化)

これが最も重要です。どんなに良い地図とコンパスがあっても、嵐が吹き荒れる船では誰も前に進めません。オアシスとは、「失敗が許される場」「誰もが意見を言える場」「互いの仕事を尊重し合う場」です。これを創り出せるのは、社長であるあなたしかいません。社長自らが「ありがとう」と感謝を伝え、「失敗してもいい、挑戦しよう」と背中を押す。その姿勢が、社員の心を会社に根付かせるのです。

【結論】社長の仕事は、業績を上げること。そして、「庭」を育てること

無能唱元氏は、人を惹きつけるリーダーの器を「人徳」と表現しました。現代の経営における「人徳」とは、社員一人ひとりの人生と成長に、本気で向き合う覚悟のことではないでしょうか。

社長の仕事は、短期的な業績を上げることだけではありません。あなたのビジョンを実現してくれる社員たちが、安心して根を張り、花を咲かせ、実をつけるための**豊かな「庭」を育てること**です。

水(給料)だけを大量に与えても、良い庭はできません。温かい光(ビジョン)、成長を促す土(機会)、そして安心できる環境(心理的安全性)が必要です。

あなたはその庭を育てる、最高の庭師になれるはずです。

あなたの「庭」の状態、診断しませんか?

あなたの会社が、社員にとって「豊かな庭」になっているか、それとも「痩せた土地」になっていないか。
まずは、客観的な視点で自社の組織状態を把握することが、全ての始まりです。

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投稿者プロフィール

千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。