札幌市白石区にある弥生会計に強い千葉税理士事務所です。開業して最初は資金繰りが楽なのにいきなりきつくなる理由を知っていますか?
開業4年目の資金繰りが苦しくなる理由とは
開業をして最初のころは売上も少なくて経営が大変だったという方もいらっしゃいます。
逆に、開業してから好調で資金繰りで苦労をしていないという方もいます。
しかし、どんなに好調の方でも開業してから3年目・4年目に大きな変化を感じるものです。
資金繰りが大変になるのは3年目からと思っている方もいるかもしれませんが、本当は4年目なのです。
もしこれを読んでいる方が開業から2年以内の場合には、ぜひ理解していただきたい話になります。
(目次)
1.開業1年目は資金繰りが楽になる理由とは
2.開業2年目で対策をしないと3年目の税金が跳ね上がる
3.開業4年目は消費税で資金繰りが苦しくなるので注意
4.まとめ
1.開業1年目は資金繰りが楽になる理由とは
個人事業を開業した場合には、お客さんがいない状況での開業という方もいらっしゃいます。
個人事業を法人化する場合には、法人の1年目でも売り上げなどがしっかり確保されているケースもあります。
事業がある程度好調であれば、開業して1年目が資金繰り的に楽なのです。
売れれば売れるほどお金が入ってきます。
最初から多額の設備投資などをしていなければ、支払自体は入金よりも小さくなります。
さらに、創業融資などで銀行や日本政策金融公庫からの借り入れをしていれば資金的な余裕があるので気持ちまで大きくなってしまいます。
これ以外に資金繰りが楽な理由は「税金を払わない」からです。
税金を払わないというと脱税の匂いがしてきますが、そうではありません。
税金は確定申告や法人決算をして初めて税額が確定して、納税が発生します。
開業1年目は確定申告や法人決算が年の途中に起きないのでお金は入ってくる一方なのです。
2.開業2年目で対策をしないと3年目の税金が跳ね上がる
開業2年目も資金繰りが楽な時期です。
皆さんがよくご存じな通りで、消費税の納税がないケースが非常に多いからです。
一般的に聞く2年間消費税免税といわれるやつです。
1年目・2年目は売上が倍々ゲームのように上がっていく方も多いので、資金繰りはどんどん楽になります。
売上が上がれば手残りの現金が増えるという状況になりやすいためです。
この2年目でしっかりと税金対策をしておかなければ3年目の消費税でとんでもない目にあいます。
消費税には本則課税という計算方法と簡易課税という計算方法の2種類があります。
業種によっては簡易課税という計算方法の方が消費税額が低くなるケースがあるのです。
簡易課税制度の計算方法は売上の種類を6種類にわけて、売上から消費税を計算する方法です。
ほとんどが人件費という業態の場合には、簡易課税制度を選択したほうが消費税が安くなるということが起こります。
例えば、建設業の中の鳶の方やソフトウエア制作会社、社会保険労務士・司法書士・弁護士・行政書士、設計士などの士業の方も人件費仕事になることが多いので簡易課税が有利になりやすい業種です。
この簡易課税制度という消費税の計算方法は黙っていて選択できるものではないのです。
一般的には消費税の納税義務者になる前の年までに税務署に「簡易課税選択届出書」という書類を提出しなければなりません。
これを忘れてしまうと、消費税を本則で計算して納税していくことになります。
もう一点、簡易課税制度を選択した場合、原則として2年間継続して簡易課税で申告納税をする必要があるので注意しましょう。
大きな設備投資などがある場合には、厳密に消費税を計算して納税する本則課税の方が簡易課税よりも有利になることもあるのです。
消費税に関しては難しい部分が多いので、開業して2年以内には税理士さんに相談した方がよいかもしれません。
3.開業4年目は消費税で資金繰りが苦しくなるので注意
いよいよ本題です。
開業してから4年目の資金繰りが一気に苦しくなる理由を見ていきましょう。
1年目の業績が好調で売上高が1,000万円を超えた場合、3年目の売上から消費税がかかってきます。
では「3年目から資金繰りが大変になるのでは?」と思われた方も多いと思います。
消費税の納税は3期目の決算が終わってから2か月以内に行うことになります。
お金自体がでていくのは4期目の頭になります。
これだけを聞いたら、4期目の頭に消費税を払うだけと感じるかもしれません。
おまけがついてきます。
最近は消費税率が8%や10%になることで、納税が発生すると簡単に100万円オーバーの消費税になる方も珍しくありません。
年間の消費税額がある一定金額を超えると「予定納税」というものが発生します。
これがかなりキツイ支払になってきます。
3月決算を例に見ていくと次のようになります。
・3月決算→5月に前期1年分の消費税を一括払い
・予定納税→11月に5月に払った消費税の半額を一括払い
単純に半年で去年の消費税などの1.5倍の税金を一括で支払うということになります。
業績が好調の場合、これに所得税や法人税の予定納税というものもついてきます。
一般的に一番大きな納税額になる消費税のパンチ力はかなり強いものがあります。
4.まとめ
会社を始めると最初のころは納税が後回しになっている分、資金繰りは楽になります。
しかし、消費税の納税が実際に始まる4年目の頭から資金繰りが一気に変わってくるので注意しましょう。
納税資金が不安で銀行や公庫に融資を打診しても手遅れということにならないように、事前に税理士さんに相談しておきましょう。
千葉税理士事務所は本気で経営をしている経営者と事業承継を考えている会社におすすめの税理士事務所です。