札幌市白石区にある経営に力を入れている千葉税理士事務所です。
コロナの影響で売上が大幅にダウンしている会社が増えています。
持続化給付金や新型コロナウイルス感染症特別貸付などで資金調達をした会社も多いと思いますが、将来の不安はぬぐい切れません。
ここから先を考えたときに、コスト削減の必要性は高くなってくると思いますが本当にそれが正しいのかも考えていきましょう。
(目次)
1.大切なのは売上よりも利益
2.利益を出すにはコスト削減が定石だが
3.未来費用は必要な投資
4.まとめ
1.大切なのは売上よりも利益
残念ながらコロナの影響下では売上が下がっているのが当たり前の状況です。
ここで売上を上げようとすると「低価格」ということが行われます。
お客様に来てもらうには「よそよりも安ければ来るはず」という考えが出てきます。
低価格でも数が集まると「売上」が大きくなります。
この売上は値引きをしたことと同じことになります。
値引きをすると利益が減ります。
それは皆さんが思っているよりも大きなダメージとして表れます。
実際にその分の利益を確保するために、どれだけの追加売り上げを上げなければならないか計算してみるとわかります。
低価格でこの危機を乗り越えようとすることは、消耗戦に突入することになります。
資金力のある所でなければ生き残れません。
飲食業界のワタミが65店舗閉店すると話題になっていることから見ても、大手でも低価格で長期間消耗戦を展開しないということがわかります。
それならタイミングをみて新規出店費用として拠出したほうが利益になるからでしょう。
中小企業にとって大切なのは利益なのです。
2.利益を出すにはコスト削減が定石だが
大切なのは利益とお話ししましたが、利益を出すには売上を上げるのか、コストを下げるということになります。
売上が上がりにくいのであればコストを下げていくことを考える必要があります。
コストと一言でいっても種類はあるのです。
必要なコストと無駄なコストです。
何でもかんでもコストダウン・経営の効率化といって進めるとロクなことになりません。
コスト削減をした結果、売上が下がってしまうという事態も起こるのです。
皆さんが飲食店に行ったときに、無くなって不自由したものや粗悪品に変わっていたという経験はありませんか?
例えば、割りばしの質が悪くなって割れにくいものになっていたりです。
店員さんの数が減ったことで注文を取りに来ないなどです。
確かに、人件費を圧縮したり、備品の質を下げたことでお客様に不自由を与えるという構造です。
その結果として店自体の売上が下がると、さらなるコストダウンをしようとする。
その結果、経営的に悪化するということが起こりえます。
コストを必要なものと削減してよいもの、むしろ増やすコストを経営者がしっかりと考えて判断していかなければなりません。
3.未来費用は必要な投資
未来費用というコストをご存知でしょうか?
今時点の事業には寄与しないのですが、将来の収益を得るために必要な投資です。
コロナの影響下でこの未来費用投資ができる会社は良い会社です。
今すぐに収益に貢献しにくいのですが、先の収益をつくれないと今後がまずいわけです。
この先の収益を上げるための投資はしていかなければ、競争力が徐々になくなるのです。
4.まとめ
利益をだすということだけでコストダウンを進めると売上が下がるリスクがあります。
コスト削減といっても内容を吟味して経営に影響のないものから手を入れていくことがお勧めです。
経営者にとって大切なものは未来費用という考え方です。