札幌市白石区の建設業に強い千葉税理士事務所です。
経営改善計画というものをご存じでしょうか?
金融機関に融資を打診する際に、経営改善をしてくれるならという前提で融資を進める際に提出が求められることが良くあります。
銀行融資のための経営改善計画を作ったのでは、結局将来的に融資の返済に詰まってしまうリスクが高くなることをご存じでしょうか?
今回は「本当の経営改善計画」をお話しします。
(目次)
1.経営改善計画が必要になる場面
2.銀行提出用の経営改善計画の問題点
3.本当の経営改善計画の作り方
1.経営改善計画が必要になる場面
経営改善計画の作成が必要になる場面は、銀行から提出を求められたときというのが一般的です。
経営的に問題がなく、黒字決算、売上も利益も伸びているという会社であれば経営改善計画を求められることはないでしょう。
どちらかというと、経営的には赤字や借入返済額に見合わない利益しか出ていない会社に対して、経営改善計画の提出が求められます。
この経営改善計画の提出があることを前提に、追加の融資や借換の話を進めるということになります。
金融機関は将来の利益で返済ができるという前提で融資を行います。
以前の銀行融資や公庫の融資を受けた時には、以前の利益予想では返済可能という判断で融資実行をしているはずです。
ところが、その後の経営環境が悪化したことで、返済が厳しくなったり、事業復活のためのニューマネーが必要になるという状況になっているのが「今」ということになります。
そうなると、過去の計画のまま追加融資をすることは、返済根拠のない融資になってしまうので追加資料として「経営改善計画」の提出をしてもらったうえでということになるわけです。
当然ですが、新たな借入を含めて返済が滞らない計画でなければ融資は難しいということになります。
2.銀行提出用の経営改善計画の問題点
では、追加融資さえ受けられれば良い計画を作ればよいのではないかということになると思います。
場合によっては、金融機関担当者から「こういう経営改善計画を作ってください」という話があることもあると思います。
それは、金融機関側がなんとか融資を出してあげたいと考えての提案ですので、提出する経営改善計画の方向性が見えてきます。
ありがたい話ですが、この経営改善計画には経営上の問題点が残っていることを理解しておきましょう。
資金調達を急ぐという局面打開には、その方向の経営改善計画を作成せざるを得ないこともあります。
ただ、本当の経営改善計画にならない可能性もあります。
問題点を見ていきましょう。
①とりあえず、ハッピーな計画になる
②不自然さ解消のための、売上アップ、経費アップ、利益アップでOKになる
③融資実行があった後に見返すことがない
銀行融資用は時間勝負という面もあるので、とりあえずの数字作成になります。
金融機関は返済可能性が高く、若干の成長もしている方が良い会社ということになります。
そのため、全体的にはハッピーな経営改善計画になります。
実際の経営改善では売上が下がっていて、利益が出るという構造はあり得るのですが、金融機関提出の経営改善計画では不自然とみられることが多いと感じます。
全体的に売上・経費・利益はアップになります。
ただし、役員報酬は不自然に低すぎない程度に抑えて減額ということもあります。
融資を受けること自体が最終目標なので、迅速に作成し、資金をつなぐ動きになるので、融資実行後に計画を見直すことはありません。
決算が終わったら実績報告として、金融機関に決算書を提出していくだけです。
計画の実行をする方法がないまま、数字だけが独り歩きしてしまった融資用の経営改善計画ができてしまうのです。
こんな計画を作って、最終的に融資返済に困りたい経営者はいないはずです。
だから、金融機関用の経営改善計画とは別で「本当の経営改善計画」を作る必要があるのです。
皆さんの税理士さんに本当の経営改善計画の相談をしてみることが重要です。
次には、私たちの経営改善計画の考え方をお話しします。
3.千葉式「本当の経営改善計画」の作り方
私たちが考える「本当の経営改善計画」は銀行融資を受けた後に、しっかりと返済ができ、かつ、成長できるものと考えています。
①経営者が本気でよくなりたいと思わない限り手伝いません
②短期的改善と長期ビジョンを考える
③毎月又は数か月ごとに実績とチェック・改善を前提とする
①経営者が本気でよくなりたいと思わない限り手伝いません
経営改善計画を数字だけ作るのであれば、割と簡単に作ることができます。
融資手数料をメイン業務とされている融資コンサルの方のなかには、銀行が融資をしやすい計画をつくって報酬をいただくという業務の方もいらっしゃいます。
私たちは銀行融資を受けても会社がダメになるなら意味がないと考えています。
だから、社長が本気でよくなりたいと思わない場合には手伝いません。
いくら良い計画を立てたところで、実行されなければ作る時間とお金だけ無駄になります。
厳しいことを言っているのはわかりますが、社長が本気で変わりたいと思わない限り何も変わらないということを何度も見てきた結果です。
②短期的改善と長期ビジョンを考える
経営者が本気で何とかしたいと思った時は、ものすごい力を発揮します。
その力を出していただくポイントを短期と長期で考えます。
短期は1年以内に改善できることに重点を置きます。
短期的キャッシュと損益が改善できるポイントを考えて計画を立てます。
長期ビジョンは社長がワクワクする未来につながることを考えます。
これは私たちが勝手に作るのではなく、社長と面談しながら作っていきます。
人が作ったものだけを実行するなら社長ではないからです。
自分の会社の大切な未来のことなので、社長が苦労して、悩んで、作成していただくことで効果が出ます。
③毎月又は数か月ごとに実績とチェック・改善を前提とする
計画は実行することが重要です。
それがうまくいっても、うまくいかなくてもです。
うまくいかない場合は、すぐに改善し、さらにトライします。
そして、定期的にチェックを一緒にしていくことで作りっぱなしを防ぎます。
作りっぱなしは、改善が全くされないことになります。
一人ではやりきれないものでも、伴走者がいることで頑張れます。
スポーツクラブに一人ではいかなくなるけども、パーソナルトレーニングなら続くのと一緒です。
コロナ融資の返済が本格化していく中で、会社の財務を改善したいという方・会社の売上を伸ばしていきたいという方は今すぐご相談ください。
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