札幌市白石区の経営者を応援している千葉税理士事務所です。
世の中「年収」や「年商」ということが会社規模の一つの目安になったりします。
どうしても年収や年商を上げようと頑張ってしまいます。果たして売上や年収が上がれば本当に幸せになれるのでしょうか?
売上が上がればハッピーとは限らない【経営者の意外な盲点】
うちの年商は○○と売上規模が大きければ、事業が好調になった気分になってしまう方も多いと思います。
一番わかりやすいのは、売上の増減です。
売上金が振り込まれてくる場合、預金の入金額が大きくなると気持ちも大きくなります。
売上が上がっていれば、会社が順調に成長していると実感しできるからです。
一番わかりやすいものが売上と入金です。
しかし、売上が上がることだけがハッピーなのかを考えてみましょう。
(目次)
1.売上が高ければ問題がないのか?
①売上をあげるためには
②売上があっても利益がなければ赤字
③売上があっても資金ショートを起こせば倒産(黒字倒産)
2.粗利益率を改善するためには
3.固定費を減らすと経営は楽になる
4.まとめ
1.売上が高ければ問題がないのか?
経営者にとって売上は一番の関心事かもしれません。
特に開業したての経営者によっては、年商が会社規模のバロメータになっているかもしれません。
まずは、売上とはどうしたら増えるのかからみていきましょう。
①売上をあげるためには
「売上=単価×販売数量」であらわされます。
・単価を上げる:お客様に高く買っていただく
・販売数量を伸ばす:お客様に多く買っていただく
たくさんの数量を特定のお客様に買っていただける業種であれば、単価と数量の両方を上げることが可能です。
自動車のような耐久財であれば、同じお客様に複数買っていただくことが難しくなります。
そうなると、商品をより高く満足して購入していただくということが重要になります。
②売上があっても利益がなければ赤字
私が税理士になる少し前の話です。
税理士事務所に就職したときに、所長と面談する機会がありました。
「なぜ税理士を目指したの?」と聞かれ「某専門学校のパンフレットに平均年収3,000万円と書いてあったからです」と答えました。
所長は大爆笑です。
「売上は平均3,000万円くらいかもしれないけども、経費が3,000万円かかったらどうなる?」と言われました。
当時の私は所長の言っている意味が分かりませんでした。
頭の中がサラリーマンだったので、「年収=もらえるお金」と考えていたので。
「売上ー経費=利益」なので経費が3,000万円だったら、利益は0円です。
そんなこともわからなかった自分が懐かしいと感じます。
まさに、この話と同じことです。
売上をいくら伸ばしても、経費がたくさんかけてしまったら利益がありません。
下手をすると赤字になってしまいます。
売上至上主義は間違った感覚を生み出しやすいので注意しましょう。
③売上があっても資金ショートを起こせば倒産(黒字倒産)
売上があって、利益が上がっていてもお金が無くなると倒産します。
俗にいう黒字倒産というものです。
なぜ、このようなことが起こるのかというと次の可能性があります。
①公私混同によるお金の使い過ぎによる資金ショート
②入金と支払いのタイミングのずれによる資金ショート
一般的に黒字倒産というのは②のほうです。
①は浪費という表現をされてしまうもので、黒字倒産とはちょっと違った意味合いになります。
入金が遅くて支払いが先だと、ある程度のお金が手元になければお金が足りなくなります。
100万円の経費を掛けて300万円の売上を達成したとしても、先に100万円の支払いがあると資金ショートです。
利益は200万円あっても会社はつぶれます。
これに決算期や確定申告がぶつかると、取引先への支払いだけでなく税金による資金繰り悪化も起きてしまいます。
利益と資金繰りの両方が大切な理由は、黒字倒産を避けながら事業を成長させる必要があるからです。
2.粗利益率を改善するためには
粗利益率という言葉を知っている経営者も多いと思います。
粗利益率とは「(売上高-原価)÷売上高」で計算されます。
売上のうち、原価が何割で儲けが何割かを表したものです。
粗利益の高いものを販売していれば、数が少なくても利益がでやすくなります。
同じ商品販売・サービスであれば、お客様に高い金額で納得いただける仕事をしていくことが重要です。
粗利益率の低い商品・サービスであれば数量を伸ばさなければ利益を確保できません。
数を提供するには人や物が必要になるので、より多くのコストがかかってしまいます。
どうしたら粗利益率の高い商品を提供できるかを考えることが重要です。
3.固定費を減らすと経営は楽になる
最終的に会社の利益は次の流れになります。
売上→原価を引く→粗利益(売上総利益)→経費を引く→利益
最終利益を上げるには、粗利益を大きくするか経費を減らすことになります。
固定費は売上の増減に関係なくかかるコストです。
代表的なものには、家賃・人件費・保険料・リース料などがあります。
見てわかるように簡単に削減することが難しいものです。
事業を拡大していくと固定費が肥大化しやすくなるので、固定費がどうしたら削減できるかをしっかりと考えましょう。
4.まとめ
決算書や試算表を見たときに前年よりも売上が上がっているか気になると思います。
しかし、売上だけが上がっても経費が多くなれば利益は減ってしまいます。
利益を出すことでしか、会社は生きていけません。
経営者はどのように売上を上げていくのかをしっかりと考えていきましょう。
リーマンショックのように、売上が下がった時でも利益が出せるようにコストの見直しをすることも仕事です。
私たち千葉税理士事務はお客様と一緒に経営について考えていく事務所です。
千葉税理士事務所は本気で経営をしている経営者と事業承継を考えている会社におすすめの税理士事務所です。