決算が近くなると節税のことを調べてしまいがちですが本当に正しいのでしょうか?決算対策では利益をつぶすことがイメージされますが正しい管理をしないまま利益をつぶすと後悔することになってしまうので注意しましょう。
決算期3か月前の決算対策:遅れた決算対策で資金繰りが悪化する理由とは
弥生会計・MFクラウド会計専門の札幌市白石区の千葉税理士事務所です。
決算が近くなると税金のことが頭に浮かんでしまいます。
利益が大きければ納税額が大きくなるということを知っている経営者であればなおさらのことです。
そのため利益をつぶすことを考えて経費をたくさん使いたくなってしまうかもしれません。
このように決算対策で経費を使っていくことを「利益処分」といいます。
会社経営では状況に応じた利益処分を行って税金をコントロールすることがベストといえます。
しかし、利益処分をすることが最適な方法の場合とそうでない場合があります。
利益処分のタイミングを間違うと思いがけない赤字決算や資金ショートの原因になります。
逆に利益処分が遅すぎると税金のコントロールがうまくいかず予期せぬ納税になってしまうこともあります。
今回は利益処分で後悔しない決算対策を考えてみましょう。
決算対策が遅すぎる場合のデメリット:失敗の入り口は小さく見える
一般的な決算対策の失敗イメージ:予想よりも大きな納税になってしまう
会社経営は納税額を含めて利益をコントロールしていきます。
中小企業にとって大きな利益を出しすぎても意味がないからです。
本来必要な設備投資を我慢して出した利益には意味がありません。
必要な節税ができないということは、合理的な設備投資ができず翌期以後の競争力が得られない経営上の損失といえます。
そのため一般的には納税コストを含めて利益を会社の成長軌道に乗せるコントロールをしていきます。
会社の利益をコントロールするために決算対策をしていく必要があります。
利益処分で行われる決算対策は経費を作ることです。
ここで慌てて大きな設備投資をしても、決算直前では経費を作れないことが多いのです。
「大きな設備投資」=「固定資産の購入」というケースが多いためです。
固定資産は青色申告の場合でも30万円以上になると減価償却をしなければならいためです。
「大きな利益をつぶそうとする」=「金額が大きな固定資産を購入する」と考えてしまうことがあります。
決算直前の利益処分の為に金額の大きな減価償却対象資産を購入してしまうと次のようになります。
× 投資したお金に見合わない経費しか作れない
減価償却費とは固定資産を数年間にわたって経費化する手続きです。
1カ月当たりで経費にできる額は1年あたり全体の数パーセント~数十パーセント程度です。
1年あたりということは12か月あたりということですから、1カ月あたりはもっともっと1%未満しか経費で落とせないこともあります。
決算対策が遅れて利益処分ができなかった場合には、当然法人税などの税金が高くなります。
手元にキャッシュがある状態で出た利益であれば納税資金に問題がないのですが、さきほどの経費にならない投資をしてしまったことで利益が出た場合には納税資金がないことになります。
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決算対策が遅すぎる場合の本当のデメリット:長期的に資金繰りがおかしくなり始める
決算対策が遅れたことで思ったよりも大きな納税額になってしまいます。
予想よりも大きな納税額であればよいのですが、これだけでは済まないことがあります。
納税できればまだましですが、納税できないケースがあります。
決算対策で税金をコントロールしていれば銀行融資を含めて納税資金の確保の可能性もありました。
決算対策が遅れたことで、申告直前で大きな利益が発覚してしまうと手持ち資金で納税できるかどうかなのです。
決算対策の失敗で多額の納税が出ると納税できなくなります。
本当の怖さがここから始まります。
納税ができない場合のデメリットは次のものがあります。
納税が遅れるデメリット1:延滞税という銀行金利よりも高い税金がかかる
延滞税の税率は当初の2か月間は平成29年で年2.7%です。
3か月目からは平成29年で9.0%になります。
銀行金利が1%台ということから見ても金利としては非常に高いものになっています。
銀行金利は法人税の計算上経費になりますが、延滞税は経費で落とせません。
納税が遅れるデメリット2:銀行融資が受けられなくなる
銀行融資を受ける際には決算書の提出が必要になります。
これに加えて納税証明書の提出をしていきます。
一般的には政策金融公庫の融資か保証協会の保証付銀行融資を受けることがあります。
この場合、税金の延滞があると銀行融資が相当厳しくなります。
銀行にしても銀行融資をすることで成長するのであればお金を貸したいのです。
税金は過去の儲けなどの精算であって、今後のプラスではないわけです。
これ以外の様々な理由から税金の延滞がや社会保険料の延滞があると銀行融資は厳しくなります。
納税が遅れるデメリット3:すべての資金繰りが狂う
納税が遅れる場合、納税額が微々たるものではありません。
いっぺんに払うには厳しい金額になっています。
決算の納税額が大きい場合には6か月後に「予定納税」という前払いもしなければなりません。
前期の税金の半分を6か月後に支払わなければならないのです。
今回の納税が滞っているのに6か月後にさらに納税がくるのです。
税金中心の資金繰りになってしまう、本業にかけるお金が無くなっていきます。
税金の延滞がある場合、税務署と密に連絡を取っていなければ差押えなど銀行や元請け生命保険会社などに連絡がいってしまいます。
遅れた税金を払うために利益を出せば、当然来期の納税も大きくなってきます。
資金繰りを立て直すのには、利益を出す以上の労力がかかってきます。
決算対策が遅れないために3か月前にやるべき決算対策とは?
決算対策が遅れる本当の理由をご存知ですか?
決算対策が遅れる本当の理由は次の3つです。
決算対策が遅れる理由1:経理処理が遅れている
決算対策が遅れる理由2:資金繰り管理ができていない
決算対策が遅れる理由3:税法上合理的な節税情報が入っていない
当たり前と思う方もいると思いますが、この当たり前なことができていると会社は税金に振り回されることがないのです。
なぜこんな当たり前なことができないのでしょうか?
決算対策遅れる会社の特徴は次の通りです。
決算対策が遅れる会社1:成長し続けていて気が付いたら経理が遅れてしまっている
決算対策が遅れる会社2:資金繰りが悪化して営業や現場が忙しくなってしまっている
決算対策が遅れる会社3:情報提供のある税理士事務所に頼んでいない
決算対策が遅れる会社1:成長し続けていて気が付いたら経理が遅れてしまっている
右肩上がりの成長を続けている会社に多い現象です。
会社設立して生き残る会社の場合、起業後5年程度は売上が右肩上がりになります。
消費税が出てくるのは業種にもよりますが2年目か3年目になります。
それまでは資金繰りも楽なので、経理が遅れても気になっていないことが多いのです。
起業後3年目から5年目は特に急激に売上が大きくなるところもあります。
今までは利益が出ていても、金額としては大きくなく使う経費も大きくなかったために納税額が出ても小さく済みました。
しかし、売上が大きくなると利益も大きくなります。
この時点ですぐに経理を立て直していればよいのですが1度痛い目に遭わない限り怖さを実感できません。
そのために経理の怖さを知るのは決算対策が遅れてしまった後になりがちです。
決算対策:自社で経理をするか・税理士に経理を頼むかを決めておく
経理を自社ですべておこなっていくのか、経理自体をプロに頼むのかを決めておくことが重要です。
自社で3か月やってダメならすぐに税理士に頼んだ方が良いと思います。
3か月以上引っ張ってしまうと対策が遅れるリスクが高くなります。
決算対策が遅れる会社2:資金繰りが悪化して営業や現場が忙しくなってしまっている
資金繰りが悪化すると仕事を終わらせていかなければ支払いが厳しくなります。
支払いができるだけ仕事をしていれば、利益が利益がでてきます。
ただ、経理をしている時間がもったいなくて仕事を次々してしまいます。
決算対策をしないまま法人決算の時にとんでもない納税額になってしまいます。
コントロールできないまま再び延滞になってしまうリスクが出てしまいます。
決算対策:今すぐ経理をプロの税理士に頼んでしまう
資金繰りが悪化しているときほど経理を自分で抱えてしまいますが間違いです。
資金繰りが悪化しているときほどプロの経理が必要なのです。
銀行融資を打診する場合でも、今時点の利益の把握でもすべてタイムリーな経理が必要になってきます。
無駄な経費は切り詰める必要がありますが、立て直しに必要な情報や経理はプロの税理士に頼むべき段階です。
決算対策が遅れる会社3:情報提供のある税理士事務所に頼んでいない
決算対策は合法的な利益のコントロールが必要になります。
記帳代行会社や税理士事務所に頼んでいて経理自体は順調にできているように見えも対策ができなければ残念な結果になります。
節税対策として「モノを買う」「保険に入る」だけでは対策として不十分なことがあります。
会社の業種・業態・規模・状況によってその会社ごとに取ることができる対策はバラバラです。
他の会社にとってよい節税対策でも自社にとっては無理な場合もあります。
きちんとその会社の現状に合わせた情報提供や対策が必要です。
決算対策:税理士検討も一つの解決方法です
税理士事務所ごとに特徴が分かれます。
同じ税理士でも税理士資格をとる背景もバラバラです。
試験で税理士になる人もいれば、大学院を卒業して税理士になる人もいます。
税務署OBで税理士になる人もいます。
それぞれ、税理士になる前の経験も違えば税理士になった後の経験も違います。
最近は特色によって次のように得意分野が分かれている税理士事務所もあります。
・医療系専門の税理士事務所
・税務関係の研究に力を入れている税理士事務所
・経営コンサルに力を入れている税理士事務所
・相続に力を入れている税理士事務所
・昔ながらの税理士事務所 など
その税理士事務所ごとに税務情報や経営情報の共有度合いも異なります。
もしも、決算対策での情報提供が不足している場合には税理士検討も一つの方法になります。
まとめ
決算対策が遅れることで税金滞納リスクが高まります。
利益をしっかりとコントロールしていなければ、長期的な資金繰り悪化を招いてしまいます。
決算3か月前からはしっかりと経理が追い付いているかを確認しましょう。
経理処理が遅れている場合には、今すぐに経理のてこ入れをしましょう。
千葉税理士事務所の決算対策
千葉税理士事務所では法人決算・消費税決算対策を受け付けております。
決算期の3か月前からの決算対策は時間との勝負になります。
1か月遅れるだけで対策が全くできないこともあります。
毎月の経理が遅れている場合には最優先で経理処理をサポートをしていきます。
現状の利益・資金状況によって対策として取れることと取れないことが起きてしまうためです。
翌期以後の銀行融資の必要性の有無によっても決算対策は異なってきます。
・今まで決算対策をしたことがない会社
・決算対策で失敗した会社
・税金が心配な会社
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