決算対策は早ければ早いほど良いと思っていませんか?正しい決算対策であれば税金対策も早いに越したことはありません。ただし、早すぎた決算対策は資金繰りを悪化させるので注意が必要です。
決算期3か月前の決算対策:早すぎた決算対策で資金繰りが悪化する理由とは
弥生会計・MFクラウド会計専門の札幌市白石区の千葉税理士事務所です。
決算対策の基本は決算の3か月前から決算対策のゴールに向かって進んでいきます。
大型の設備投資や投資促進税制などを使った大規模な税金対策は事業年度を通じてプランニングしていきます。
一般的な決算対策の重要なポイントは「正しい決算対策をするため」に決算期の3か月前から着手していくという点です。
これよりも早くてもよいのですが、早くから着手できるにはある程度の条件が必要です。
①業績が右肩上がりであること
②決算予測がしやすい業種であること
③銀行融資のタイミングについて具体的プランがあること
①業績が右肩上がりであること
業績が右肩上がりの場合、利益を圧縮する方向の節税対策が取られます。
右肩上がりということが決まっていれば、決算対策の方向性を決められます。
決算対策の方向性を間違ってしまうと取り返しのつかないことになってしまうので注意しましょう。
②決算予測がしやすい業種であること
決算予想が行いやすい業種と全くといっていいほど予測が難しい業種があります。
一番わかりやすいのは不動産賃貸業など収入がある程度一定で大きな変動がない業種です。
12月決算の不動産賃貸業であれば、入退去が多い2月~4月までは予測が難しくても、10月・11月・12月の3か月は一定の可能性が高くなります。
予測が難しい業種でいうと、除雪業などは雪の降り方次第で利益が大きく変わってきます。
降雪量次第で決算までの経費の掛かりがかわってしまうので単純な決算予測が難しい業種になります。
③銀行融資のタイミングについて具体的プランがあること
決算対策は銀行融資にも大きな影響を与えていきます。
個人事業主や法人の経営者はどのタイミングで運転資金の融資を打診したり、設備資金の融資を起こすかを考えておく必要があります。
思い立った時に気軽に融資が受けられるほど甘いものではありません。
無計画な節税対策をしてしまうことで会社の利益がなくなってしまうと、銀行融資を起こそうと思ったときにデメリットを受けてしまいます。
利益のある個人事業や法人であれば融資しやすかったものが、間違った決算対策で赤字を作ってしまっただけで銀行融資が受けられなくなるケースがあります。
どのタイミングで銀行融資を検討していくかを考えて、決算内容を作っていかなければ資金繰りに悪影響を与えてしまいます。
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早すぎた決算対策では危険な決算対策になる!~自社の状況が肝心~
決算対策が決算3か月前からできる理由はさきほどの3点です。
間違った決算対策とは、早期の決算対策ができる状況でないのに対策をしてしまうことです。
決算対策を3カ月かけて行うには、その前提条件となっている根拠が必要なのです。
決算対策ができる前提条件とは「事業年度が始まってから9か月間の帳簿がしっかりと完成している」ということです。
この9カ月の帳簿がしっかりとできていなければ、最後の3か月の売上・経費を予測しても意味がありません。
税金は1年間のトータルの利益に対してかかってきます。
最初の9カ月の利益が大きく間違っていれば、予測自体が間違っていることになります。
間違った決算対策のために設備投資をしてしまうと、銀行融資も受けられずに資金ショートの危機に陥ってしまいます。
自社の決算期が3か月後と迫っているときに、慌てて決算対策をするのではなく今時点の帳簿はどうなっているのかをしっかりと確認しておきましょう。
早すぎた決算対策にならないためのポイント
早すぎた決算対策とは「利益が出そうだから」という感覚で行ってしまう対策のことです。
次の状況の場合には「早すぎた決算対策」になりやすいので注意しましょう。
①早すぎた決算対策=帳簿が追い付いていない
②早すぎた決算対策=3か月予測ができていない
③早すぎた決算対策=資金繰りの影響が把握できていない
個人事業で「自分で経理をすることが苦手な方」に多い傾向です。
個人事業の場合経理の専門の人がいないケースが多くなります。
そのため、個人事業主自身が経理に時間が取れなければ利益状況がわかりません。
場合によっては請求業務も滞っていて資金繰り管理も甘くなってしまっているかもしれません。
法人の場合には、経理担当の事務員さんがいると思っていたら痛い目を見ることもあります。
営業事務で経理事務がいないときは注意が必要です。
請求書と領収書など納品関係中心の事務の場合には、経理自体が追い付いていないことがあります。
銀行回りをしているからといって毎月の帳簿ができているとは限らないのです。
請求と入金はしっかりしているけども、領収書整理や会計ソフトでの入力ができていないと利益状況は把握できていません。
ポイント1:今時点でいつまでの帳簿ができているかを確認する
法人決算対策の第一歩は「今時点の正しい帳簿がどこまでできているか」をはっきりさせることです。
これは社長の仕事ではないので経理担当者に洗い出しを指示すべきです。
社長がやることはこの後にあることですので、社長が経理をしなければならないということはないようにしてください。
ポイント2:今後3か月の売上・経費予想をたてる
ここからが社長の仕事です。
経理担当者に今現在の帳簿をしっかり作ってもらっている間に、今から決算期までの売上予測と経費予測を立ててもらいます。
業界経験の長い人でなければ季節指数というものがわかりません。
季節指数とはその業界にある売り上げの増減の流れのことです。
今後3か月が繁忙期に入るのか、閑散期に入るのかなどは業界ごとの特性が影響するケースもあります。
それ以外にも大口の売上予定がある場合や契約がずれ込む可能性が高いなど社長しかわからない部分もあります。
決算期までの予測部分では社長も仕事をする必要があります。
ポイント3:資金繰りの影響を考える
「利益が出るなら経費を使ってしまえ」とお金を使い切ると納税資金が全くないという事件になります。
あくまでも節税と資金繰りのバランスが大切です。
社長の利益予測と経理担当者の資金繰り管理の両方を考えて決算対策をしていく必要があります。
まとめ
決算対策は時間との勝負といって見切り発車しないよう注意しましょう。
あくまでも会社の現状に応じた対策しかできません。
会社の経理が遅れている場合には、まず経理を進めていくことが一番重要です。
ただ帳簿をつけていても正しい利益がわからないときは今すぐ税理士さんに相談していくことが大切です。
千葉税理士事務所の法人決算対策
なんとなく利益が出ていそうで税金が心配という方は今すぐご相談ください!
経理が遅れていて帳簿が追い付いていない場合は、今すぐ経理を進める必要があります。
利益を把握して取るべき対策をしっかりと取っていきましょう!
ご相談電話 0120-889-459
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