売上は上がったのに、なぜ利益は残らないのか?- "成長企業のワナ"を回避する「高収益オペレーション」の秘密

🗓️ 2025年9月5日 👨‍💼 千葉将志税理士事務所代表 千葉将志

売上は上がったのに、なぜ利益は残らないのか?- "成長企業のワナ"を回避する「高収益オペレーション」の秘密

難易度
★★★★☆
読了目安
約10分

この記事から得られる3つの効果

  • なぜ売上が増えても利益が増えないのか、「成長企業のワナ」の正体がわかります。
  • 忙しさから解放され、利益を着実に積み上げる「高収益オペレーション」の作り方が学べます。
  • 社長であるあなたが現場の火消し役から脱却し、未来を創る本来の仕事に集中できます。

おめでとうございます。あなたの会社のマーケティング戦略は、見事に花開きました(前回の記事参照)。価値を理解したお客様からの問い合わせが増え、売上は右肩上がりに伸びていることでしょう。

しかし、社長であるあなたの心は、本当に晴れやかでしょうか?

月末に帳簿を締め、銀行口座の残高を見たとき、「あれだけ働いたのに、思ったよりお金が増えていない…」と感じていませんか?現場は増えた仕事に追われ、社員は疲弊し、以前よりむしろ社内の雰囲気はギスギスしている…。

もし、そうであれば、あなたの会社は**「成長企業のワナ」**に陥っている危険なサインです。

この記事では、多くの成長企業が苦しむ「売上は上がるが利益は残らない」という深刻な病の正体を解き明かし、あなたの会社を**「忙しいだけで儲からない会社」から「スマートに利益を出す高収益企業」**へと変貌させるための、具体的な処方箋をお渡しします。

この記事の目次

1. ECサイトE社長の嬉しい悲鳴「注文は殺到、でも利益は…」

※この物語は、これまで多くの経営者様からいただいたご相談内容を基に、特定の個人が識別できないよう再構成したフィクションです。

札幌で北海道の特産品を扱うECサイトを運営するE社長。彼の打ったWeb広告が大当たりし、注文は文字通り殺到しました。売上は前月比で200%を達成。しかし、その裏側で現場は崩壊寸前でした。

注文を手作業で処理するためミスが多発し、誤発送による返品コストが増大。問い合わせ対応に追われ、残業時間はうなぎのぼり。在庫管理も追いつかず、欠品による機会損失も発生。結果、売上は倍になったのに、利益はわずか10%しか増えなかったのです。

「こんなことなら、売れない方がマシだったかもしれない…」E社長は、増えた売上伝票の山を前に、途方に暮れていました。

E社長は、売上を増やす「アクセル」の踏み方は知っていましたが、増えたスピードを安全に利益へと繋げる**「ハンドル」や「ブレーキ」の整備**を怠っていたのです。これが「成長企業のワナ」の正体です。

2. あなたの利益を盗む犯人、その名は「業務の非効率性」

あなたの会社でも、見えないところで利益が漏れ出ていませんか?その犯人は、成長によって複雑化した業務に潜む**「非効率性」**です。

売上が増えれば、それに付随するあらゆる業務(受注、製造、発送、請求、問い合わせ対応など)が比例して増えます。そこに明確な「仕組み」がなければ、すべてを「人の頑張り」で解決しようとします。しかし、人の頑張りには限界があり、必ず綻びが出ます。

利益が漏れ出す3つの穴

  • 穴① 属人化:「あのベテラン社員しかできない仕事」が多く、業務が頻繁に止まる。
  • 穴② 無駄な作業:何度も同じ情報を入力したり、不要な確認作業に時間を取られている。
  • 穴③ ミスの多発:明確なルールがないため、個人の勘違いや確認漏れによるミスが頻発し、手直しにコストがかかる。

これらの穴を放置したまま売上という水を注ぎ続けても、利益という水は樽に貯まることなく、ただただ漏れ出ていくだけなのです。

3. 「高収益オペレーション」を構築する3つのステップ

では、どうすれば利益の穴を塞ぎ、売上を確実に利益に変える「高収益オペレーション」を構築できるのか。難しく考える必要はありません。ステップは3つです。

ステップ①:「見える化」- 業務のレントゲン写真を撮る

まず、あなたの会社の仕事の流れを、最初から最後まで書き出してみてください。受注、製造、納品、請求…誰が、何を、どういう順番でやっているか。そして、各担当者に「あなたの仕事で、一番面倒で、時間がかかっていることは何ですか?」と聞いて回るのです。それだけで、これまで見えなかった業務のボトルネック(詰まっている箇所)が驚くほど明確になります。

ステップ②:「標準化」- 誰がやっても同じ結果を出す

ボトルネックが見えたら、その仕事を「誰がやっても同じ品質でできる」ようにルール化します。大げさなマニュアルは不要です。一枚の「チェックリスト」で十分。例えば、E社長の会社なら「受注処理5つのチェックリスト」を作る。これだけでミスは激減し、新人でも即戦力になります。「属人化」という最大の敵を倒す、最も強力な武器です。

ステップ③:「自動化」- 人がやるべきでない仕事をやめる

標準化された仕事の中に、「これはただの繰り返し作業だな」というものが見つかるはずです。それをITの力で自動化します。高価なシステムは必要ありません。Excelのマクロ、会計ソフトの連携機能、簡単なクラウドツール。月数千円の投資で、社員数時間分の作業をなくすことも可能です。こうして生まれた時間で、社員はもっと付加価値の高い、創造的な仕事に取り組むべきなのです。

【結論】社長の究極の仕事は「儲かる仕組み」を作ること

社長であるあなたが、いつまでも現場の最前線で火消し役をやっていてはいけません。あなたの会社が次のステージへ進むためには、あなた自身が進化する必要があります。

それは、プレイヤーから**「ゲームのルールを作る設計者」**へ、そして、個人の頑張りに頼る組織から**「仕組みが利益を生む組織」**へと、会社をデザインし直すことです。

「見える化」「標準化」「自動化」の3ステップは、そのための設計図です。この設計図を完成させたとき、あなたの会社は売上が増えれば増えるほど、指数関数的に利益が伸びる「高収益企業」へと生まれ変わります。そしてあなた自身も、日々の忙しさから解放され、経営者として本当にやるべき「未来を創る仕事」に集中できるのです。

あなたの会社の「利益の穴」、一緒に塞ぎませんか?

あなたの会社に潜む「見えない非効率」を専門家の視点で特定し、
高収益企業へと変貌させるための第一歩をご提案します。

011-858-7007

(受付時間:平日 9:00〜18:00)
「少し話を聞いてみたい」という簡単なご相談でも、心より歓迎いたします。


お電話の際に「ブログを読んだ」とお伝えください

毎月先着5社様限定で、60分間の無料オンライン経営相談(通常10万円相当)を優先的にご案内します。

「まだ電話は早い」「今の税理士との付き合いもある」という方はこちら

現在の顧問税理士はそのままで、経営改善のヒントだけを気軽に入手したい、という賢明な経営者様のために、特別なコンテンツをご用意しました。

税理士を変更せずに経営改善に取り組む

投稿者プロフィール

千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。