この記事の要点
- 「元旦に計を立てる」では遅すぎます。年末の静寂を活用した「一人合宿」が来年の勝敗を分けます。
- ビル・ゲイツも実践する「思考週間(Think Week)」を、中小企業社長版にアレンジした実践法を紹介します。
- スマホの電源を切り、ノート一冊だけで決めるべき「3つのアジェンダ」とは?
いよいよ今年もあとわずか。
「やっと休める」「正月くらいは仕事のことを忘れたい」と思っている経営者様も多いでしょう。
もちろん、休息は大切です。しかし、社員が休んでいるこの年末年始こそ、社長にとっては「誰にも邪魔されずに未来を創れる、1年で最も神聖な時間」でもあります。
伸びている会社の社長は、この時期に決してダラダラしません。
あえて家族からも離れ、ホテルや書斎に一人でこもり、来年の構想を練り上げる「戦略的孤独(Solitude)」の時間を確保しています。
今日は、来年を飛躍の年にするために、年末の3日間で実践すべき「一人合宿」のレシピをお伝えします。
1. なぜ「元旦」では遅いのか?
「一年の計は元旦にあり」と言いますが、経営においては遅すぎます。
元旦は家族親戚との付き合いや、初詣などのイベントで意外と忙しく、深い思考には向きません。そして1月4日からは日常の喧騒が戻ってきます。
だからこそ、「12月29日〜31日」の3日間が勝負なのです。
この期間に思考を整理し、計画書(ドラフト)を完成させておけば、お正月は晴れやかな気持ちで家族と過ごせますし、仕事始めの日に迷いなく「全速力」でスタートを切ることができます。
2. 「一人合宿」の3つのアジェンダ
では、一人でこもって何をすべきか?
スマホもパソコンも電源を切り、お気に入りのノートとペンだけを持って、以下の3つを書き出してください。
新しいことを始めるには、スペースが必要です。今年一年を振り返り、「成果が出なかったこと」「情熱が持てなくなったこと」を書き出し、来年はやめる(廃止する)と決めます。
- 不採算な取引先との契約
- 形骸化した社内会議
- 社長自身の「現場作業」
あれもこれもやるのは戦略ではありません。来年、会社のリソース(人・モノ・金)を一点集中させるべき「センターピン(最も重要な課題)」は何か?を特定します。
- 新商品の開発か?
- 採用・教育システムの構築か?
- 財務体質の改善か?
想いだけでは飯は食えません。決めた戦略を、具体的な「月別の行動計画」と「数値目標(売上・粗利・利益)」に変換します。
これが、1月から社員に渡す「地図」になります。
3. 孤独が「確信」を生む
この作業は、孤独で苦しいものです。自分の至らなさと向き合う時間でもあります。
しかし、この孤独を通過した社長だけが、迷いのない「確信」を持って新年を迎えることができます。
「来年は、これをやれば必ず勝てる」
そう思える状態を作ることこそが、社長の仕事の9割と言っても過言ではありません。









