この記事の要点
- 社員の歓心を買うためにボーナスや休暇を与えるのは「小善(小さな愛)」であり、長期的には組織を腐らせます。
- 真のリーダーは、一時的に嫌われてでも高い基準を求め、社員の魂を磨く「大善(大きな愛)」を実践します。
- 社長が社員に贈るべき最高のクリスマスプレゼントは、お金ではなく「没頭できる仕事(ビジョン)」です。
メリークリスマス。今日は12月24日です。
世の中がプレゼント交換に浮かれる中、あなたは一人、会社の数字と向き合っているかもしれません。
「今年の冬のボーナス、無理して出したけど、社員は満足してくれたかな...」
「来年はもっと待遇を良くしてあげたいな...」
そんな優しい想いを持つあなたに、あえて厳しいことを申し上げます。
あなたは、社員の「サンタクロース(都合の良いおじさん)」になってはいけません。
なぜなら、あなたがサンタになろうとすればするほど、社員は「テイカー(奪う人)」になり、会社は弱体化していくからです。
1. 「小善は大悪に似たり」の真意
稲盛和夫氏の有名な言葉に「小善は大悪に似たり」があります。
例えば、金銭的に困っている社員に対し、情に流されて安易にお金を貸したり、甘い評価で昇給させたりすること。これは一見「優しさ」に見えますが、稲盛氏はこれを「小善(ちっぽけな善)」と呼び、結果としてその人の自立心を奪い、ダメ人間にする「大悪」であると断じました。
・嫌われるのを恐れる
・基準を下げて褒める
・問題を見て見ぬ振りをする
・金で解決しようとする
結果➡ 組織が腐敗する
・成長のために厳しく叱る
・高い目標を課す
・信賞必罰を徹底する
・機会を与える
結果➡ 人が育ち、会社が勝つ
クリスマスの今日、自分に問いかけてみてください。
あなたの優しさは、相手の未来を思った「大善」ですか?それとも、自分が好かれたいだけの「小善」ですか?
2. 最高のプレゼントは「お金」ではない
では、大善のリーダーは何を与えるのでしょうか?
ドラッカーは「リーダーシップとは、責任である」と言いました。
社長が社員に与えるべき最高のギフトは、一時的なボーナス(おもちゃ)ではありません。
「自分たちの仕事が社会の役に立っている」という誇り(パーパス)と、「努力すれば報われる」という公正な舞台(評価制度)です。
社員が本当に求めているのは、楽な環境ではなく「自分が主役になれる舞台」です。
厳しいリハーサル(業務)を乗り越え、お客様から拍手喝采(感謝)を浴びる瞬間。
その感動をプロデュースすることこそが、社長の仕事です。
そのためには、あなた自身が誰よりも高い基準を持ち、孤独に耐え、未来の脚本(経営計画)を描き続けなければなりません。
3. 来年は「鬼」になる覚悟を
2026年に向けて、経営環境はさらに厳しくなります。「仲良しクラブ」では生き残れません。
もし、あなたが「社員に厳しく言えない」「評価制度がなあなあになっている」と感じているなら、それは組織への愛情不足です。
来年は、愛を持って「鬼」になりましょう。
私たち千葉税理士事務所は、そんな孤独な決断をする社長の隣で、論理と数字で支える「参謀」でありたいと願っています。









