一人親方の建設業を法人化させるタイミングとは

札幌市白石区にある建設業専門の千葉税理士事務所です。一人親方として個人事業で起業した方が法人設立をするタイミングはいつなのかを考えてみましょう。

一人親方の建設業を法人化させるタイミングとは

一人親方として建設業で独立した人も従業員を雇用して規模が大きくなっていくことがあります。

特に最近では建設業の人手不足が起きているのである程度の人数を確保することが難しくなってきています。

従業員数が増えなければ人工売上でも請負売上でも収益を伸ばすことはできません。

個人事業でも従業員確保ができれば売上が上がりやすい環境になってきたのです。

その一方で個人事業と法人では使う税金知識の幅も税務調査の頻度も異なります。

この法人化のハードルの高さからタイミングをはかることを難しく感じさせてしまうのです。

個人事業ではできなかったことが法人建設業でできることも多いのでどのタイミングで法人化すべきか考えてみましょう。

(目次)

1.一人親方を法人化させるときに考慮すべきもの

2.一人親方を法人化するメリットとは

3.一人親方を法人化するデメリットとは

4.まとめ

1.一人親方を法人化させるときに考慮すべきもの

一人親方の個人事業主が法人になるときに考慮することは、建設業の資金繰りがどのように変化するかです。

建設業に限らず個人事業を法人化した人は会社の資金繰りが悪くなる可能性があります。

特に社会保険料の負担が会社の資金繰りが変化してしまいます。

利益が出ていようが赤字でも人件費があれば社会保険料は発生します。

口座振替を利用している場合には、毎月月末に社会保険料がまとめて引き落とされるということになります。

正確な数字ではありませんが、人件費の3割程度が毎月口座から引き落としされるということです。

取引先の月末入金が遅れてしまった場合には社会保険料の引き落としができないなど問題が発生することもあります。

この社会保険料の負担と資金繰りの影響については必ず考慮に入れておきましょう。

建設業を法人化する場合には、建設業に強い税理士さんと相談しておくことで設立後もスムーズに事業を拡大していきましょう。

2.一人親方を法人化するメリットとは

建設業の一人親方を法人化するメリットは次の3つです。

①事業主自体が社会保険に加入できる

一人親方を法人化するメリットは、事業主自体の社会保険加入です。

先ほどは社会保険料の負担による資金繰りの影響をお話ししましたが、今度は逆の話になります。

個人事業主は会社に社会保険を設置しても自分は国民年金・国民健康保険になってしまいます。

将来の年金不安というものは別の方法で解消していく必要が出てきます。

株式会社や合同会社を設立して一人親方を法人化すると自分も社会保険に加入することになります。

国民年金よりも福利厚生面でよくなるということは大きなメリットです。

②役員報酬(役員給与)になることで節税につながる

個人事業主の時は利益多いほど高い税率が適用される仕組みでした。

ある意味自分ではどうすることもできないのです。

今年は現場がよかった=高い税率ということになります。

法人の場合には会社の利益部分は法人税がかかります。

この法人税は所得税のように最高45%ということはありません。

定率になっているので、利益が多くても少なくても一定の税率になります。

一人親方が法人化した場合には、自分の生活費を「役員報酬(役員給与)」としてとっていきます。

そのため自分の所得税の税率を役員報酬を決めることでコントロールすることができます。

一般的には法人に残す利益と自分でとる役員報酬のバランスを考えています。

役員報酬は給与所得というものになるので、もらったお給料すべてが税金対象になるわけではなく給与所得控除というお金の出ない経費のようなものが認められています。

そのため個人事業のときよりももらったお金にかかる税金が少なくなるという仕組みなのです。

③法人税の仕組みを使った節税ができる

個人事業主の時には所得税という税法で税金を計算・納税をすることになります。

一人親方を法人化すると法人税というものが会社に対して係ることになります。

この法人税は法人税法という法律で税金計算をします。

個人事業と同じ事業を法人で行っていても税金の計算方法が変わってきます。

所得税よりも法人税の方が一般的に節税といわれるものが行いやすくなっています。

3.一人親方を法人化するデメリットとは

一人親方を法人化するデメリットは次の点があります。

①健康保険料・年金保険料の負担が大きくなる

②法人税の申告が複雑

大きく分けるとこの2点が上げられます。

①健康保険料・年金保険料の負担が大きくなる

会社が増収増益の間は耐えられるのですが、業績が横ばい又は下降局面になると社会保険料の負担は非常に重くなります。

特に従業員数が増えてくる場合には、社会保険料の負担金額が大きくなります。

一人親方にとって資金繰り悪化の原因で最も多いのが社会保険料といえます。

②法人税の申告が複雑

一人親方の経理をご自身や奥様がされているケースがよくあります。

自分で帳簿をつけて確定申告をすることでなんとかやりきることができたかもしれません。

ところが法人税の確定申告は所得税の税務申告よりも複雑な申告書になります。

私自身はじめて法人税の申告書を見たときに「意味がわからない」という衝撃を受けました。

これを自分で手書きで作るとなると、ほぼ不可能ではないかと思います。

4.まとめ

一人親方を法人化させるタイミングは事業拡大を考えたときがベストです。

3人から5人で人現場をこなすことを考えると、個人事業のうちで4人くらいの規模になると法人化も検討したいということになります。

事業を拡大する予定がないのに個人事業主から法人にすると社会保険料の負担に耐えられなくなる可能性があります。

 

一人親方を法人化する場合には建設業専門の税理士さんに相談しておく方がデメリットの少ない法人設立ができます。

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