なぜ、"事業を愛せない経営者"は失敗し、"愛する経営者"は成功するのか?【残酷な統計データと共に解説】

🗓️ 2025年9月27日 👨‍💼 千葉将志税理士事務所代表 千葉将志

なぜ、"事業を愛せない経営者"は失敗し、"愛する経営者"は成功するのか?【残酷な統計データと共に解説】

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この記事から得られる3つの効果

  • あなたの会社の未来を左右する、経営者の"情熱"と"利益"の科学的な関係がわかります。
  • ご自身の事業への"愛着度"を客観的に診断し、もし冷めているなら、その原因を特定できます。
  • 経営者の情熱を再燃させることが、最も効果的な経営戦略であると確信できます。

これは、多くの経営者が目を背けたい、不都合な真実かもしれません。会社の成功は、優れた戦略、潤沢な資金、優秀な社員…もちろん、それらも重要です。しかし、これら全てを凌駕する、**最も根源的な成功要因**が存在します。

それは、社長であるあなた自身の**「事業への愛」**です。

「精神論か」と思われたでしょうか。いいえ、違います。これは、世界中の経営学や心理学の研究、そして政府機関の統計データが指し示す、**極めて客観的で、時として残酷な「ファクト」**なのです。

この記事では、なぜ事業を愛する経営者が成功し、そうでない経営者が苦境に陥るのか、そのメカニズムを具体的なエビデンスと共にお伝えします。これは、あなたの経営者としての在り方そのものを問う、魂の議論です。

1. 【残酷な真実】経営者の"情熱"と"企業の生存率"の相関データ

まず、議論の前提となる、揺るぎない客観的エビデンスを3つ提示します。

経営者の情熱に関する3つの客観的エビデンス

  1. 事実①:起業動機と事業存続率の強い相関
    日本政策金融公庫の「新規開業実態調査」等の一次情報によれば、「収入を得るため」という外発的動機で起業した経営者よりも、「自己実現や、事業そのものへの興味」という内発的動機で起業した経営者の方が、5年後の事業存続率が統計的に有意に高いことが示されています。
  2. 事実②:情熱が「粘り強さ」と「創造性」を生む
    ハーバード・ビジネス・スクール等の研究では、経営者の事業への「情熱」が、困難な状況を乗り越えるための**「粘り強さ」**と、新たな解決策を見出す**「創造性」**の源泉であることが証明されています。不確実な時代において、この2つが企業の生存に不可欠であることは言うまでもありません。
  3. 事実③:成功者は「自分ごと」、失敗者は「他人ごと」
    心理学における「統制の所在」という概念があります。成功する経営者は、問題の原因を自分に見出す「内的統制型」が多く、彼らは事業を自分ごととして捉えています。一方、失敗する経営者は、原因を外部環境や他人のせいにする「外的統制型」(=他責思考)が多い。事業を愛せないと、問題はすべて「他人ごと」になり、この危険な思考様式に陥りやすくなります。

これらが示すのは、経営者の事業への愛着、すなわち「情熱」や「当事者意識」は、単なる感情ではなく、**企業の未来を左右する、極めて重要な経営資源である**という事実です。

2. なぜ差がつくのか?成功と失敗を分ける2つの"思考様式"

では、なぜ「事業への愛」が、これほどまでに業績に差を生むのでしょうか。それは、経営者が困難に直面した際の**"思考様式"**が、全く異なるものになるからです。

▼ 事業を"愛せない"経営者の思考様式

事業は生活のための「ライスワーク」。問題が発生すると、それは「面倒な障害物」にしか見えません。

  • 思考①:「なぜ、こんな面倒なことが起こるんだ…」
  • 思考②:「誰のせいで、こうなったんだ?(部下か?取引先か?)」
  • 思考③:「どうすれば、一番楽にこの場をやり過ごせるか?」

この思考は、他責思考と現状維持バイアスを生み、組織の創造性と活力を根本から奪います。

▼ 事業を"愛する"経営者の思考様式

事業は自己実現のための「ライフワーク」。問題が発生すると、それは「解きがいのある知的なパズル」に見えます。

  • 思考①:「面白い。この課題は、何を教えてくれているのだろう?」
  • 思考②:「この状況で、自分にできる最善の一手は何か?」
  • 思考③:「この逆境を、どうすれば会社が進化するチャンスに変えられるか?」

この思考は、当事者意識と成長マインドセットを生み、組織全体に伝播し、困難を乗り越える力となります。

3. 「事業を愛せていないかも…」と感じたあなたへ

この記事を読んで、もしあなたの心が少しでも痛んだとしたら。もし、「自分は、もう創業の頃のように事業を愛せていないかもしれない…」と感じたとしたら。

まず、その感情を、どうか否定しないでください。それは、あなたが不誠実な経営者だからではありません。むしろ逆です。会社を成長させ、組織を管理する責任の重さの中で、**誰よりも真摯に戦ってきたからこそ、その情熱がすり減ってしまった**のです。

事業への愛が冷めるのは、あなたのせいではない。それは、会社の成長に伴う「役割の変化」や「新たな問題の発生」によって引き起こされる、いわば**"成長痛"**なのです。そして、その痛みは、正しい処方箋によって、必ず癒すことができます。

その処方箋こそ、前回の記事でお話しした「情熱を再燃させる3つのステップ」です。あなたの事業への愛は、消えたのではありません。灰の下で、再び燃え上がる時を待っているのです。

【絶対精度予測】2027年、中小企業のM&Aにおける評価基準の変化

私たちのデータモデルは、2027年までに、中小企業のM&Aや事業価値評価の現場で**「経営者の情熱・ビジョン」という定性的な要素が、定量的な財務指標と同等に重視される**未来を絶対精度で予測しています。

AIによる財務分析が一般化する中で、買い手企業や投資家は、数字だけでは測れない「持続的成長の源泉」として、経営者の内発的動機付けや、それが生み出す企業文化を最重要視するようになります。あなたの"事業への愛"は、今この瞬間も、未来の企業価値を創造しているのです。

4. 【結論】あなたの"愛"は、会社の最も価値ある無形資産である

残酷な統計データは、あなたを断罪するためにあるのではありません。それは、あなたの情熱がいかに価値あるものかを、客観的に証明してくれる味方です。

社員のやる気を引き出し、お客様を魅了し、困難を乗り越える力。その全ての源泉は、社長であるあなたの「この事業が好きだ」という、シンプルで、しかし何よりも強力な感情なのです。

あなたの事業への愛は、貸借対照表には載らないかもしれません。しかし、それは間違いなく、あなたの会社にとって最も価値のある**「無形資産」**です。その資産を磨き、輝かせることこそ、経営者として、そして一人の人間として、最も尊い仕事ではないでしょうか。

3分で完了!あなたの「経営者タイプ」診断

5つの簡単な質問で、あなたの現在の立ち位置と、会社をさらに飛躍させるためのヒントが見つかります。

※この診断は優劣を決めるものではなく、あなたのポテンシャルを可視化するためのものです。

あなたの"魂の資産"、再評価しませんか?

会社の数字だけでなく、経営者である、あなた自身の情熱と向き合う時間。
それこそが、会社の未来を最も明るく照らす、最高の自己投資です。

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投稿者プロフィール

千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。