札幌市白石区にある経営に強い千葉税理士事務所です。
ここ数年「うちの税理士さんが廃業します」という相談が増えています。
急に税理士さんが廃業してしまった場合、何が困るのかをお話しします。
(目次)
1.税理士さんが高齢廃業という相談は年々増えている
2.税理士さんが高齢廃業に向かう場合に起こりやすいこと
3.自分のタイミングで税理士変更がベスト
1.税理士さんが高齢廃業という相談は年々増えている
以前から「税理士さんが高齢なので・・・」ということで、私たちに税務顧問の相談をいただくことはありました。
10年前まではそれほど多くなかった気がするのですが、ここ5年くらいは「税理士さんが廃業するので」や「税理士さんが廃業してしまって探しています」と焦った様子の方も増えてきました。
実際に税理士会への参加をしていても税理士先生の年齢層は割と高く、40代でも若手という感じです。
税理士になるルートは
①試験を受けて合格して税理士になる
②大学院で一部科目の試験免除を受けて税理士になる
③税務署など公務経験をもって税理士になる
の3つが多くなります。
一般的に税務署OBといわれるのは③のルートで税理士登録をされるケースです。
どうしても、年齢的に③の税務署OBの方が多い税理士業界では年齢層が高くなりやすい傾向があります。
また、税務署も再雇用(再任用)制度ということで税理士登録をするタイミングが遅くなってきているのかもしれません。
とはいえ、税理士として業務をすること自体は生涯にわたって可能ですので、先生の高齢化で廃業というのは恐らく70後半以後になるのではないかと思います。
推測だらけになりますが、昨今の税制改正が複雑になっていたり、インボイス制度で経理処理が面倒になったりという税理士業務の業務量や情報のアップデートの負荷が高くなってきているということも廃業を決断するきっかけになっている可能性もあります。
税理士業務を行うにあたっては、税務申告用のソフトのリース・車両の購入など設備投資も必要になってきます。
特に、昨今の物価高の影響もあり税理士業界の経費も上がってきていることから高齢な先生一人でされている場合、コストと収入が見合わないという現象も起きやすくなっています。
平成26年の日本税理士会連合会実施の第6回税理士実態調査の結果は次のようになっています。
①20代税理士:0.6%
②30代税理士:10.3%
③40代税理士:17.1%
④50代税理士:17.8%
⑤60代税理士:30.1%
⑥70代税理士:13.3%
⑦80代税理士10.4%
令和5年はこれらの年齢の方が約9歳年を取っていることを考えると70代以上の税理士さんの数が相当多くなっていることが想像できます。
今後、ますます年齢の高い税理士さんの廃業ということは起こってくる可能性が高いです。
40代・50代の経験豊富な税理士さんの数が一気に増えることはなかなか難しいので、税理士さん選びは時間がかかるかもしれません。
2.税理士さんが高齢廃業に向かう場合に起こりやすいこと
税理士さんの年齢が上がっていって廃業に向かう場合に次のような状況になりやすくなります。
①新たな設備投資は数年前から控える
②職員の新規採用はしていない
③職員を含めて年齢層が高い
④ITなどに新たに対応できにくい
⑤最新の税務情報や経営情報が入りにくい
年齢の高い税理士さんはまじめな方が多いので、いきなり仕事を辞めるというケースは少ないと思います。
計画的にあと数年で事務所を畳もうと考えたり、どこかの会計事務所に事務所を引き取ってもらうということを考えているはずです。
その中で、廃業に向けての時間の中では新たなコスト投資は消極的になります。
経理代行・確定申告・法人決算申告という通常の作業で使うものはリースのことがほとんどです。
そのためリース期間の更新のタイミングまでで事業を廃止するという考えになることが多いと思います。
また、年齢による廃業を考え始めると若い職員の採用も控えるはずです。
昔から苦楽を共にした職員で廃業に向かって業務を進める傾向にあります。
どうしても年齢が高くなってくると新しいものへの取り組みということが難しくなるので、今までと同じ仕事の仕方でずっと進めているという特徴もあります。
例えば、事前確定届出給与という少し面倒な節税方法があるのですが、こうした手間のかかる節税に対しては取り組まないという事務所もあります。
もしも、自分の会社をあと10年以上は継続したいという場合には、少し早いかもしれませんが税理士さんが廃業を検討するよりちょっと前に税理士変更を検討され手もよいと思います。
3.自分のタイミングで税理士変更がベスト
税理士さんの廃業のタイミングで税理士さんを探すよりも、自分が主体となって税理士さんを変更する方をお勧めします。
その理由は「税理士さんを探さなければならない」という時間的制約ではなく、いまのあなたにとって必要な税理士さんを探せます。
今までと同じ税理士さんで問題のないケースもたくさんあるのですが、もっと〇〇というサービスが受けたいという場合には自分のタイミングで条件に合った税理士さんを検討してみましょう。
私たちの場合でいうと、「経営に強い税理士」という部分で選ばれています。
これに加えて自社で経理が難しいけども、経営相談もしたいという方には経理代行と経営相談というものをセットにしてご用意しております。
もしかすると、税務調査が心配なので税務署OBで法人課税出身の人がいいという方もいると思います。
そういう方は、時間をかけて税務OBで法人課税化出身の方の事務所を探すとよいと思います。
もっと安ければよいという場合には、料金面が安い事務所を時間をかけて探すこともできます。
いずれにしても、税理士さんの廃業します宣言より前に動くことで、決めてしまわないといけないリミットに縛られずに検討できるわけです。
あなたの会社が今後少しでも良くなるために税理士選びを活用してみてください。
相談電話:011-858-7007