法人を設立するとすぐにやるべきことが税務署などへの届出です。それと同時に役員報酬を決めなければなりません。法人税法上役員報酬の取り扱いはトラブルが多いのでしっかりと事前に知っておくことが必要です。
法人を作って一番最初に悩むことがあります。
それは「いったい役員報酬をいくらにしたらいいのだろう?」です。
昨日までは個人事業だったりサラリーマンだった方が法人を設立すると法人の社長になります。
いきなり自分のお給料をいくらに設定すればよいかが、設立と同時に決めていなければいけないのです。
・周りの社長がいくらくらい役員報酬をとっているのか?
・周りの会社の売上がいくらくらいあるのか?
・周りの会社の利益はいくらくらい出ているのか?
・周りの会社は銀行からお金を借りているのか?
・周りの会社の資金繰りと役員報酬の関係はあるのか?
これだけわからないことだらけの状況で、法人設立と同時に役員報酬を決定しなければならいのですから非常に難しい問題です。
では、一般的に起業したての会社はどのように役員報酬を決めているのかを見ていきましょう。
役員報酬の考え方は、その会社の社長の考え方が良く表れます。
しかし、基本的に知っておかなければいけないポイントはあるので知った上で決めていきましょう!
税務上の気をつける点は次の点です。
☑ 役員報酬は一度決めると、原則としてその年度中増減できない。
☑ 途中で役員報酬を上げると、法人税の計算上経費にならない(損金にならない)が、役員の所得税・住民税はしっかり取られる
☑ 簡単に役員にボーナスを出してしまっても、法人税の計算上経費にならない(損金にならない)
ココで難しいのは、役員報酬は増減ができないという点です。(以後、役員報酬が法人の経費になるケースの前提条件です)
しかも、役員報酬を決めるのは設立時であればその事業年度開始のときに決めているはずです。
つまり、最初に決めていた役員報酬が低すぎても途中で増額できないということになってしまいます。
あちこちで、「設立時の役員報酬は0円でよい」という記載も見受けられます。その上で、「会社から借りれば生活はできる」という話になっています。
確かに、設立時役員報酬0円は可能です。
しかし、社長の年収が0円です。個人でカードを申し込むことも、住宅ローンを組むことも難しいことになります。
さらに、法人の決算書に「役員貸付金」という勘定科目に金額が載ります。
これは、社長へのお金を貸しましたよという跡が残ります。
銀行から融資を受けるときに、社長にお金を貸すために融資をしたのではないということになります。
1年間の生活費です。1年で100万円~400万円がでてもおかしくありません。
設立事業年度の役員報酬は0円を勧めている場合、次の年の役員報酬を上げてこれを返済することになります。
ということは、設立2期目の役員報酬は2年分の生活費です。
200万円~800万円としなければ役員貸付金を解消できないことになります。
数年かけて償却していくこともあるのですが、様々な部分の影響を考慮に入れて組み立てていなければ経営的にマイナスになります。
個人的な意見ですが、設立時役員報酬0円はきちんとした理由がない限り反対です。
では、どのように役員報酬を決めていくのかということをお話しします。
その1.そもそも生活費がいくら必要かで決める
その2.個人事業から法人に移行するケースでは個人事業の実績を元に決めるその
その3.法人設立からスタートの場合は、事業計画とメリット・デメリットを個別に検討して決める
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この役員報酬の設定ということが一番難しい問題なのです。
しかも、法人を設立したとたんに決断しなければいけないということです。
そのため、法人設立手続きだけを依頼しているのではデメリットが大きすぎるのです。
所得税は収入が多くなればなるほど税率が高くなります。
設立時の役員報酬を0円にして、2期目に2倍とると収入が2倍になっていることと変わりません。
これでは、同じだけのお金をもらっているのに所得税は多く取られているということです。
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