札幌市白石区にある経営に力をいれている千葉税理士事務所です。
コロナ禍といわれて2年が経とうとしています。
9月いっぱいで緊急事態宣言などが解除され、徐々に緩和されるものが増えてきそうです。
今まででも非常に厳しかった飲食業界ですが、経営的なサバイバルが本格化してくるのはここからです。
(目次)
1.過去の売上は取り戻せない事実
2.人手が戻るのは給付金が無くなった後になる可能性大
3.低価格化をすすめる飲食店が増える
4.サバイバルで生き残るために
1.過去の売上は取り戻せない事実
コロナ禍に下がった売上は取り戻せないものです。
売上が戻るというのは、あくまでも将来の消費が回復しつつあるだけです。
人の胃袋の数が増えるわけでもなく、食事の回数が増えるわけでもありません。
外食に人手が戻るということであって、過去に売れなかった分が売れるわけではないのです。
当たり前のことですが、これは非常に重要なポイントになると思います。
酒屋さんや食品卸にとっては、回復がしていっても過去の分まで売れるということはないということになります。
また、今回のコロナ禍でテレワークでも十分仕事ができてしまうということに気が付いた方もいるように、今まで当たり前と思っていたことが不必要だったと考えるようになった方もいます。
外食はしなくても不自由はないという感覚が定着してしまった層も出てきていることを考えると、以前よりも市場自体が縮小していると考えることも大切かもしれません。
2.人手が戻るのは給付金が無くなった後になる可能性大
飲食業界を中心に給付金で事業継続が維持されてきたところも大きいと思います。
給付金では足りないという話も出たりもしましたが、給付金がなくあらゆる店が通常営業をしていたとしたら今よりも厳しいお店も多かったかもしれません。
閉めているお店が多い中、空いているお店もあったためそこに売上が集中していた可能性があるためです。
今後は空いているお店が多いという状況になるので、自然と競争が激しくなるということになります。
制限が緩和されてくるということは、給付金関係も将来的に少なくなっていくと考えられます。
お客様が外食の頻度を上げていくという環境変化よりも先に、給付金が少なくなっていくというのが自然な流れになるのではないかと思います。
給付金収入は粗利益率100%の売上と考えられます。つまり、減少する給付金をお客様の売上に置き換えたらいくらの売上とイコールなのかをしっかりと把握しておくことが重要です。
3.低価格化をすすめる飲食店が増える
給付金収入が減少していくということになれば、目先の売上を求める会社が増えてきます。
そうすると、低価格化を進めるお店も出てくる可能性があります。
そんなお店が増えれば増えるほど、お客様は同じようなお店を選び放題です。
より選んでいただくために、広告を打ち、クーポンを配り、お得感をアピールしていくかもしれません。
薄利多売をするということは、店内人員の増強も必要になります。
つまり、必要売り上げはどんどん上がっていきます。
これが今後起きてくる可能性のある飲食業サバイバルになるかもしれません。
このような環境下でどのように経営をしていきますか?
4.サバイバルで生き残るために
サバイバルで生き残るためには「いくらの利益が必要なのか」を明確に把握しておくことがスタートです。
それがわからないで来客数だけを求めると、売上が増えても利益がないという恐ろしいことが起こります。
しっかりと、必要利益を確認したうえで「どのように利益を確保するのか」を決める必要があります。
そして、どうやってお客様に選んでいただくかを考えることです。
デリバリーなどを始めたお店もある中で来店型が徐々にもどる過程にはデリバリーと店内接客が併存することになります。
この業務の両立をどのようにやっていくかということもお客様の満足度を上げる上で重要なポイントになってきます。
飲食店サバイバルに向かっていくために、自社がどのような戦略・戦術をもって対応していくのかを考えなければ回りの雰囲気にのまれてしまいます。
同じ飲食店でも手持ちキャッシュ事情は異なるのです。
自社の状況に応じた戦略・戦術で戦わなければならないということを忘れないようにしましょう。