札幌市白石区にある経営に力をいれている千葉税理士事務所です。
蔓延防止も解除され飲食も含めて人の動きが活発になってきそうな雰囲気ですね。
そんな中、想定外の外的要因の変化により、より一層の物価高になりつつあります。
円安の影響もあり長期的には物価高が私たちの生活にどのように影響してくるのかの不安も出てきました。
こんな時にコストダウンだけを考えてしまう経営者は要注意なのです。
(目次)
1.コストダウンの効果
2.不景気だから売れないのではない
3.資金調達と収益創造
1.コストダウンの効果
こんな時に経営者の中には「安売り」と「コストダウン」だけで乗り切ろうとする方もいらっしゃいます。
コストダウンすることで同じ状況下であれば利益は膨らみます。
コストダウンで利益を残し、安売りで客数を伸ばしていく戦略を考える方は案外多いのです。
よそも安いからうちも安くしないと売れないという考えに支配されてしまいます。
コストダウンすることで利益率の改善にはつながりますが、利益の絶対額は増えないこともあります。
例えば、コストダウンの一環として材料を低価格の粗悪品に変えたとします。(普通は同等品を探すと思いますが)
そうすることで、利益率の改善につながるかもしれませんがお客さんが減るということで利益の絶対額は低下してしまいます。
安売りをする場合には、数をこなさなければならないのですが、質の悪化で数をこなせないという状況に陥ってしまいます。
また、「コストダウンで出せる利益は減らせるコストが限界」ということを忘れがちです。
「うちの会社の改善する箇所ないですか?」と相談したら「交際費を減らせば利益が出ます」という説明を受けたという話をよく耳にします。
これもコストダウンで利益を出そうとする例です。
もっと悪い例は、人件費の圧縮に走ってしまい働く人の労働意欲を下げてしまい、サービスの低下を招いて売上自体を低下させてしまいます。
それだけではなく、よい人材を確保するということもできない環境になってしまいます。
2.不景気だから売れないのではない
「不景気だから物が売れない」と考えがちですが、これは違います。
物が売れないから不景気なのです。
本当の不景気であれば、売ろうと思っても物は売れないので、資金手当てをして凌ぐしかありません。
重要なことは銀行融資でキャッシュを厚くしておくことです。
同業他社が売れているのであれば、売れていないのは不景気のせいではなく自社に原因があるということになります。
この検証をしないままで、不景気だから売れないと決めつけてしまうと本当に大切な改善ができないで、コストダウンばかり考える経営になります。
売れないからと不安になって、安売りを始めると一気に状況は悪化します。
自社だけではなく、業界全体が値崩れを起こしてしまい全体的に赤字体質業界になります。
その結果は貧乏暇なしになります。
3.資金調達と収益創造
仕入れなどの資材高騰下では、今までと同じ金額で商品やサービスを長期間提供する体力がある会社は多くありません。
長期的にも事業を継続していく必要があるわけですから、一時的要因による資材高騰に対しては資金調達で対応する必要があります。
先ほどもお話しした通り、慌てて値下げなどで対応しようとすると、今まで以上の数を売らなければより赤字が大きくなるという状況になってしまいます。
しかも、自社だけではなく業界全体でやってしまった場合には、需給バランスまでも崩れてしまうことでより価格破壊だけが進んでしまいます。
また、別の考え方をすることもできます。
今までの商品やサービスと同じものを同じように売るという考えから脱却することです。
今ある商品・サービスに欠陥があるのであればそれを改良することで今と異なる値段で販売することも検討していきます。
安かろう・悪かろうは物が売れにくい時には、より顕著になります。
少しでも良い商品・サービスを適正な価格で提供できないかという点で経営を改善する時間として使っていきましょう。
今までと同じことをやっても売れないのであれば、その時間を有効に使うべきです。
まとめ
物価高騰時にコストダウンだけを考えても、中小企業でできることは限られています。
物が売れない状況になっているときに、値下げをしても物は売れにくいのです。
慌てて価格破壊をしてしまう前に、一度立ち止まって「打つ手」を考えましょう。
私たち千葉税理士事務所では、お客様の「経営」という部分のサポートに力を入れております。
毎月の試算表を見ているだけでは不安という方はぜひご相談下さい。