「正月休みは、家族サービスをするな」とは言いませんが…。上位5%の黒字社長が、年末年始に必ず一人でこもる「魔の3日間」の秘密

🗓️ 2025年12月28日
👨‍💼 千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
今日の経営の視点

「成果をあげる者は、仕事からスタートしない。時間からスタートする。」

― P.F.ドラッカー

年末年始、社長がすべきは「残務処理」ではありません。「未来のための思考時間」の確保です。誰にも邪魔されない時間こそが、経営者にとって最も高価な資源なのです。

「正月休みは、家族サービスをするな」とは言いませんが...。
上位5%の黒字社長が、年末年始に必ず一人でこもる「魔の3日間」の秘密

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この記事の要点

  • 「元旦に計を立てる」では遅すぎます。年末の静寂を活用した「一人合宿」が来年の勝敗を分けます。
  • ビル・ゲイツも実践する「思考週間(Think Week)」を、中小企業社長版にアレンジした実践法を紹介します。
  • スマホの電源を切り、ノート一冊だけで決めるべき「3つのアジェンダ」とは?

いよいよ今年もあとわずか。
「やっと休める」「正月くらいは仕事のことを忘れたい」と思っている経営者様も多いでしょう。

もちろん、休息は大切です。しかし、社員が休んでいるこの年末年始こそ、社長にとっては「誰にも邪魔されずに未来を創れる、1年で最も神聖な時間」でもあります。

伸びている会社の社長は、この時期に決してダラダラしません。
あえて家族からも離れ、ホテルや書斎に一人でこもり、来年の構想を練り上げる「戦略的孤独(Solitude)」の時間を確保しています。

今日は、来年を飛躍の年にするために、年末の3日間で実践すべき「一人合宿」のレシピをお伝えします。

※本記事で紹介する事例は、実際に弊社が支援した複数のお客様のケースを基に再構成した物語です。プライバシー保護のため、人物・業種・数値等は加工していますが、課題の本質と解決策は事実に基づいています。

1. なぜ「元旦」では遅いのか?

「一年の計は元旦にあり」と言いますが、経営においては遅すぎます。
元旦は家族親戚との付き合いや、初詣などのイベントで意外と忙しく、深い思考には向きません。そして1月4日からは日常の喧騒が戻ってきます。

だからこそ、「12月29日〜31日」の3日間が勝負なのです。
この期間に思考を整理し、計画書(ドラフト)を完成させておけば、お正月は晴れやかな気持ちで家族と過ごせますし、仕事始めの日に迷いなく「全速力」でスタートを切ることができます。

2. 「一人合宿」の3つのアジェンダ

では、一人でこもって何をすべきか?
スマホもパソコンも電源を切り、お気に入りのノートとペンだけを持って、以下の3つを書き出してください。

【1日目】「捨てる」決断(過去の清算)

新しいことを始めるには、スペースが必要です。今年一年を振り返り、「成果が出なかったこと」「情熱が持てなくなったこと」を書き出し、来年はやめる(廃止する)と決めます。

  • 不採算な取引先との契約
  • 形骸化した社内会議
  • 社長自身の「現場作業」
【2日目】「一点突破」の特定(戦略の策定)

あれもこれもやるのは戦略ではありません。来年、会社のリソース(人・モノ・金)を一点集中させるべき「センターピン(最も重要な課題)」は何か?を特定します。

  • 新商品の開発か?
  • 採用・教育システムの構築か?
  • 財務体質の改善か?
【3日目】「数値」への落とし込み(計画の具体化)

想いだけでは飯は食えません。決めた戦略を、具体的な「月別の行動計画」と「数値目標(売上・粗利・利益)」に変換します。
これが、1月から社員に渡す「地図」になります。

3. 孤独が「確信」を生む

この作業は、孤独で苦しいものです。自分の至らなさと向き合う時間でもあります。
しかし、この孤独を通過した社長だけが、迷いのない「確信」を持って新年を迎えることができます。

「来年は、これをやれば必ず勝てる」
そう思える状態を作ることこそが、社長の仕事の9割と言っても過言ではありません。

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投稿者プロフィール

千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
千葉将志税理士事務所代表 千葉将志
中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。