決算時に会計事務所から業績について報告受けていますか?

札幌市白石区の経営に力をいれている千葉税理士事務所です。

今回は会計事務所と決算の時に「こんなこと話していますか?」という話をします。

若かりし勤務時代を思い返すと、「こんなことしか話せていなかった」と反省してしまいます。

もしも、皆さんの会社の決算時に会計事務所から報告を受ける機会があれば気を付けて話を聞いてみてください。

(目次)

1.昔の自分に見る会計事務所からの残念な報告

2.なぜ今までの会計事務所の報告が残念なのか

3.会計事務所から受けるべき「決算報告」とは

 

1.昔の自分に見る会計事務所からの残念な報告

いや~懐かしいです。

若かりし頃のお客様への決算報告のドキドキ感。

お客様訪問をする前の日は、何をどう話したらよいか考えて眠れなかったことを思い出します。

きちんと「領収書チェックができるか」・「請求書の見方は大丈夫か」・「税金のチェックはできるか」と考えていました。

そして、その会社が赤字だったら「何をどう話したらよいのか」を悩みました。

黒字の会社だったら「どうやって節税できるものを話したらよいか」を悩みました。

資金繰りのことは「わからないから触れられない」という始末です。

他の担当者はもっとしっかりしていたので、こういった悩みはなかったと思うのですが自分は不器用だったので苦労しました。

その時の決算報告は次のようなものでした。

①今期の法人税(所得税)・消費税などの税額

②今期の売上高・経費・利益・現預金と借入金の残高

③減価償却費+利益-借入金の返済=キャッシュの増加分(大体)

その時は「経営者は税金を気にする」という意識でいました。

しかも、できれば税金は低いほうが良いと思っていると考えていました。

納税額を低く抑えた決算で終わるように、できる限りのことをして税額を報告する。

そうすると、お客様も税金が少なかったと喜ぶと思っていました。

税金を低くしようとするので、当然、経費が多くなって利益が減るという構図になります。

現預金の残高はある程度なければ支払いに困ってしまうので、時間とともに借入が大きくなるという貸借対照表になっていきます。

常に銀行などの金融機関からの新規借り入れや借換をして、資金調達をしながら会社を維持するという流れになります。

今でいうゾンビ企業といわれるものです。

これをその当時の自分は「お客様の要求通りの決算」と思っていました。

だから、決算報告も税額はなるべく抑えて、現預金の残高・借入の残高と増加キャッシュを報告して終わりで満足だったのです。

しかし、業況が少し悪くなると簡単に赤字になります。

するとお客様は「銀行から借り入れできなかったらどうするんだ?!」と慌ててしまうのです。

どうでしょう?

皆様の知り合いの会社で会計事務所からこんな決算報告のやり取りをしているところはありませんか?

当時の自分ほど残念な決算報告はないかもしれませんが、これと同じような決算報告が一般的な会計事務所でも行われている可能性があります。

これは会計事務所の規模が大きなところであってもあり得る決算報告です。

2.なぜ今までの会計事務所の報告が残念なのか

では、さきほどの決算報告がなぜ今の「会計事務所でも起こってしまうのか」と「どこが残念な決算報告」なのかも見ていきましょう。

ここまで残念な決算報告はなかなかないかもしれませんが、会計事務所の決算報告が似たようなものになってしまう理由をお話しします。

①ふつうの税理士事務所は経営的な視点が薄い(経営に関する試験科目がない)

②先輩が後輩を指導するのは領収書のチェック・申告書の作成がメイン

③税務顧問契約なので経営的な話をする必要がない

だから、決算書の概略納税額を伝えることがメインになってしまいます。

その数字の持つ意味を経営的な観点で読み解くことは教わらないのが普通です。

先輩も経営的なことを教わっていないので、後輩も経営的なことはわからないままになっていきます。

税理士試験自体は簿記会計の科目と税法の科目はあります。

簿記会計は帳簿のつけ方を深くやるだけなので、数字の持つ意味なんて教わらないのです。

経理の仕方として正しければ試験的にはOKなのです。

たくさんの会社をクライアントに持っている税理士事務所が経営的なことを話せるというのは、たくさんのお客様の数字を見ているからです。

ただし、その会計事務所でたくさんのクライアントがいたとしても担当者ベースの顧客数は20件~40件程度ですので、事務所として経営的な見方を意識していない限りは狭い情報になりがちです。

どこが残念なのかというと「会社が経営的によくなる」という経営的な視点で考える習性がないのです。

ちょっと間違って伝わったら困るので、もう一度言います。

担当者はお客様によくなっていただきたいけども、経営のことを教わるチャンスがないので、お客様の会社が経営的によくなるための経営に関するお話が難しい状況なのです。

そのため、「新聞で読んだんですけど~」や「利益を出すには経費を削って」という話になるのです。

3.会計事務所から受けるべき「決算報告」とは

私たちは経営に力を入れている税理士事務所です。

お客様に黒字になっていただくことを目指しています。黒字であればより良い黒字になっていただきたいと思っています。(本当に)

その視点で「決算報告」とはどうあるべきかをお話しします。

①お客様の会社が良い状況なのか悪い状況なのかをお話しします。

②何が問題なのかを数字から読み取れることをベースに話し合います。

③来期は何を改善してどの数字を目指すのかを打合せします。

こちらからの数字の一方的な説明なんて5分程度のことです。

決算報告は事実の報告と来期の改善のための打合せと考えています。

それは売上アップだったり、財務内容の改善だったりと様々です。

お客様の会社の財務が良くなり、経営的に改善していくためのタイミングが「決算報告」です。

「税金が出なくてよかった」という決算報告はお金が足りなくなるリスクが増えて、借入も難しい会社になりましたと言っているようなものです。

今のコロナ融資返済が始まるタイミングで、このような決算報告だったら数カ月~数年で資金ショートすることがほぼ確実です。

それなのに、売上・経費・利益などだけの決算報告だったら会社は悪くなる一方です。

決算報告は来期以後良くなるための、定期健診の報告です。

こういう決算報告を会計事務所とすることをお勧めします。

本当に出さなければならない利益はどれくらいなのかを含めて積極的に税理士さんと打合せしていきましょう。

もしも、こういう打ち合わせがしたいという方がいらっしゃいましたら今すぐご相談ください。

相談電話:011-858-7007

 

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