令和4年・令和5年はずっと値上げの報道が続いていますね。
国は物価上昇を目指し、実際に物価が上がってきたら賃上げしましょうという流れになっていますが
日本の円安が止まらない状況が続いています。
最初は一時的な問題と思われていたと思いますが、もしかするとこれが恒常的になるのかもしれません。
こういう問題を税理士さんと話し合っていますか?
(目次)
1.円安で起きている経営環境の変化
2.税理士さんに「無駄な経費ありませんか?」は限界突破
3.経理は経営をタイムリーに考えるためだけ
1.円安で起きている経営環境の変化
最近海外に出られた方はいかに円安が大変なのかを実感していると思います。
アメリカはインフレ圧力が強いままで、利上げを続けています。
その利上げを上げている中でも2023年9月の消費者物価指数が前年同月比で3.7%上昇です。
日本の消費者物価指数は2023年9月で前年同月比で2.8%上昇です。
日本は低金利が続いている中での消費者物価指数の上昇です。
アメリカほどではないですが、日本でも消費者物価指数は上昇しています。
難しい内容は専門家に任せるとしても、日本国内で円安・物価高は続いています。
仮に、ガソリン価格などが落ち着いたとしても円安が続けば資材を輸入している日本にとっては物価高が続いたとしても不思議ではありません。
本来の物価が3%下がったとして、1ドル150円から円安が5円進んだとしたら円安は約3.3%進んだことになります。
物価が下がっても、円ベースの物価は上がっているということになります。
一時的ではない物価高の中で経営をしていかなければならないという前提で経営を考えていかなければしのごうと思っても体力負けしてしまう可能性が高いのです。
また、建設業をはじめとして外国の技能研修性などに助けられている業種はもっと深刻です。
観光や不動産購入をしようとする外国人にとって円安は有利ですが、日本で働く外国人にとってはデメリット以外何物でもありません。
つまり、日本に来る理由はないことになります。
むしろ、円安の日本ではなくオーストラリアやドバイなどで働いた方が良いのです。
これが円安が続く中でおこる環境の変化です。
今月・来月の売上のことを考えているだけではこのような環境の変化に気が付きません。
その結果、どれだけ頑張ったら会社は良くなるのだろうかという悩みに変わってしまいます。
仕事の量の問題ではなく戦略・戦術の問題なのです。
こういう視点で税理士さんと話せていますか?
2.税理士さんに「無駄な経費ありませんか?」は限界突破
わかりやすい業種に例えると飲食業かと思います。
今までと同じやり方の飲食業は円安が進み、物価高が恒常化すると利益がどんどん減ってきます。
そうなると「無駄な経費ありませんか?」と税理士さんに相談する方がたくさん出てきます。
少しでも値段を下げないとお客様が減ってしまうので、経費を削って利益が残るようにしたいと考えてしまうのです。
その気持ちはよくわかります。
値段をよそよりも下げればお客様は帰ってきてくれる。
値段をもっと下げたら、他からうちに来てくれて売り上げは上がるはず。
その結果、「税理士さんもっと削れる経費ありませんか?」という質問になってくるのです。
今までは国産の材料を使うよりも海外の材料を使った方が安かったので、食材を変えれば多少のことはできたかもしれません。
でも、物価高だけでなく円安なんです。
海外製品だって高くなっています。
日本円が安いんですから。
お客様だって物価高・円安で苦しい中で、どこにお金を使うかを選んでいることを忘れてはいけません。
安ければ買ってくれるのではなく、安くたって悪いものは欲しくないのです。
むしろ良いものにお金を払いたいと思っているはずです。
3.経理は経営をタイムリーに考えるためだけ
円安・物価高騰下では経営判断を迫られる機会が増えています。
昔よりも「価格」というものと「お客様の層」というものを考えなければ経営が難しくなっているからです。
そうなると、年に一度税理士さんに資料を送って経理をしてもらっているというやり方は「赤字になりやすい会社にしていく」という状況です。
そこに来てコロナ融資の返済などの資金繰りの問題も出てきます。
できれば毎月帳簿をつけて、会社の状況を把握し、必要があったら銀行金融機関にいつでも試算表を提出できる状況にしておくことでキャッシュフローも安定させていかなければなりません。
売上を上げることと会社の財務を考えることを行うことで円安・物価高に迅速に対応していく必要があります。
是非、税理士さんに会社の財務や資金繰りと併せて、どのように売上を伸ばしていくべきかを相談しておきましょう。