クラウド会計を使うと一気に何でも自動化されると勘違いしていると思わぬ落とし穴があります。どんな会計ソフトも一定の時間が必要になることを理解しておきましょう。
クラウド会計はいきなり便利になるわけではない【クラウド会計は数ヶ月の準備期間が必要】
クラウド会計の特徴といえば自動経理というイメージを持っている方が多いと思います。
実際にクラウド会計の売りは自動経理です。
しかし、この自動経理にはインターネットバンキングやクレジット明細というものが必要になります。
インターネットバンキング情報は銀行ごとによって過去履歴が見られる期間が異なります。
一般的には3ヶ月程度しかインターネットバンキングの預金情報は取得できません。
この間にしっかりとクラウド会計と連携しておかなければ会計ソフトに経理情報を取り込むことができなくなります。
クラウド会計の特色とネットバンキングやクレジットカードの使い方をしっかりと理解して数ヶ月の時間をかけてクラウド会計を育てることを忘れないようにしましょう。
クラウド会計がいきなり便利にならない理由【設定に会計の知識が必要】
クラウド会計を使うことによって自動経理ができるようになります。
ただし、会計ソフトに取引の内容を教えていく積み重ねで成果を出していくものになります。
実はクラウド会計をつかわず、税理士事務所が経理代行をする場合にも同じようなことをしています。
人間がやるのかソフトがやるのかの違いです。
【便利な機能を使うためには初期登録が重要】
クラウド会計はパターン化されたものを機械的にこなすことが非常に得意です。
クラウド会計で連携したデータは、金額入力面では人間のように見間違い・打ち間違いが起こりません。
データとして吸い取ったものを経理処理に変換する速度は一瞬といっても過言ではありません。
ここで重要なことはクラウド会計の能力を最大化するためには初期設定が非常に大切ということです。
プロの経理知識が最初に必要になるということです。
ただし、クラウド会計は特殊な事情があるものなどの判断をしません。
機械的にこの取引先はこの処理と決めてしまうので、自動的に処理がおおこなわれてしまいます。
人間がチェックをしなければ「それっぽくできている」けども、潜在的にリスクの大きな状況になっている可能性があります。
しかも、そんなリスクがあることを知らないままクラウド会計を使い始めてしまうこともあるのです。
実際に私たち税務や経理のプロがクラウド会計を使っているときに「怖い」と感じることもあります。
間違ったことをクラウド会計に教えてしまうと「見つけることが困難になるのではないか」と感じます。
クラウド会計は自動経理が得意です。
言い方を変えると「人間が見直しをしない可能性が極めて高くなる」ということです。
間違いを教えて間違いを量産してしまうリスクを減らすためにも、初期登録が他の会計ソフトよりも重要なのです。
クラウド会計は税理士さんのチェックが重要になる【自動だからこそのポイント】
クラウド会計は自動経理が売りです。
インターネットバンキングやクレジット明細・amazonの取引履歴、A8ネットの報酬履歴など様々なものを自動的に会計処理してくれるようになります。
設定だけ正しくすれば日々簡単に経理が自動的に行われていることになります。
ある意味会社側が気にしなくても自動的に経理が進んでいるのです。
人間は自動化されたものに関して注意を怠る傾向があります。
最初は便利と思っていた機能も「当たり前」になってしまうのです。
経理が自動化されていくと「正しいものが自動的に処理されている」と感じるようになります。
とくに税務申告のために仕方なく経理をしている個人事業主や法人は要注意です。
手間削減のためだけにクラウド会計を使ってしまっているので、見直す作業さえ面倒なのです。
もしも自動経理の設定に間違いがあったり、イレギュラー取引もいつもと同じ処理をされていたとしたら税務調査で初めて発覚する事態になるわけです。
税務調査の際には「記憶にない」ということは通用しません。
会社としての経理処理の責任は経営者です。
仮に会計ソフトが間違っていたとしても、税務調査で責任を取るのは経営者なのです。
【自動経理こそ税理士チェックが重要】
クラウド会計の自動経理はあくまでも「会社の事務員さんの経理時間の短縮化」ということを忘れてはいけません。
税務調査の際には、「経費で落ちるものか」も含めてチェックされます。
経費にならないものも自動経理で経費処理されてしまっていると、税務調査の際に修正すべき箇所が増えてしまいます。
クラウド会計の自動経理は会計ソフトへの入力の手間を削減するための道具という位置づけなのです。
税務調査対策には税理士さんによる領収書や経理処理のチェック・修正を受けておかなければ「知らない間にとんでもないことになっていた」ということになります。
クラウド会計で効率化する部分と税務リスクは連動していないということはしっかりと理解しておきましょう。
クラウド会計で経理の効率化をするためのポイント
クラウド会計で経理を効率化する場合には、会計ソフトの設計が非常に重要です。
①ほかの会計ソフトを使っていた場合
②はじめての経理ソフトにクラウド会計を導入する場合
①ほかの会計ソフトを使っていた場合
他の会計ソフトを使っている会社がクラウド会計を導入する場合には、既存の経理処理をクラウド会計に引き継いでいきます。
預金から引落になっている取引先ごとの経理ルールを同じように登録することから準備を始めます。
急激に経理ルールを変更すると事務が混乱するので既存のルールを原則として引き継ぎます。
以前使っていた会計ソフトのデータを見ながらクラウド会計の経理ルールを作っていきます。
税理士さんを変更する場合に税理士事務所で行っている作業も同じことになります。
②はじめての経理ソフトにクラウド会計を導入する場合
起業したての会社や個人事業の場合には、経理ルールがないことがあります。
はじめての経理ソフトとしてクラウド会計を使う場合には、経理のルール自体を作り始めます。
最初に作った経理ルール次第でその後の手間が大きく変わってきます。
クラウド会計の導入は新規創業が一番効率的に行えます。
クラウド会計の中には給与計算ソフトや請求書作成ソフトと連動するものもあります。
予算との兼ね合いもありますが、経理自体をクラウド会計と連携できるものにすることで経理全体を効率化することも可能です。
MFクラウド会計でもfreeeでも領収書を専用アプリなどで取り込むことで会計ソフトにデータを取り込むことができます。
給与計算ソフトもクラウドと連携すると給与明細の作成・経理・振込・年末調整まで効率的に行うこともできます。
千葉税理士事務所のクラウド会計への取り組み
「クラウド会計が適しているお客様には積極的にクラウド会計を使っていただきたい」と考えています。
クラウド会計は万能ではありません。
私たち税理士事務所側でクラウド会計ではない会計ソフトで入力した方が効率的な方もいらっしゃいます。
クラウド会計に向いている方は、自分で経理をするよりもクラウド会計を上手に使った方が経理が早く終わります。
税理士さんも、効率的にチェックがおこなえるので記帳代行料金など余計なコストをお客様に負担させないことができます。
【ネットバンキング・クレジットカード・携帯アプリが使える人はクラウド会計向き】
①インターネットバンキングを使っている
②事業に関係のあるものをクレジットカードを使っている
③事業用クレジットとプライベートクレジットを分けている
④現金の領収書やレシートをアプリを使ってこまめにクラウド会計に取り込むことができる
⑤エアレジなど売上に関する資料がクラウド会計と連携できる
【税理士さんに資料を毎月送った方が効率的な人】
①仕入や支払いを現金でおこなっている
②インターネットバンキングをおこなっていない
③手書きやエクセルの給与明細を使っている
クラウド会計を上手に使うことで余計な記帳代行料金が不要になる!
税理士事務所では基本的には記帳代行という作業と税務顧問を分けて考えています。
お客様に代わって領収書やレシートの情報を会計ソフトに入力する作業には、作業賃がかかってしまいます。
最近では人件費も高騰しているので、この作業料をお客様にお願いしなければなりません。
クラウド会計を使うことでこの作業料を少なく抑えられます。
場合によっては、作業量自体不要になることも珍しくありません。
そこで、お客様にクラウド会計を効率的に使っていただいて税理士料金を抑えていくお手伝いをしております。
クラウド会計を検討したい方は今すぐご相談ください!
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