経営的ポイントからの確定申告とは

札幌市白石区の経営に力をいれている千葉税理士事務所です。

事業復活支援金の情報も少しずつ出てきていますが、実際の申請というのはまだ先になりそうですね。

さて、確定申告シーズンのこの時期に経営についてしっかり考えていますか?

確定申告シーズンは経理関係に忙しくて、経営について考える時間がないという方も多いのです。

ということは、この時期に経営について動き始めると他社よりも一歩先に行くことができるかもしれないのです。

(目次)

1.確定申告時に見るべき3つの経営のポイント

2.令和4年を進むための確定申告とは

3.法人化をすべきか悩んだ時は経営目線で

 

1.確定申告時に見るべき3つの経営ポイント

確定申告時には税金を安くするために、あらゆる領収書を経費に入れてしまう方もいるかもしれません。

これは税金の面からみても経営の面からみてもだめです。

今回お話をするのは、そんなことではなく確定申告時に自分の経営がよくなっているのか悪くなっているのかを見るポイントをお話しします。

売上が上がったから経営的によいと思っていたり、利益が増えたから経営的に良いというのは間違いの可能性があるのです。

では、実際にどこを見てほしいかをお話しします。

①どの売上が伸びて、全体の売上はどう変化したのか

売上は前年比較だけでみると「増えた」「減った」だけでみることになります。

売上は増えたけども低価格でこなした結果増えたのだとしたら、おそらく貧乏暇なしになっているはずです。

一時的にお金は増えても人を雇用できる環境は作れていないと思います。

自分の犠牲の上にできた売上なので伸びしろが少ないかもしれません。

どこの部分がどうして変化したのかを考えることで、伸ばすべき売上なのか減らすべき売上なのかを考えましょう。

②入金サイトを意識したか

仕事は終わってから入金までに期間があります。これを入金サイトといいます。

売上を上げることに一生懸命になって取引先を開拓している場合、支払い条件が甘くなっているケースがあります。

売上も利益も伸びたけども入金が遅いという取引先を増やしてしまっている状況です。

この場合には黒字倒産や節税をするお金が手元にないため、成長に投資するお金がないというパターンに陥ります。

③社員の給与は増えたか

個人事業主や少人数の法人の場合、事業計画を考えるときに給与の昇給というものを考えていないケースがあります。

実際に、確定申告の際に、前年よりも給料を増やしてあげられたかどうかも確認しましょう。

これには理由があります。

今は人手不足や求人難という時代です。

今の損益も重要なのですが、人繰りに対する意識が低い会社は将来の収益が悪化していく可能性が高くなります。

将来をどう描くかで、必要なる人材が変わってきます。

確定申告を通じてどういう成長をしてきているのかをチェックしましょう。

2.令和4年を進むための確定申告とは

令和4年を進んでいくためには令和3年の確定申告を戦略的に行う必要があります。

事業を守り、成長させるためには資金調達を意識した経営をしていく必要があります。

コロナ融資を受けている会社の中には返済が既に始まっている会社とあと1年程度の猶予がある会社があります。

手持ちキャッシュは返済が始まると急速に減少していきます。

現時点で利益を出せていない会社であれば、今よりもキャッシュの減りが早くなるということになります。

すぐに銀行融資が難しくとも、融資が受けやすい体制にしておく必要があります。

金融機関が自社をどのように見てくるのかということを理解して、赤字ではなく黒字でしっかりと申告をすることが重要です。

無理に黒字にするのではなく、経費に入れるべきではないものをはじいてしっかりと経理をして黒字の申告をすることが大切です。

税金を圧縮するために何でもかんでも経費に入れて利益を圧縮していると、いざというときに銀行融資が厳しくなるということも理解しておきましょう。

3.法人化をすべきか悩んだ時は経営目線で

私たちも「個人事業から法人にしたほうが得ですか?」という相談をよく受けます。

昔であれば税金の面や社会保険の面からみて手残りキャッシュが大きいほうをお勧めしていました。

今は「経営的にみてどうか」という面でお話をするようにしています。

今時点の手残りが多少良くとも、将来的に成長ができないのであればデメリットと考えるためです。

自分が食べていければよいという考えの場合は、手残りキャッシュの多いほうが有利と言えます。

逆に、人を雇用して会社として成長していきたいという場合にはじっくりと社長の考えをお聞きしながらお話を詰めていきます。

簡単に「こっちのほうがいいですよ」とは言えないのです。

なぜなら、いくら有利なほうでも社長が何もしなければそのメリットを享受できないのです。

経営的に有利というのは、やりきるという決意があって初めて成立するものです。

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