★★★★☆
約13分
この記事から得られる3つの効果
- 「節税」という名目の浪費が、いかに会社の寿命を縮めているかを理解できます。
- 税金を払ってでもキャッシュを残すべき局面と、投資すべき局面の見極め方がわかります。
- 2026年の金利上昇局面に備えた、最強の「財務体質」を築くことができます。
11月も半ばを過ぎ、決算の足音が近づいてきました。今年はインフレの影響もあり、見かけ上の売上が伸び、予想以上の「利益」が出ている会社も多いのではないでしょうか。
通帳の残高を見て安心するのも束の間、試算表を見た瞬間に、あなたの頭をよぎるのは「税金」の二文字でしょう。
「このままだと、数百万円も税金で持っていかれるのか…」「バカバカしい。何か経費を使って、利益を圧縮できないか?」
そのお気持ちは、痛いほどよく分かります。汗水垂らして稼いだ利益を、国に召し上げられるのは、経営者として最も苦痛な瞬間の一つです。しかし、そこで「じゃあ、新しい社用車でも買うか」「備品を買い替えよう」と考えるのは、少し待ってください。
その判断が、あなたの会社を「貧乏な会社」にする、決定的な引き金になるかもしれないからです。
1. なぜ、節税のために「モノ」を買うと、会社は弱くなるのか?
多くの税理士はこう言います。「社長、利益が出ているので、何か買って経費にしましょう」。これは、税金を減らすことだけを考えた場合、正解です。しかし、経営戦略としては「三流」のアドバイスです。
「節税の罠」のメカニズム
例えば、1,000万円の利益が出ているとします。法人税率を約30%とすると、何もしなければ300万円の税金を払い、700万円の現金が手元に残ります。
ここで、節税のために1,000万円で不要な高級車を買ったとしましょう(※全額即時償却できたと仮定)。
- 利益:0円になります。
- 税金:0円になります。「やった!300万円得した!」と思いますか?
- 手元の現金:1,000万円が出ていき、0円になります。
お分かりでしょうか。税金は減りましたが、それ以上に「会社を守る最強の盾」である現金が、消えてなくなったのです。
さらに悪いことに、通常の車両購入などは数年にわたる「減価償却」が必要なため、キャッシュは今すぐ全額出ていくのに、経費として計上できるのは数分の一だけです。つまり、「金は無いのに税金は発生する」という最悪の資金繰り地獄を、自ら招くことになるのです。
2. 一流の経営者が実践する「3つの出口戦略」
では、一流の経営者はどうするか。彼らは利益を「消す」のではなく、「未来のために移動させる」あるいは「堂々と税金を払って強くする」という選択をします。
戦略①:「投資」への転換(PL脳からBS脳へ)
消費(浪費)ではなく、将来の利益を生むものに投資します。ただし、単にモノを買うのではなく、「人材採用」「教育」「マーケティング」といった、無形資産への投資を優先します。これらは即座に経費化できるものが多く、かつ将来の売上を創るエンジンになります。「税金を払うくらいなら、社員のボーナス(決算賞与)に回す」というのも、立派な人材投資です。
戦略②:税額控除の活用(賢い節税)
国が推奨する投資(賃上げやDX投資など)を行うことで、税金そのものを直接差し引くことができる「税額控除」の制度をフル活用します。これは、無駄遣いをせずに税金だけを減らす、最も賢い方法です。多くの経営者がこの制度を知らず、損をしています。
戦略③:内部留保の最大化(最強の盾)
そして、あえて「税金を払って、現金を残す」という選択です。納税後の7割のキャッシュは、誰にも文句を言われない、会社が自由に使える最強の資金です。銀行評価も上がり、いざという時の融資も受けやすくなります。「税金は、会社の信用と安全を買うためのコスト(安心料)」と割り切るのが、一流の思考です。
【高度蓋然性予測】2026年、"キャッシュリッチ企業"の独り勝ち
私たちのデータモデルは、2026年の金利上昇局面において、借入依存度の高い企業の経営が急速に悪化する一方、潤沢な自己資金(内部留保)を持つ企業が、割安になった資産や人材を次々と獲得し、市場を独占する未来を予測しています。「節税貧乏」になった会社は淘汰され、「納税してでもキャッシュを貯めた」会社だけが、次の成長フェーズの切符を手にすることができます。
3. 2026年、"キャッシュ"こそが最強の武器になる
(※構成上の都合により、第3章の内容は上記の【高度蓋然性予測】に統合しました)
4. あなたは、感情で動くか、計算で動くか【決断の時】
決算を目前に控えた今、あなたは重大な岐路に立っています。「税金を払いたくない」という一時の感情で動くか、会社の未来を見据えた冷徹な計算で動くか。
あなたの"財務体質"を弱める思い込みチェック
あなたは、無意識にこんな「思い込み」に縛られていませんか?
- 「税金を払うのは、負けだと思っている」
- 「経費を使えば使うほど、得をすると思っている」
- 「銀行はお金を貸してくれるから、手元資金は少なくてもいいと思っている」
- 「今の税理士から、"お金を残す"ための提案を受けたことがない」
もし、一つでもチェックがついたなら、あなたは「節税」という甘い言葉に誘われ、会社の寿命を縮めている可能性があります。
道A:『節税貧乏』の未来
目先の税金を嫌がり、無駄な経費を使い続ける道。決算書上の利益は消えるが、同時に手元の現金も枯渇する。いざという時の備えも、未来への投資資金もなく、金利上昇の波に飲み込まれる。
道B:『キャッシュリッチ』な未来
感情ではなく、戦略で動く道。必要な投資と、内部留保のバランスを最適化し、強固な財務基盤を築く。2026年、豊富な資金力を武器に、弱った競合を尻目に市場を制圧する。
あなたの魂は、どちらの未来を渇望していますか?
もし、あなたが後者の『キャッシュリッチ』な未来を選ぶと、今、決断されたのなら。その最初の、そして最も重要な一歩は、あなたの会社の決算書を「税務申告のための書類」から「未来を創るための戦略書」へと書き換える、パートナーとの対話です。
その「経費」、本当に必要ですか?
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税理士を変更せずに経営改善に取り組む投稿者プロフィール

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中小企業社長専門の経営コンサルタント兼税理士。
1977年生まれ、札幌出身。大手税理士事務所在籍中、税理士試験に合格。「試算表を作るだけ」の業務が中心で、経営支援に踏み込めない現状に強いジレンマを抱える。大手事務所を退所し、コンサル型の税理士事務所に入所するも思い描く支援とのギャップに苦悩。28歳の頃にお客さんゼロ・計画なしという状態で独立を決意。自分自身が事務所経営に苦しんだ経験から「経営者は孤独で、悩んでも税理士に相談しにくい」という現実を身をもって痛感。ふとしたきっかけで参加した勉強会で「税理士=税金や会計処理だけではない。経営戦略まで踏み込んでサポートできる存在でありたい」という想いを強くする。様々な経験を経て、現在は北海道札幌市白石区で「建設業や動物病院をはじめ、多業種の経営者を「数字」と「現場」の両面で支えている。単価・売上・利益向上と財務、人事・採用マーケティングのサポートを得意とする経営コンサルタント。
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