クレジットカードを日ごろから使っている経営者は多くなっています。クラウド会計の普及もありますますクレジットカードを活用した経理・事務の効率化がすすめられています。ついに国税もクレジットカードによる国税納付を始めました。
クレジットカードで国税の納付が可能になりました!~しっかり活用できるお得な制度~
クレジットカードで税金の納付ができればいいのにと日ごろから感じてはいましたが、ついに国税のクレジットカード納付ができるようになりました。
今までは電子納税手続きという手続きを通じてインターネット経由で納税をすることができるものがありましたが、正直面倒でした。
金融機関に行かなくてもよいのですが、ダイレクト納税による納税手続きのために、「事前に税務署に届出をする必要」がありました。
「どうしよう銀行に行けないかもしれない」ということになっても手遅れになってしまいます。
国税は納期限を過ぎてしまうと「延滞税」という非常に高い金利がかかってきます。
さらに、うかうかしていると税務署の徴収担当から電話がきて税務署に出向いて納付相談をする必要が出てしまいます。
納付相談と毎月の約束通りの分割納税のために、仕事の時間を削って税務署に行けば行くほど売上が下がります。
納付が難しくなる理由という部分でもあったので、クレジットカード納付は個人的には非常に楽な制度になるのではないかと思います。
ただし、クレジットカード事故を起こしてしまうとその後の銀行融資を含めた根幹の資金繰りに悪影響になるので注意が必要です。
国税が遅れるとどれくらいの延滞税がかかるのか?
延滞税は次の通りです。
(納期限の翌日から2か月以内)
平成29年1月1日~平成29年12月31日までの期間:年利2.7%
(納期限から2カ月超)
平成29年1月1日~平成29年12月31日までの期間:年利9.0%
さらに、延滞税は法人税法上も所得税法上も経費にならないので節税効果はありません。
クレジットカード納付の手数料はどれくらいかかるのか?
クレジットカード納付は国税以外に「手数料」がかかるようになっています。
理由は納税者が本来の納期限よりも後に引き落とされて便益をつけられることということのようです。
手数料分税収が減ってしまうのでクレジットカードの手数料はやむを得ないところですね。
実際にどれくらいのクレジットカード納付手数料がかかるかというと次の通りです。
①最初の1万円まで76円税抜き(82円税込み)
②以後一万円を超えるごとに76円税抜き(82円税込み)
納税額を10,000円で割って、端数を切り上げした整数に82円をかけた分が手数料になるということです。
※消費税処理で誤差が出る可能性があります。
延滞税とクレジット手数はどちらが得?
クレジットカードを利用した場合、クレジットカード会社ごとで異なりますが40日程度の支払いサイトが伸びます。
例)3月決算法人の場合(納税額100万円)
・15日締め・翌10日クレジット引落の場合(5月16日~6月15日締め・7月10日引落)
・国税の法定納税期限月末(本来の納期限5月31日)
・クレジット手数料:8,200円
・延滞税の場合:100万円×2.7%×40日/365日=2,000円(千円未満切り捨て)
短期的な金額比較ではクレジット手数料のほうが高いですねが、心理的負担を考えるとクレジットカードの方がお得な気がします。
延滞税の場合には損金で落ちないですが、納付のための手数料は法人であれば損金・個人の場合には事業所得・不動産所得等に対応する部分は必要経費に算入することができると考えられます。
たまたま資金繰りの関係で一時的に資金が不足している場合などはクレジット納付を使った方が気分的に楽な気がします。
国税が遅れてしまうだけで税務署から電話が来たり、心理的によくないことの方が多いと思います。
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クレジットカード納付がお得な理由とは
延滞税とクレジットカード納付の利息・手数料比較では延滞した方が金額的には徳ということになることもあります。
しかし、金額面だけでは判断できないお得なポイントがあるので見ておきましょう。
①クレジットカード納税にはポイントが付く
実際にVISAカードに確認してみたところ、クレジットカード納付にはポイントが付きます。
それ以外のカードを使っている方は事前に自分のクレジットカード裏面のカード会社に確認しておきましょう。
国税庁のQ&Aにもカード会社への問い合わせをしてくださいとなっているので事前に確認はしておきましょう。
②クレジットカード納税は夜間・休日も納税可能
システムメンテナンスなどがなければ24時間いつでも納税が可能になります。
今までは税理士事務所からの納付書が届かなければ納税ができないということもありましたが、クレジット納税対象税目は納期限直前でも納税ができるようになります。
③クレジットカード納税は支払い回数が選べる
クレジットカード納税は次の支払い方法から選択することができます。
・一括払い
・分割払い(3回・5回・6回・10回・12回)
・リボ払い
※ただし、ボーナス払いの利用はできないので注意してください。
④家族などの国税納付もできる
自分の国税だけではなく家族などの国税を納付することもできます。
この場合の注意点は次の通りです。
・利用者情報は税金が発生した人の情報を入力
・クレジットカード情報はクレジットカードの持ち主
⑤法人名義クレジットカード(コーポレートカード)も利用可能
法人に関する国税についてもクレジットカードによる納税が可能です。
納期限に銀行に行くことが難しい場合などはクレジットカードを活用して納付することも可能になります。
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クレジットカード納付(クレジット納税)が可能なクレジットカード
クレジットカード納付(クレジット納税)が可能なクレジットカードは次の通りです。
・Visa
・Mastercared
・JCB
・American Express
・Diners Club
・TS CUBIC CARD
クレジット納付にお勧めのクレジットカードは次のカードがあります。
<アメックス>プラチナ
アメリカン・エクスプレスカード
<アメックス>ゴールド
マイルがたまる「JALカード」
クレジットカード納税ができる国税
クレジットカードで納税できる国税は次の通りです。
延滞税などについてもクレジットカード納税が可能です。
ただし、税額1,000万円未満までしかできませんのでご注意ください。
- 申告所得税及び復興特別所得税
- 消費税及び地方消費税
- 法人税(連結納税を含む)
- 地方法人税(連結納税を含む)
- 相続税
- 贈与税
- 源泉所得税及び復興特別所得税(告知分のみ)
- 源泉所得税(告知分のみ)
- 申告所得税
- 復興特別法人税(連結納税を含む)
- 消費税
- 酒税
- たばこ税
- たばこ税及びたばこ特別税
- 石油税
- 石油石炭税
- 電源開発促進税
- 揮発油税及び地方道路税
- 揮発油税及び地方揮発油税
- 石油ガス税
- 航空機燃料税
- 登録免許税(告知分のみ)
- 自動車重量税(告知分のみ)
- 印紙税
まとめ
・クレジットカードによる納税が始まったことで時間を気にしないで国税納税ができるようになりました。
・クレジットカード納税はダイレクト納付のように難しい事前手続きが不要ですので気軽に始めることができます
・クレジットカード納税は手数料がかかりますがカード会社によってはポイントがつくというオトクな活用ができます。
・クレジットカード納税をすることで国税延滞で税務署から督促電話が来ることが減るので仕事に集中できます
・クレジットカードの限度額が影響するので納税時期だけ一時増額などのクレジット会社での手続きが必要になることがあります
・クレジットカード納税はクレジットカード事故につながることがあるので資金繰り管理をしっかりとしておきましょう
※クレジットカード納税は新しい制度なので詳しくは国税庁HPをご覧ください。
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