会社設立で迷ったときは「お金」か「価値観」かを考える【税理士目線】

札幌市白石区の会社設立専門の千葉税理士事務所です。個人事業として事業をしていると気がつくと所得が高くなっているケースがあります。会社設立をして法人化した方がよいか迷ったときは税理士さんに相談しましょう。

会社設立で迷ったときは「お金」か「価値観」かを考える【税理士目線】

札幌市白石区にあるクラウド会計専門の千葉税理士事務所です。

個人事業主の確定申告が終わったあとには会社設立をして株式会社設立や合同会社設立を検討する方が増えてきます。

確定申告が終わった後の3月~5月と8月~11月の間くらいで会社設立を検討される方が多い気がします。

3月~5月の間で法人成りを検討される方は前年の確定申告で税金が高かった方です。

8月~11月の間で法人成りを検討される方は「周りも法人化しているから」や「周りの社長に言われて」というケースが多いです。

いずれにしても個人事業を会社設立をして法人化しようか検討するタイミングは順調な会社に起こるイベントです。

法人設立を検討する際に必ず話題になるのが「法人化した方が得か損か」です。

最近では社会保険加入義務が強化されていることから昔のように個人事業よりも法人にした方が得ということはいえません。

では、会社設立を検討する際に何を目安に行うべきかをお話しします。

個人事業主と法人の大きな違い【使わないお金にも高い税率がかかるか否か】

個人事業主と法人の違いは税金の計算方法だけではありません。

人生設計においても所得税の仕組みと法人税の仕組みは影響してきます。

(個人事業は老後資金原資にも高い税率・高い税金がかかる仕組み)

個人事業主は確定申告をした際に、所得が高ければ高い税率が適用されます。

具体的には次の通りです。(復興特別所得税を除く)

・課税所得金額~195万円以下:5%

・195万円~330万円以下:10%

・330万円~695万円以下:20%

・695万円~900万円以下:23%

・900万円~1,800万円以下:33%

・1,800万円~4,000万円以下:40%

・4,000万円~:45%

これとは別に住民税が一律10%がかかります。

個人事業主の場合には事業利益が290万円/年を超えると超えた部分に5%(業種による)の事業税もかかります。

個人事業主の場合には、その年の利益が残ると上記の表の所得税・住民税・事業税がかかります。

たまたま利益が大きく出た年は「高い税率」になることで「高い税金」になってしまいます。

老後資金を貯めるためには「高い税率」で「高い税金」を払った後で貯蓄せざるを得ないのが個人事業です。

個人事業主の所得税確定申告では節税しようとしても節税できるものが法人よりも限られてしまいます。

一方、法人の場合には税率は「ほぼ定率」になっています。

使わないお金に対して取られる税率が所得税に比べて低いので会社に残るお金が多くなるといえます。

財務省HPによると法人税の実効税率は29.74%となっています。

所得税の税率に比べると「リーズナブルな税率」に見えてしまいますね。

ただし、会社に貯まった利益を個人に移転する際には「お給料」などとして取る必要があるので、一度法人で課税された残りを所得税を払って個人に移すということになります。

社会保険で厚生年金・福利厚生アップ【個人事業主は最低レベルの年金のみ】

法人に加入するデメリットで上げられてきた社会保険加入です。

個人事業主の方が有利といわれてきた原因に社会保険料が高いというものがあります。

国民健康保険は所得が高くなれば高くなりますが、MAXが決まっています。

平成29年の札幌市の国民健康保険の上限は89万円(介護保険料含む)です。

計算式は割愛しますが、利益が出たり健康保険証に加入している人数が多ければあっという間に健康保険料は上がってきます。

札幌市の国民健康保険料の上限に達するのは「一般的に思っているよりも低い所得」です。

ところが年収が高くなっても上限は89万円なのです。

これと別に自分と奥様の国民年金を支払うことになります。

社会保険に加入すると健康保険料と厚生年金保険料上限はもっと高くなります。

(社会保険加入時の最高限度額)

①厚生年金保険料(折半後)56,730円/月→680,760円(1年あたり)

②健康保険料(折半後)82,496円/月→989,952円(1年あたり)

③(①+②)=1,670,712円(自己負担の年間費用)

※会社も同額を負担することから会社と社長の負担合計は3,341,424円/年のコストがかかります。

金額面だけをみると個人事業主の方が年金・健康保険の負担は小さくなります。

この社会保険料の負担で個人事業主から会社設立をして法人になることを躊躇する方がいらっしゃいます。

金額面では個人事業主有利に見えますが、老後の年金や病気などで仕事ができないときの福利厚生は社会保険に加入した方が安泰です。

 

 

 

 

 

 

 

特に法人設立でネックになるのは自分だけではなく従業員さん分の負担も増えることです。

従業員さんの人数・給与総額が大きければ大きいほど会社の負担額は大きくなります。

従業員さんの手取りを個人事業主の時と同じだけ維持しようとすると人件費は約1.2倍にしなければなりません。

将来の人生設計をするなら法人化がおすすめ【節税に強い税理士さんに相談しましょう】

個人事業主として続けていくのか会社設立をして法人化するのかを検討する場合には、しっかりと税理士さんに相談しましょう。

その際には手取額だけの話はダメです。

手取り以外にも事業計画や将来設計によって法人化か個人事業主継続かを決めましょう。

個人的には人生設計と税制を組み合わせることで法人化して節税対策をプランニングすることが重要と考えます。

目先の損得よりも事業の成長性とライフプランに応じた会社設立をしていくことが大切です。

千葉税理士事務所は会社設立もバッチリ対応

千葉税理士事務所では個人事業主の方が法人になるお手続きからトータルサポートさせていただいております。

個人事業を法人にする際に心配になることはしっかりとご相談ください。

税理士は「ある意味で鈍感」になっています。

私たちはたくさんのお客様の会社設立や税務申告に立会っております。

そのせいで良くも悪くも慣れてしまっていると思います。

自分たちとしてしっかりと説明させていただいているつもりでも、お客様は聞きそびれているかもしれません。

私たちは少しでもお客様の不安を取り除いて法人になっていただきたいのです。

会社設立は今すぐご相談ください!

 

 

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