起業するべきか勤務のままにするか悩むことがあると思います。起業する理由と起業しない理由は何でしょうか?準備万端起業はよいのでしょうか。起業するにはリスクもリターンもあるのです。
準備万端の起業を待っていては起業できない【完璧はあり得ない】
起業するか勤務のままでいるかの悩みの原因は何でしょう?
起業をためらっている方の中には「準備万端にならないと不安」という方も多いのです。
しかし、準備万端な起業はほぼありえません。
なぜなら何をもって準備万端なのかです。
生活できないかもしれないから起業しないというのであれば、生活できるだけになる準備は働きながらできることはほぼ不可能だからです。
いい方が悪いかもしれませんが、今の会社のお客様を持っていくこと前提で働きながら起業のための営業をしているということです。
とはいえ、起業は準備万端でなければできるはずがないと思われる方もいると思うので私のことをお話ししましょう。
顧問先0件・売上0円からのスタート【のれん分け無し】
税理士として登録するためには、2年以上の実務経験が必要になります。
税理士試験に合格してもいきなり税理士として登録できるわけではないのです。
税理士を目指している人が税理士事務所で働いているのは、こういう理由もあるのです。
勤務をしながら税理士になるため、税理士さんは独立する時には「前の税理士事務所から自分が担当していたお客さんを分けてもらって起業する」と思われがちです。
表立ってお客さんを持って行ったとなるとトラブルになるのでこっそりと退職後にお客さんに来てもらったという人もいると思います。
前事務所の先生が勤務時代に開拓したお客さんを持たせてくれる事務所もあるかもしれません。
ただ自分の場合には無計画な起業になったのでお客さんの数は0件からのスタートでした。
何とかなるという起業ではなく、「うっかり起業」をしてしまいました。
勤務していた税理士事務所を辞めてほかの税理士事務所を見てみようと思ったのですが、誰も採用してくれなかったのです。
面接で「将来独立するの?」と聞かれるたびに正直に「ハイ!」と答え続けたら落ちました。
当たり前ですよね。
その事務所にしたら数年いるかどうかも怪しいやつなわけですから。
誰も雇ってくれないということは、生活できないということです。
仕方ないので自分で税理士事務所を開くことにしたという予定外な起業でした。
当然、税理士事務所からの「のれん分け」もありません。
以前担当していたお客さんに声をかけることもなく、顧客数0件で売上0円からの起業になったわけです。
皆さんの知っている税理士さんでこんな馬鹿な起業した税理士はいないと思います。
一般的には経理や経営のプロで慎重な人材が税理士なはずだからです。
そんな自分の経験から「準備万端な起業」でなければ起業できないというのは間違いと感じたことをお伝えします。
準備万端な起業が危険な理由とは
準備万端な起業をまで待つことで損をするポイントが3つあります。
リスク1:起業するまでの年齢が高くなる
自分が税理士事務所を開業したのは28歳のときです。
税理士として一人で独立する年齢としては早いほうです。
しかし、今となっては可能であれば早ければ早いに超したことがないと感じました。
このときには気がつかなかったことがあります。
「時間は戻ってこない」ということに気がつくのは年齢を重ねてからだからです。
会社が大きくなるためには銀行融資が必要になります。
その銀行融資の返済期間を考えてみてください。
一般的に創業融資の返済期間は5年~7年です。
制度融資を使って返済するのも5年~7年です。
50歳になってから銀行融資は何度受けられますか?
65歳まで頑張っても実質的には1回から2回だけです。
しかも、自分がやりたいことを実行できる会社は15年くらいしか時間がありません。
リスク2:経営者とサラリーマンでは経験できるものが違う
仕事ができるようになってから起業したいと思うのは誰でも一緒です。
サラリーマン時代に「仕事ができる」というのは仕事でしょうか?
それは経営者側の見方としては「仕事」ではないことがあります。
経営者側の感覚としては「作業」だったりします。
正確な事務や営業をするということは、会社の大切な仕事です。
契約を取ることは日々の売上げを上げる意味では重要です。
しかし、経営者が行うべき仕事はそれではありません。
経営者になると将来のことを考えていかなければなりません。
今現在の売上げを上げることと同時に、3年後・5年後・10年後に自分の置かれている業界の様子や他社の動きの予測も同時に行う必要があります。
とはいえ、起業したての頃は手元資金も少なく、経験もないことが多くなります。
そのため作業と仕事を同時に行わなければならない時期が一定期間できてきます。
早期に起業することでこの作業と仕事をする時期を若い時期に集中して行うことができます。
先輩経営者から情報をもらうことも若いうちだからできる特権です。
年齢を重ねて信用力をつけた段階でも、若手として成長しやすい環境になります。
経営者になることでしか経験を積めないことがあるので、起業するのであれば早ければ早いほうがよいと思います。
これはサラリーマン時代にはできないことです。
リスク3:廃業や事業譲渡を考える時間を遅らせられる
早期に起業することで社長の年齢が若くなります。
社長が現役で会社を引っ張っていく期間の長い会社ができるということです。
一般的に社長の年齢が高くなると会社の競争力は落ちてきます。
会社の稼ぐ力が落ちてくることで資金調達力も落ち、収益性も悪化するリスクが高まります。
社長の年齢が高くなってくると自分の会社をどうすべきかに時間をかける必要が出てきます。
・自分の会社を後継者に引き継ぐ
・同業他社に譲渡する
・自分の代で廃業する
シンプルに分けるとこの3つになります。
ただし、会社には従業員さんもいます。
簡単に決めることができず、自分の引退の準備に数年間をかけて処理する必要が出てきます。
事業を楽しむために起業したのに、後半は廃業のための準備をすることになってしまいます。
起業する年齢が高くなるほど、現役としてやりたいことをやる時間は少なくなってしまいます。
起業をするために必要なこととは
起業をするために必要なことは意識と計画性です。
無計画な起業は危険度合いが高まります。
ただ、準備万端なほど準備していたのでは時間がかかりすぎます。
起業するためにすべきことは次のことです。
①自分の強み・弱みを分析する
②自分がやりたい事業について他社分析を行う
③自分がやりたい事業を事業計画に落とし込む
これができたら、自分で期限を決めて独立の具体的な準備に入ります。
家族や周りの人の協力が得られるように準備をしていきます。
創業融資が必要な場合には、政策金融公庫などに相談しておくことも重要です。
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