個人事業の予定納税制度について

所得税には前払制度があることをご存じですか?

予定納税の通知は6月15日までに書面で通知されます。

3月15日に確定申告が終わってから数ヶ月が経過しました。

まだまだ来年の確定申告に向けての対策とは思えない時期ですね。

しかし、忘れた頃にやってくるのが予定納税という前払制度です。

ビジネスイメージ―タイムマネージメント

予定納税制度は遅れると延滞税がかかります

予定納税にも期限があります。

決まった期限までに納税しなければ延滞税がかかりますので注意しましょう。

 

予定納税を納めなければいけないのは「予定納税基準額が15万円以上の人

予定納税基準額は次の金額です。

① その人の前年の申告税額=予定納税基準額となるパターン

次のイとロの両方を満たす人は、前年の申告税額が予定納税基準額になります。

イ 前年分の所得金額のうちに、次の所得がないこと。

A:山林所得・退職所得などの分離課税の所得(分離課税の上場株式等の配当所得を除く)

B:譲渡所得・一時所得・雑所得、平均課税を受けた臨時所得

ロ 前年分の所得税について、災害減免法の規定の適用を受けていないこと。

どんな人が①に該当する人かというと

・ 前年の所得が事業所得や不動産所得だけだった人

・ 事業収入や不動産収入以外の副業収入がない人

などです。

簡単にいうと本業しか収入がない人です。

これに該当しない人は、②の人になります。

 

② 予定納税基準額がややこしい計算をしないと出ない人

前年分の(※課税所得金額の所得税額+分離課税の上場株式等の課税配当所得の金額に係る所得税額)-前年分の源泉徴収された所得税額

※ 山林所得・退職所得等の分離課税の所得・譲渡所得・一時所得・雑所得・平均課税を受けた臨時所得を除いて計算します。これを除外所得といいます。

①に該当しない人は、課税所得金額の所得税額と分離課税の上場株式等の課税配当所得に対する所得税額(上記①に該当するものがあった場合には、なかったものとして計算した所得税額など一定の計算をします)から源泉徴収税額を控除し復興特別所得税を足した金額になります。

どんな人が②に該当する人かというと、

・ 前年に退職して退職金をもらった人

・ 前年に土地・建物を売却した人

・ 前年にアフィリエイト・原稿収入・FXなどの副業の収入があった人

・ 前年に災害により被災して災害減免法の適用を受けた人

などです。

 

予定納税基準額は、簡単にいうと本業から出た税額

細かい規定をみるとややこしいのですが、簡単にいうと事業所得や不動産所得などの本業からでた税額を表しています。

(前年の所得を除外所得がなかったものとして計算した所得税額を予定納税基準額といいます。)

この予定納税基準額が15万円以上になると予定納税をしなければいけなくなります。

 

予定納税の期限は?

予定納税は2回に分けて税金を前払します。

予定納税は次の通りです。

第1期 7/1~7/31

第2期 11/1~11/30

説明するビジネスマン

予定納税は要件を満たす&手続きをすれば減らせる!

前年の本業が急激に悪化した場合や年の中途で廃業した場合には、予定納税を減額する手続きがあります。

予定納税の減額手続き(1期目)

1.その年の6月30日の状況で所得税及び復興特別所得税の見積額が予定納税基準額よりも少なくなる予定の人

2.その年7月15日までに所轄の税務署長に予定納税額の減額承認申請書を提出すること

3.税務署長から承認されること

予定納税の減額手続き(2期目)

1.その年の10月31日の状況で所得税及び復興特別所得税の見積額が予定納税基準額よりも少なくなる予定の人

2.その年11月15日までに所轄の税務署長に予定納税額の減額承認申請書を提出すること

3.税務署長から承認されること

まとめ

・予定納税制度という前払制度があるので納税を忘れないようにしましょう

・法人成りなどをして個人事業を廃業している場合は、予定納税の減額承認申請書を提出しましょう

・業況が前期よりも悪くなった場合にも、予定納税の減額承認申請書の提出を検討しましょう

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